スーツ専門店のAOKIでは、EC事業の売上高が右肩上がりで伸びている。ビジネススタイルのカジュアル化が進む中、新規ジャンルも含めたアイテムで顧客のすそ野も拡大。全国の実店舗を通じたOMO施策を加速させることで購買体験の向上も図っている。EC事業の現状や今後の展望について、近松良執行役員に聞いた。

――現在のスーツ業界におけるEC市況は。 「当社の商材を考えると、元々、EC比率が高いわけではないが、その中でもコロナ禍を経てECでの購入が定着した反面、ビジネススタイルがカジュアルに振れてきている。従来のワイシャツやネクタイといったビジネスアイテムの需要が低下しており、ビジネススタイルの変化で買い場が広がったことによる競争もあって、差別化を図っていかなくてはいけない課題がある。(スーツ)業界全体が感じていることでもあるかと思う」
――今上半期(4~9月)のEC事業は。 「我々の立てた数値目標に対して10%ほど計画値を上回るという形で堅調に推移ができている」
――商材別では。 「前述の通り、ワイシャツやネクタイなど従来からのビジネススタイルのものが少し鈍くなっていると感じる。逆に(ビジネス仕様のポロシャツの)『ビズポロ』やキレイ目のTシャツ、カジュアルパンツなどの売れ行きが伸びている。また、(一般医療機器に届出をした疲労回復ウェアの)「RECOVERY CARE+Ⓡ(リカバリーケアプラスⓇ)」が好調だ。今、話題になっている市場でもあり、他社も含めて様々な値段で販売されているが、当社は上下セット1万円以下で提供している。消費者からは商品の価値と価格のバランスを見てもらい好評を得ている。基本的にオールシーズンのものだが、それでも春夏向けの五分袖や七分丈パンツなども展開しており、今は秋冬用にフリースも出している」
――疲労回復ウェアとECの相性は。 「すそ野が広いということを感じていて、AOKIがスコープに入っていない方もネットで色々と検索をされてたどり着き、購入されるケースが多い。もちろん上下セットで1万円ぐらいの商品なので、リアルで試したいという声もある。約500店舗あるAOKIで試着して触れることができるのは大きい」
――疲労回復ウェアでのSEO対策や強みは。 「基本的に広告は動画も含めており、オウンドメディアやメルマガ、アプリ、ダイレクトメール、LINEでもアプローチを強化している。また、素材として一般的には合繊系が多い商材だが、当社の主力商品ではコットンブレンドにするなど肌触りの良さもある。また、少しゆとりは持たせているが、だらしがなく見えないというサイズ感にもこだわりを持っている」
――ECで新規やリピーターの獲得で行っている施策とは。 「共通して言えることとして、基本的に広告運用はディープラーニングやダイナミックリターゲティングといったAI広告をかなり活用している。そのため、ROASの効率が良く運用できている印象。また、リピーターに関しては当然今までと同じようなオープンメディアを使ったアプローチを続けていくことと店舗購入時にECで使えるクーポンを配布したり、パーソナライズをかけてメール・アプリでプッシュ配信をする形がある。実店舗で採寸した情報をマイサイズとして登録できる機能を実装しているので、ECの商品を検索される時に使うことができる。実店舗とECを両方利用できる顧客の数も前年に対して10%以上伸びるなどこちらも堅調に推移している」(つづく)
スーツ専門店のAOKIでは、EC事業の売上高が右肩上がりで伸びている。ビジネススタイルのカジュアル化が進む中、新規ジャンルも含めたアイテムで顧客のすそ野も拡大。全国の実店舗を通じたOMO施策を加速させることで購買体験の向上も図っている。EC事業の現状や今後の展望について、近松良執行役員に聞いた。

――現在のスーツ業界におけるEC市況は。「当社の商材を考えると、元々、EC比率が高いわけではないが、その中でもコロナ禍を経てECでの購入が定着した反面、ビジネススタイルがカジュアルに振れてきている。従来のワイシャツやネクタイといったビジネスアイテムの需要が低下しており、ビジネススタイルの変化で買い場が広がったことによる競争もあって、差別化を図っていかなくてはいけない課題がある。(スーツ)業界全体が感じていることでもあるかと思う」
――今上半期(4~9月)のEC事業は。
「我々の立てた数値目標に対して10%ほど計画値を上回るという形で堅調に推移ができている」
――商材別では。
「前述の通り、ワイシャツやネクタイなど従来からのビジネススタイルのものが少し鈍くなっていると感じる。逆に(ビジネス仕様のポロシャツの)『ビズポロ』やキレイ目のTシャツ、カジュアルパンツなどの売れ行きが伸びている。また、(一般医療機器に届出をした疲労回復ウェアの)「RECOVERY CARE+Ⓡ(リカバリーケアプラスⓇ)」が好調だ。今、話題になっている市場でもあり、他社も含めて様々な値段で販売されているが、当社は上下セット1万円以下で提供している。消費者からは商品の価値と価格のバランスを見てもらい好評を得ている。基本的にオールシーズンのものだが、それでも春夏向けの五分袖や七分丈パンツなども展開しており、今は秋冬用にフリースも出している」
――疲労回復ウェアとECの相性は。
「すそ野が広いということを感じていて、AOKIがスコープに入っていない方もネットで色々と検索をされてたどり着き、購入されるケースが多い。もちろん上下セットで1万円ぐらいの商品なので、リアルで試したいという声もある。約500店舗あるAOKIで試着して触れることができるのは大きい」
――疲労回復ウェアでのSEO対策や強みは。
「基本的に広告は動画も含めており、オウンドメディアやメルマガ、アプリ、ダイレクトメール、LINEでもアプローチを強化している。また、素材として一般的には合繊系が多い商材だが、当社の主力商品ではコットンブレンドにするなど肌触りの良さもある。また、少しゆとりは持たせているが、だらしがなく見えないというサイズ感にもこだわりを持っている」
――ECで新規やリピーターの獲得で行っている施策とは。
「共通して言えることとして、基本的に広告運用はディープラーニングやダイナミックリターゲティングといったAI広告をかなり活用している。そのため、ROASの効率が良く運用できている印象。また、リピーターに関しては当然今までと同じようなオープンメディアを使ったアプローチを続けていくことと店舗購入時にECで使えるクーポンを配布したり、パーソナライズをかけてメール・アプリでプッシュ配信をする形がある。実店舗で採寸した情報をマイサイズとして登録できる機能を実装しているので、ECの商品を検索される時に使うことができる。実店舗とECを両方利用できる顧客の数も前年に対して10%以上伸びるなどこちらも堅調に推移している」(つづく)