欧州委員会がアリエクスプレスに制裁金、違法商品流通の対策不十分

2026年07月22日 15:19

2026年07月22日 15:19

 欧州委員会は7月20日、デジタルサービス法(DSA)に基づき、アリババグループが運営する越境ECモール「アリエクスプレス」に5億5000万円ユーロ(日本円で約1022億円)の制裁金を科した。偽造品や安全性の低いおもちゃ、危険な化粧品など違法商品が流通しており、DSAが求める適切なリスク評価を怠っていたと判断した。10月20日までに改善計画の提出を求めている。


 欧州委の調査では多くの違法商品が削除前に消費者にレコメンドされ、広告されていた。調査から、アリエクスプレスは、リスク評価を一つの定量的指標に依存しており、監視システムが違法商品の出現リスクをどの程度防止しているか適切に測定していないことが判明した。

 欧州委は違法商品の検知システムが適切に機能せず流通し、検知した後も数週間に渡りオンライン上で流通していたと指摘している。また、コンプライアンスチェックのために十分な人員体制を整備せず、誤って分類された違法商品を検出できていなかった。

 悪意のある出品者は、より柔軟な要件で利用するために、意図的に間違ったカテゴリーに商品を分類。ルールに準拠していない商品を自由に流通できるようにしていた。これら悪質事業者に対するペナルティポリシーも適切に運用されておらず、違法商品の出品者は、ペナルティを受けた後もプラットフォーム上で事業活動を続けることができた。

 また、偽造品販売防止を目的にする「ブランド認証」システムは効果がなく、人手不足から、出品者はシステムを回避し、偽造品として削除された多くの商品を販売できた。

 欧州委は、違法商品を拡散するリスクを低減する措置を講じていないとして、アリエクスプレスに改善計画の提出を求めている。計画受領から1カ月以内に、欧州デジタルサービス委員会が内容を評価。さらに1カ月以内に最終決定を採択し、実施の期限を定める。

 「アリエクスプレス」は、安さと幅広い品ぞろえから日本国内でも若年層の支持を得ている。

 欧州委は2023年と24年にアリエクスプレスが行ったリスク評価報告書に基づき、24年3月、DSA違反の可能性を評価する調査を開始。昨年6月、コンプライアンス違反に関する暫定的な結論に達していた。

 欧州委は今年5月にもDSAに基づき、中国発のECモール「Temu(テム)」に2億ユーロ(同約371億円)の制裁金を科している。アリエクスプレス同様、違法商品の流通を防ぐ措置を講じていないと判断した。

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