経済同友会の新浪代表幹事が辞任 発信力、信頼の低下懸念

2025年10月01日 18:04

2025年10月01日 18:04

 経済同友会は9月30日、新浪剛史代表幹事の辞任を発表した。同日の理事会で処遇に関する意見が真っ二つに割れる中、新浪氏から辞任を申し出た。


 新浪氏は、継続の意向を示していた。ただ、理事会の議論は紛糾。「分裂を招く。悔しい気持ちがもあるが、一枚岩になることが必要」(新浪氏)と、自ら辞任を判断した。同友会会員としては今後も所属する。新たな代表幹事の選任まで、日本たばこ産業会長の岩井睦雄筆頭副代表幹事が代表幹事を代行する。

 30日の理事会は、同友会の発信力低下などの影響、代表幹事の資格・資質要件を踏まえ検討した。これを前に、同友会の倫理審査会は、辞任勧告していた。捜査中の段階での判断には、「捜査を受けただけでの解任、冤罪はあってはならない。ただ、一連の事象を受け、同友会の発信力、信頼が低下しているのであれば一定期間に結論をまとめるべき」(岩井氏)として検討した。

 新浪氏は、違法性が疑われるサプリメントの購入をめぐり警察の捜査を受けた。捜査の段階で、9月1日付でサントリーホールディングス会長を辞任。関連して10日付で、日本生産性本部理事も退任した。代表幹事の役職は同友会の判断に委ね、活動を自粛していた。

 サプリメントの購入については、30日の会見で改めて自信の潔白を主張した。政府の経済財政諮問会議の民間議員は続投の意向を示した。サントリーとは「現在も同友会への人的支援などをいただいている。今後どうなるかは岩井氏が対応する」(新浪氏)としており、一部関係は残っていると説明した。すでに複数社からオファーを受けており、今後も経営人として活動を続ける意欲を示した。一部週刊誌の自身をめぐる報道には、名誉棄損訴訟を検討する。

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