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買うのはネット、持ち帰りはリアル 広がる「商品受け取りサービス」の可能性は?

2019年 5月 9日 15:00

 ネット販売(EC)が拡大する中、リアル拠点を上手く活用し利便性や満足度を高める取り組みに改めて脚光が集まっている。特に目立つのが、顧客がネットで商品を注文してリアル拠点で商品を受け取るというサービス。スマホを使っていつでもどこでも商品を選んで購入できるネットならではの利便性と、最寄りの場所で商品をピックアップできるリアルの手軽さを融合しているのが特徴だ。はたしてリアルを制するものがネットを制するのか。注目企業の事例を見ていく。
 


店舗受け取り、EC出荷の4割超えも

<ライトオン>


 衣料品チェーンを展開するライトオンでは、全国の約500店の店舗網と自社ECを連携させる取り組みを進めている。その一環で以前から実施しているのが「店舗受け取りサービス」だ。

 サービスの流れとしては、まず顧客が自社通販サイト「ライトオンオンラインショップ」で商品を購入する際に店舗受け取りを選択し、希望の受取店を指定する。商品が指定した店舗に届くと店から客のもとに電話で連絡が届く。顧客は店で商品を受け取り、代金を支払う。

 この仕組みであれば、顧客は店頭で商品の試着やジーンズなどズボンの裾あげの指定をすることができる。通常、通販サイトで購入すると5000円未満の場合には一律500円の送料がかかるが、店舗受け取りサービスの商品は店舗の補充在庫と一緒の便で送るため送料はかからない。また、顧客が自分の好きなタイミングで最寄りの店に取りに行けるというのもメリットになる。

 ただ、商品到着時の顧客への連絡や試着の対応など店舗でのオペレーションも必要になるため、店頭スタッフの協力は欠かせない。

 同社オムニチャネル・アド推進部オムニチャネルチームリーダーの金谷洋人氏によると、ライトオンでは店舗受け取りサービスの商品については売り上げを店舗側に計上している。こうすることで店舗スタッフのモチベーションが上がり「店舗側の協力を得やすい」(金谷氏)のだという。

 店舗網を活用した商品受け取りサービスは他の企業も行っているが、ライトオンでは2010年という早い段階から店舗受け取りに対応している。実際に商品を見てから購入できるようにすることで顧客の不安感を払拭するというのが目的だったようだ。

 今では、多い時にはECの出荷数のうち店舗受け取りが4割を超えることもあるという。

店頭スタッフがコーデ投稿強化

 ライトオンの店舗とECとの連携は、店舗受け取りにとどまらず広がりを見せている。

 同社は昨年9月に自社通販サイトを刷新したが、そのタイミングで店舗との在庫連動を開始した。刷新前は通販サイトで扱うものと店舗用の在庫は分けていたが、通販サイトの在庫が欠品し「販売機会ロスが発生していた」(同)ようだ。

 刷新に合わせて在庫を同じ倉庫で保管し、データ上も一元管理を始めた。同社は東日本と西日本に1箇所ずつ倉庫を構えており、ECでは2つの倉庫のどちらかに在庫があれば引き当てられるようにしている。こうした在庫連携を進めたことにより通販サイトで商品がヒットした際も欠品が減り、さらなるヒットにつながっているという。

 さらに同社は以前から、店頭スタッフにコーディネート画像を投稿してもらって通販サイトに掲載しているが、サイト刷新に合わせてこの取り組みも強化している。

 スタッフには”社内インフルエンサー”という役割を与え、掲載しているスタイリング画像を経由して販売につながると、インセンティブを付与。これにより投稿する画像のクオリティが徐々に上がっている。閲覧数も多く、サイトの回遊にもつながっており、「大事なコンテンツになっている」(同)とのこと。

 店舗側もスタッフや店の認知拡大、さらに店舗受け取りの利用にもつながるため、コーディネート投稿には力を入れている。10年に始まった店舗受け取りサービスがここでも効いているようだ。

 
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