〈比護則良社長に聞くNEの成長戦略〉 3年後、年商100億円へ 全ての小売り事業者対象に

2026年01月14日 15:02

2026年01月14日 15:02

 ECプラットフォーム「ネクストエンジン」を手掛けるNEは昨年11月4日、東証グロース市場に上場した。同社はスマートフォングッズECのHamee(ハミィ)子会社だったが、NEの全株式を、現物配当(金銭以外の財産による配当)でハミィ株主に分配するスピンオフ上場を行ったため、ハミィとの資本関係はなくなっている。上場の目的な今後の成長戦略について、NEの比護則良社長に聞いた。


0114161039_6967416f42ab3.jpg ——スピンオフ上場という形を採用した理由は。


 「2019年から議論が始まり、約6年かけて上場することができた。事業成長のスピードを上げていくためには、NE社の独立性を高めることで、経営の判断をシンプルにする必要があると考えた。親子上場は東証が推奨する形ではないため、スピンオフ上場となった」


 ——ハミィとの資本関係は無くなった。


 「ハミィは創業してから27年なので、当然ネームバリューがある。一方でネクストエンジンも17年間サービスとして継続しているので、ECプラットフォームとしての認知度は高い。サービス単体で考えた場合、ハミィと資本関係が無くなったことはネガティブな話ばかりではなく、NEが独立しても十分やれるだけの認知度はある」


 ——現状の株価は初値から下がっているが、どうみる。


 「これから独立性を持ってダイナミックに経営を行っているタイミングなので、現状の変動については市況の影響が大きいのではないか」


 ——今後、企業価値を高めていくために何をするのか。


 「2029年4月期には売上高100億円を達成したい。そのための手段としてはM&Aも考えている。そもそも、当社はネクストエンジンが中核事業であり、EC事業者の成長に先回りしながら、複雑化するネットショップ運営を根本からシンプルにしていくことが重要ではある。仮想モールのルール変更や販売チャネルの増加など、事業者が追いつく前に複雑化していく状況で、当社の使命は事業者が歩む道の一歩先を照らし、成長過程でのノイズを取り除くことだ」


 ——売上高100億円に向けた成長戦略は。


 「柱となるのは、パートナー企業とのエコシステム強化だろう。複雑化するネットショップ運営を、当社だけで支えていくことは非常に難しいので、物流・決済・在庫管理・生成AIなど、多様な領域の専門企業と連携を深めていくことで、事業者が必要とする機能やサービスをワンストップでアクセスできる環境を整えていきたい。中長期においては、これをあらゆるコマースの基盤に拡張していきたいと考えている」


 「29年4月期に向けては、市場拡大に力を入れたい。これは『TAM(事業が獲得できる可能性のある全体の市場規模)』や『SAM(事業が獲得できる可能性のある最大の市場規模)』といったものだ。当社としては、ターゲットを現在のEC事業者から、全ての小売り事業者へと拡大していきたい。そのためには、幅広い業種が使えるサービスを揃えなければいけない」


 ——それはネクストエンジンのウイングを広げるということか。


 「もちろん、ネクストエンジンのアップセルやクロスセルも行う。しかしTAMという観点でいえば、ECにかかわらず、全ての小売り事業者が使えるサービスを検討していく。ただ、当社には強固な顧客基盤があるので、まず一歩目としては、ネクストエンジンユーザーに使ってもらえることを目標とし、その先はネクストエンジンユーザーでなくとも使えるサービスを順次リリースしていく」


 ——26年4月期の売上高見通しは約42億円。3年間で約60億円増やすとしたら、EC事業者だけをターゲットにしていては難しいということか。


 「もちろん、ECに関してもまだまだ伸びしろはある。ただ、ECに限定してしまうと、TAMからSAM、さらには『SOM(事業が実際にアプローチできる顧客の市場規模)』に先細りしてしまう。この漏斗的な絵図でいうと、当社は細いニッチなところに位置しているわけで、これを広げにいくための活動はしなければいけない」


 「もちろん、EC化率は年々拡大しているわけで、オーガニックに成長はしてくだろうが、その速度に足並みが揃ってしまうと、グロース市場の上場企業として、投資家に認められる拡大ペースには追いつかない。同時並行的にTAMを広げる活動もしていく」(つづく)

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