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スクロール ソリューションの領域拡大、多言語センターを広く提供

2024年11月 7日 12:00

 スクロールがソリューション事業の領域を広げている。後払い決済サービスのキャッチボールでは、ガスや電気などのインフラ関連、水や牛乳などの宅配向けにクライアントを拡大。また、4月には多言語同時通訳を強みとしたコールセンターを手掛けるビーボーンを買収した。8月に提供を開始した「多言語コールセンター」は官公庁や自治体、物販以外の民間企業もターゲットとしていく。さらには、物流やマーケティング関連などを中心に、M&Aを進めていく方針。

 鶴見知久社長(=写真)は「今までのように物販を営む会社にこだわることなく、当社のノウハウを提供していきたい」と語る。同社では、BtoB向けや食品EC向け物流代行に参入することでソリューション事業の拡大を図る方針を明らかにしている。今上半期については、BtoB向けでは商談を進めている。また、食品EC向けは提携冷凍冷蔵・定温倉庫を関東エリアに拡大。こちらも商談を進めているところという。

 ソリューション事業の今中間期業績は、売上高が前年同期比21.2%増の139億2900万円、セグメント利益は同6.2%減の3億7500万円。各種サービスが伸長したものの、後払い決済において、引当金を計上したことに伴い減益となった。引当金の増加は、物販だけではなく役務にクライアントを拡大したことで、不払い率が増加したため。鶴見社長は「引当金がなければ事業全体でも増収増益で着地した」と説明する。

 生協事業を中心とした通販事業の売上高は、同0.9%増の207億4800万円、セグメント利益は同5・5%増の35億2100万円。

 eコマース事業の売上高は、同21.5%減の70億1300万円、セグメント損益は4100万円の黒字(前年同期は3億7600万円の赤字)。事業再編による運用費用圧縮で黒字化した。鶴見社長は同事業について「瀕死の状態から立ち上がったところ。今季中に事業リストラを完了し、その先に何が見えるかという段階だ」とした。

 連結中間業績は、売上高が同2.2%増の409億1400万円、営業利益が同13.8%増の38億4100万円、経常利益は同18・5%増の40億7500万円、当期純利益は同17.8%増の27億6400万円だった。
 
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