協和 CRM施策を転換、購入商品軸にコミュニケーション
2017年12月07日 11:29
2017年12月07日 11:29

通販事業は、「プラセンタ」関連の商品売上高が約7割を占める。化粧品の主力は美容液の「プラセンタ原液」(=画像)、健食の主力は「プラセンタつぶ」。いずれも、肌の透明感に働きかける成分として「プラセンタ」を訴求しており、企業イメージにもつながっている。
主力美容液の利用ステップは、洗顔後にまず美容液を使うスタイル。以降、化粧水、クリームなど3ステップを基本に、マスクやオイル美容液などのスペシャルケア品を提案する。
ただ、中心顧客層である40~50代の女性層は、透明感だけでなく、保湿やシミ・シワ、たるみ、美白など複合的な肌悩みを抱えていることが少なくない。このため、リフトケアに対応した「プロテオグリカン原液」、60代以降のエイジングケアを目的にした「サイタイエキス原液」などのシリーズを展開。健食では、女性のさまざまな悩みに対応した商品を数多くラインアップする。一方でこのことで通販カタログにおける顧客への情報提供が過剰になるといった課題が生じていた。
こうした状況を受け、今年3月にコミュニケーション戦略を転換。購入商品を軸に、まず、その商品に対する理解や満足度を高め、継続購入やクロスセルにつなげるようCRM施策の設計を変えている。
「プラセンタ原液」で接点を持った顧客には、使用方法やライン使いで得られる価値の説明、プラセンタシリーズの別商品のサンプルを提供するなどしてライン使いにつなげる考え。プラセンタシリーズ以外にもいくつかの商品で同様の取り組みを進めており、クロスセルの強化や継続率の向上を図っている。
さまざまな商品を網羅した会員向け通販カタログの配布も「さまざまな"悩み訴求"の商品があるため選び方で混乱を招く可能性がある」(同社)として配布のタイミングを変更。最長で半年間は送付しない設計に変えて検証している。
取り組みから、「『プラセンタ原液』の顧客の継続率は高まっている」(同)と、効果が表れはじめている。一方、「ピックアップして検証するほかの商品では、明確な成果が得られていない」(同)としており、今後も検証を続ける。
協和の2017年1月期売上高は、約188億円。通販売上高が大半を占める。商品別の売上構成は、化粧品が約6割、健食が約4割。