
「お客様によりよく商品を見てもらうためにはどうすればよいかと店内を改善したり、お客様から色々な声を聞くことができ、社内で仕事をしているだけでは分からないこと分かった。今後に生かしたい」――。アスクルは5月15日と同17日、同20日の3日間、移動販売車で商品を販売するポップアップストアを開店した。
4月に入社した社員21人が6月の配属に向けて行っている新入社員研修でのインプットを受け身ではなく主体性を持って行動まで結び付けることを目的とし、最終的なアウトプットの場として、事前に移動販売車によるポップアップストアの出店先の現地調査を行い、コンセプトやターゲット、販売商品の選定、ポップやのぼりの使い方を含めた店内のレイアウト決め、接客など全般を新入社員が担当。7人で構成するチームを3つ作り、各チームがそれぞれ1日ずつ販売を行った。研修の一環のため、チーム間で競うのではなく、販売を担当したチームから次に担当するチームへと問題点などをフィードバックして改善を進め、最終日によりよい結果につなげることを目的としたもの。研修で学んだ知識を実際に商品を販売する形でアウトプットすることで実体験を伴った知識の定着を図るともに同社が展開するネット販売では感じにくい「(小売りとしての)肌感覚を五感で感じてもらう機会になれば」(人事総務部の志方亮文氏)とする。
新入社員によるポップアップストアはキッチンカーなどを展開するMellowに移動販売車に使用する車両や出店先の選定などの協力を得て、都内2カ所に開店した。初日の15日と20日は有楽町の商業施設前のスペース「ルミネ有楽町パサージュ」で、17日は豊洲で行われた催事「豊洲場外マルシェ」に出店した。開店時間は午前11時から午後6時(17日は午前10時から午後3時)。
販売する商品は各チーム内で話し合い、それぞれ出店先の立地や客層などから想定して同社が取り扱う商品の中から各メーカーと共同開発した専売商品など候補となる生活雑貨や飲料などの中から自由に選定。実際に販売する商品と販売はせず展示のみで、ポップのQRコードから同社運営の通販サイト「ロハコ」などに誘導する商品も店頭に並べた。

初日の15日の有楽町のポップアップストアを担当したチームのメンバーの1人である本松優花さんによると「(出店先は)通勤時や仕事の休憩中の方や主婦の方々が店の前を通ることが多いことが事前調査を通じて分かったため、そうした街の特徴を踏まえて仕事や家事で忙しい中でその合間に使ってもらいたいもの、環境に配慮した商品を多数扱っていることや通常は通販サイトで販売していることなどアスクルとしてお伝えしたいことを掛け合わせて、『体や心を労わり、環境にも優しい商品』をテーマに販売する商品を選んだ」として、15日のポップアップストアではソフトパックのティッシュやオーガニックコットンパフ、ダニ除けスプレー、ペットのフン用袋、歯ブラシケース、ポーションタイプのインスタントコーヒー、製造工程で割れたり欠けたりしたクッキーなどを販売。郵送物などを捨てる際に印字された住所や氏名などを見えなくする個人情報保護スタンプや薬用リップスティックなどを展示した。
商品のほか、来店客から要望を書いてもらい、張り付ける「ASKULへのリクエスト大募集!」と題した看板を設置した。また、17日には大日本除虫菊の科学雑巾「サッサ」の製造過程で発生する幅や長さが異なる端材を箱に入れて、1回200円で割り箸で取れるだけ取ってよいという取り組みも行った。これもすべて新入社員が考えて実施した。
ポップアップストアでの手ごたえについて本松さんは「コットンパフやティッシュ、インスタントコーヒーやクッキーなどが売れ筋。はじめは想定以上にお客様が来ずに焦ったが目につきやすいように、看板の位置や、商品の展示の仕方を変更したりなど工夫したことや昼過ぎから昼休み中の方々などに徐々に来て頂け、接客を通じて色々なお話を聞いて頂け、ほっとした」としたうえで、「お客様から商品の評価などを実際に聞くことができ、どのような点がお客様に喜んで頂けるかが分かった。これは会社で仕事をしているだけでは分からかったこと。今後の業務にも生かしていきたい」とした。

