〈第3のタバコ〉 EC拡大、〝リラックス〟など用途広がる

2026年07月29日 14:43

2026年07月29日 14:43

 ニコチンの入っていない「第3のタバコ」がじわりと市場を拡大している。背景にあるのは、2020年4月施行の改正健康増進法で原則屋内禁煙となり、受動喫煙や健康に対する意識が向上してきたがことがある。規制対象の「紙巻きタバコ」に加え、厚生労働省は、昨年末から「加熱式タバコ」も同様の対策強化が必要と議論をスタートした。ニコチンやタールなしの「第3のタバコ」は新たな選択肢となるのか。


0730115204_6a6abc54b745b.jpg 厚労省が昨年12月に発表した「国民健康・栄養調査」では、習慣的に喫煙している人の割合は14.8%で、12年比で5.9ポイント少なくなった。男性は34.1%から24.5%に、女性は9.0%から6.5%に低下している。

 喫煙率の低下はタバコの販売量に直結する。「紙巻き」の販売量は1996年度の約3500億本がピーク。19年度には約1200億本まで減少した。その一方で、タバコの葉を燃焼せず加熱して使用する「加熱式」は普及し、販売本数ベースで5割弱を占める。

 喫煙者が使用するタバコ製品は「紙巻き」が約6割、「加熱式」が約4割と、依然として「紙巻き」が優勢だ。「紙巻き」は60代以上で7割を超え、20〜30代は「加熱式」が6割超と高い。IQOS(アイコス)、glo(グロー)、Ploom(プルーム)といった「加熱式」は煙や臭いが少なく、若年層から好まれる傾向にある。

 ただ、現在は飲食できる喫煙室で吸える「加熱式」にも規制強化の足音が聞こえる。厚労省は昨年11月、厚労相の諮問機関である厚生科学審議会で、屋内禁煙が原則の「紙巻き」と同様の規制が必要か否か検討を始めた。受動喫煙対策を強化した改正健増法の全面施行から5年が経過し、健康への影響等を議論している。

 見直しに向けた検討が進む中、じわりと人気を見せているのがニコチンレスのデバイスだ。禁煙時のストレス緩和だけでなく、非喫煙者のリラックスアイテムとしても使用されている。

 ニコチンレスの加熱式茶葉スティック「NICOLESS NiL」(ニコレスニル)は、火を使用せず、茶葉を燃やさない製品のためタールも発生しない。フレッシュミントなど4フレーバーがあり、コンビニなどでも購入できる。18年4月からのシリーズ累計販売本数は4億本を突破した。

 「Air」(エアー)も販売店舗を拡大している。「Air mini」シリーズの累計出荷数は500万本を超え、受動喫煙や副流煙もないとうたう。ブルーベリーやピーチなど23フレーバーがあり、食品衛生法に基づく食品添加物が成分だ。ドラッグストアや大手スーパーなど全国約1万5000店舗に展開している。

 今年3月に発売を開始した「OXIA」(オキシア)は、自社通販のほか、禁煙外来のあるクリニックやゴルフ場、飲食店など販路を拡大中。現在は6フレーバーあり、約800回吸引できる使い切りタイプだ。食品に使用されている成分を使い、自社通販も好調に推移する。今後は大手家電量販店で販売を計画しているほか、通販企業へのOEM製品の提供も行う。

 OXIAを販売するxxxxnese(=ニーズ)は「タバコを吸った人の一息つく時間の置き換えとしても、普段タバコを吸わない方の気分を切り替えるためのリラックスアイテムとしても好評を得ている」(同社)と話す。

 酒類においては、ビールと異なる原料でつくられた「第3のビール」や「ノンアルコールビール」が登場し、健康志向を背景に人気を見せている。ニコチンやタールが発生しない「第3のタバコ」は、香りと吸いごたえを楽しむことができるものとして新たな選択肢になりそうだ。

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