家具や日用品などのネット販売を手がけるベガコーポレーションでは、直営の実店舗の開設を全国で進めており、OMO戦略を通じたEC事業の拡大を図っている。
同社が店舗展開を開始した23年度は3店舗を出店しており、24年度については都内初の店舗をはじめ5店舗を出店した。それぞれ都市部の人口集積地にある大型のショッピングモール内に出店する形態をメインとしている。
現在のところECと実店舗で、売れ筋に大きな違いはないものの、高単価な家具や、持ち帰りやすい小型雑貨などはOMOでの相性が良いと見ている。「今までのECのみでは獲得できなかった需要がとれている。最近ではそこの(相性が良い)商品開発を強化している」(浮城智和社長)とする。

前期の家具・インテリア販売の「LOWYA(ロウヤ)事業」を見ると、新規店舗が定着した下期以降は月次ベースの売上高が回復。上期の4月~9月までは前年同月割れが続いていたものの、昨年10月は同4.1%増、11月は同0.8%増、12月は同12.3%増、25年1月は同15.0%増、2月は同3.4%増、3月は同14.2%増とすべての月でプラス成長となり、今期の4月についても同16.4%増となるなど好調を維持している。「一部ECモールでは苦戦の月もあったが、それをOMOがカバーできる状態が下期以降でできている」(同)と評した。
また、出店効果の一つとして、新規への認知度向上があると説明。「まだ、第一想起される立場にはないが、店頭にいると『ロウヤは実店舗もあったのか』と言う声も聞く」(浮城社長)とし、ブランド名を知ってはいるがきっかけがなかったという層に対して店舗を起点に認知拡大が進んでいることを実感。「『実物を見て安心して家で注文した』という狙い通りにできたレビューも散見されている」(同)とした。
なお、今後の出店計画に関しては引き続き、都市部の人口集積地を対象に行っていく。加えて、千葉県、愛知県、兵庫県、福岡県の国内4カ所に倉庫を構えているため、物流面でも効率が良い倉庫周辺地域も条件となる。今のところ一定の集客が見込めるショッピングモールへのテナント出店が多いが、今後は路面の大型店も検討する予定。
今期はすでに4月18日に愛知県内に「ららぽーと安城店」(画像)を開設しており、来年冬には福岡県内に2店舗目として「イオンモール福岡」内に開設する。当期中に5店舗以上の開設を計画している。
そのほか、OMO施策を展開する中での今後の課題としては、コストコントロールを挙げている。「家賃を構成比の何%にするか、人件費を何%にするか。ようやくその理想が固まりつつある」(同)とし、その経営数値に向けて全店での達成を目指す考え。
家具配置アプリでコーデを支援
なお、実店舗開設と並行して強化しているのが、3D家具配置シミュレーションアプリ「おくROOM」の利用拡大。OMOの一環として、コーディネートの視点でデバイス上での顧客体験も向上させるもの。ロウヤの取扱商品の中から現時点で1100点以上を3Dモデル化しており、部屋のコーディネートをシミュレーションすることが可能となっている。インテリアの知識がなくても、部屋のサイズや予算を入力するだけで、自動で好みの部屋にあったコーディネートを無限に生成することができ、気に入ったアイテムはロウヤで即購入ができる。
アプリのリリースから5カ月たった3月時点での累計ダウンロード数は30万を記録。同アプリ経由のEC売り上げも増加傾向となっており、今後、スマートグラス(眼鏡形状のウェアラブルデバイス)の普及が進むことで、その相性の高さからさらなる利用拡大も期待している。
同社が店舗展開を開始した23年度は3店舗を出店しており、24年度については都内初の店舗をはじめ5店舗を出店した。それぞれ都市部の人口集積地にある大型のショッピングモール内に出店する形態をメインとしている。
現在のところECと実店舗で、売れ筋に大きな違いはないものの、高単価な家具や、持ち帰りやすい小型雑貨などはOMOでの相性が良いと見ている。「今までのECのみでは獲得できなかった需要がとれている。最近ではそこの(相性が良い)商品開発を強化している」(浮城智和社長)とする。
また、出店効果の一つとして、新規への認知度向上があると説明。「まだ、第一想起される立場にはないが、店頭にいると『ロウヤは実店舗もあったのか』と言う声も聞く」(浮城社長)とし、ブランド名を知ってはいるがきっかけがなかったという層に対して店舗を起点に認知拡大が進んでいることを実感。「『実物を見て安心して家で注文した』という狙い通りにできたレビューも散見されている」(同)とした。
なお、今後の出店計画に関しては引き続き、都市部の人口集積地を対象に行っていく。加えて、千葉県、愛知県、兵庫県、福岡県の国内4カ所に倉庫を構えているため、物流面でも効率が良い倉庫周辺地域も条件となる。今のところ一定の集客が見込めるショッピングモールへのテナント出店が多いが、今後は路面の大型店も検討する予定。
今期はすでに4月18日に愛知県内に「ららぽーと安城店」(画像)を開設しており、来年冬には福岡県内に2店舗目として「イオンモール福岡」内に開設する。当期中に5店舗以上の開設を計画している。
そのほか、OMO施策を展開する中での今後の課題としては、コストコントロールを挙げている。「家賃を構成比の何%にするか、人件費を何%にするか。ようやくその理想が固まりつつある」(同)とし、その経営数値に向けて全店での達成を目指す考え。
家具配置アプリでコーデを支援
なお、実店舗開設と並行して強化しているのが、3D家具配置シミュレーションアプリ「おくROOM」の利用拡大。OMOの一環として、コーディネートの視点でデバイス上での顧客体験も向上させるもの。ロウヤの取扱商品の中から現時点で1100点以上を3Dモデル化しており、部屋のコーディネートをシミュレーションすることが可能となっている。インテリアの知識がなくても、部屋のサイズや予算を入力するだけで、自動で好みの部屋にあったコーディネートを無限に生成することができ、気に入ったアイテムはロウヤで即購入ができる。
アプリのリリースから5カ月たった3月時点での累計ダウンロード数は30万を記録。同アプリ経由のEC売り上げも増加傾向となっており、今後、スマートグラス(眼鏡形状のウェアラブルデバイス)の普及が進むことで、その相性の高さからさらなる利用拡大も期待している。