新入社員研修の一環として移動販売車を使ったポップアップストアで商品を販売するという取り組みを行うのはアスクルでは初めて。これまでの新入社員研修でも研修中に学んだ例えば、環境に配慮した活動について実体験として身につくよう関連する施設や場所を訪問するなどの取り組みはしてきたが、「(研修で学んだ通販や商売などに関する)理論と実際に『モノを売る』という現実を結び付けられるような体験をしてほしい。(新入社員にとって)とてもよい体験になるはず」(志方氏)と考えて実施を決めたという。3日間のポップアップ後、5月末にその成果などを役員らに報告する1時間のプレゼンテーションを行う予定。「ポップアップストアもだが、報告会で報告する内容や、資料もAIを駆使してもらいながらすべて自分たちで考えてもらう。プレッシャーもかかると思うが、そこでも何かを感じ取ってもらいたい」(同)とする。
今回の成果次第となるが、次年度以降も新入社員研修にポップアップストアを取り入れていきたい考えのようだ。
4月に入社した社員21人が6月の配属に向けて行っている新入社員研修でのインプットを受け身ではなく主体性を持って行動まで結び付けることを目的とし、最終的なアウトプットの場として、事前に移動販売車によるポップアップストアの出店先の現地調査を行い、コンセプトやターゲット、販売商品の選定、ポップやのぼりの使い方を含めた店内のレイアウト決め、接客など全般を新入社員が担当。7人で構成するチームを3つ作り、各チームがそれぞれ1日ずつ販売を行った。研修の一環のため、チーム間で競うのではなく、販売を担当したチームから次に担当するチームへと問題点などをフィードバックして改善を進め、最終日によりよい結果につなげることを目的としたもの。研修で学んだ知識を実際に商品を販売する形でアウトプットすることで実体験を伴った知識の定着を図るともに同社が展開するネット販売では感じにくい「(小売りとしての)肌感覚を五感で感じてもらう機会になれば」(人事総務部の志方亮文氏)とする。
新入社員によるポップアップストアはキッチンカーなどを展開するMellowに移動販売車に使用する車両や出店先の選定などの協力を得て、都内2カ所に開店した。初日の15日と20日は有楽町の商業施設前のスペース「ルミネ有楽町パサージュ」で、17日は豊洲で行われた催事「豊洲場外マルシェ」に出店した。開店時間は午前11時から午後6時(17日は午前10時から午後3時)。
販売する商品は各チーム内で話し合い、それぞれ出店先の立地や客層などから想定して同社が取り扱う商品の中から各メーカーと共同開発した専売商品など候補となる生活雑貨や飲料などの中から自由に選定。実際に販売する商品と販売はせず展示のみで、ポップのQRコードから同社運営の通販サイト「ロハコ」などに誘導する商品も店頭に並べた。
商品のほか、来店客から要望を書いてもらい、張り付ける「ASKULへのリクエスト大募集!」と題した看板を設置した。また、17日には大日本除虫菊の科学雑巾「サッサ」の製造過程で発生する幅や長さが異なる端材を箱に入れて、1回200円で割り箸で取れるだけ取ってよいという取り組みも行った。これもすべて新入社員が考えて実施した。
ポップアップストアでの手ごたえについて本松さんは「コットンパフやティッシュ、インスタントコーヒーやクッキーなどが売れ筋。はじめは想定以上にお客様が来ずに焦ったが目につきやすいように、看板の位置や、商品の展示の仕方を変更したりなど工夫したことや昼過ぎから昼休み中の方々などに徐々に来て頂け、接客を通じて色々なお話を聞いて頂け、ほっとした」としたうえで、「お客様から商品の評価などを実際に聞くことができ、どのような点がお客様に喜んで頂けるかが分かった。これは会社で仕事をしているだけでは分からかったこと。今後の業務にも生かしていきたい」とした。
今回の成果次第となるが、次年度以降も新入社員研修にポップアップストアを取り入れていきたい考えのようだ。