日本郵便の不適切点呼、バイクでも15万件超 業務停止はなく、配達は継続

2025年08月27日 15:49

2025年08月27日 15:49

 日本郵便は8月22日、バイクなどの二輪での配達に関して、アルコールチェックなどの点呼業務が不適切に行われていた事案が、今年1~3月の期間で営業所全体の約6割で起きており、合計で約15件1000件も行われていたことを明らかにした。今後については再発防止策に取り組む一方で、違反ドライバーの業務停止などは行わずに、配達を継続する考え。


 同社ではトラックなど4輪の点呼業務不備の問題で、6月に一般貨物自動車運送事業の許可取り消しを受けていた。これに伴い、二輪に関しても1月下旬~3月上旬までの間で、アルコールチェック実施状況の調査を実施した。その結果、3188営業所(郵便局や離島の集配所など)を対象に行ったところ、全体の57・5%に当たる1834カ所で不適切な点呼が行われており、点呼執行数では61万5000件の内、24・6%に当たる15万1000件数が不適切となっていた。

 不適切の内容としては98%が不実記載。実際には実施されていないにも関わらず、あたかもアルコールチェックが行われたと確認帳簿に虚偽の記載をしていた。その上で、調査対象の期間中に飲酒運転に起因した交通事故は起きていないとしている。

 バイクなど二輪車については貨物自動車運送事業法規制の対象外であり、同社では「社会インフラの一角を担う郵便や物流を提供しているため、利用者に影響が出る形での(バイク配達)業務の執行停止などは今の時点では考えていない」(五味儀裕執行役員)と説明。今後も継続して配達業務を行うことを明らかにした。

 一方、社内で定められたマニュアルを順守せずに、内規が機能していなかったことを鑑み、「軽四輪、二輪を中心に郵便局やそれに携わるメンバーに対して、追加的な社内処分を速やかに実施する」(同)とした。

 なお、道路交通法の中で、バイク10台以上の車両を運行する事業所には安全運転管理者の選任や、運転者のアルコールチェックなどが定められており、今回の事案については法令上の問題があったことから、事業所ごとに警察当局からの指導を受けているとしている。

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