家庭用品や生活雑貨の企画・販売を手掛けているアーネストではEC事業の拡大を進めている。SNSマーケティングを活用しながらブランディングの認知拡大に着手。独自のアイデア商品がメディアやウェブで話題となるなど、ヒット商品の誕生につながっている。
同社は自社で工場を持たないファブレスメーカーで、金属加工が盛んな地元の燕三条地域の工場のほか、海外の工場とも連携してキッチン周りの商品などを展開している。
メインの販路は実店舗向けの卸で、通販市場向けにはこれまで総合カタログやテレビ通販などで販売してきたが、近年はブランディングの側面からECへのシフトに着手。複数の大手仮想モールに出店して、直販型ECの強化を進めている。通販での顧客単価は3000円~5000円で、30~60代の主婦層やシニア層、ギフト需要などを獲得して売り上げを伸ばしている。
ECでの集客においては、以前はモール内広告を軸としてきたが、直近ではSNS販促から送客する導線を作っている。通常、キッチン用品の場合、レシピ動画を投稿して閲覧数を増やして集客する手法が定番となるが、「結局、道具に注目する人が少ない。フライパンなどは誰でも持っているものなので、レシピだけ見られて終わるケースが多い。正直、購買にはつながりにくい」(同社)と説明。そのため、時間限定クーポンやセール開始の告知といったシンプルに閲覧者がインセンティブを得られる内容を全面に押し出す動画を投稿するようにしていった。
また、商品紹介動画についても、より実用性のある内容にしていき、加えてモール内での売り上げもリアルタイムに反映。前週に売れた商品を翌週には投稿するなどできるだけトレンドを即時に反映させる投稿へと切り替えっていった。
その結果、SNS経由でいくつかのヒット商品がECで誕生している。内側の仕切りで同時に2つの調理ができる「ダブルクック片手鍋」については、パスタとパスタソースを同時に温められることを紹介した動画を投稿。使用シーンが容易に想定できるため、SNS上で話題となり、モールへの集客が拡大。2025年8月に発売してから早々にモール内の週間ランキングでカテゴリーのトップを獲得することができた。
現状、インスタグラムなどSNSの運用は入社数年の若手社員が担当している。数万回規模の再生動画も徐々に増えており、若い感性を重視したコンテンツ制作が軌道に乗り始めているとした。
アイデア商品の源泉は社員から
また、同社では家事が楽になる便利なアイデアグッズが中心となっており、そのMDには強みを持っている。担当者が一から作り上げるものだけでなく、社内の持ち回りで社員全員がアイデアを出し合うような企画会議も実施。「製造を持たないファブレスメーカーであるため、開発の方にリソースを振っている。男女問わず料理得意な社員も多いので、自分たちの気づきから生まれる商品も多い」(同)とする。
昨年は新卒社員が開発したヒット商品として「daicoly 冷凍保存のマスキングテープ」がある。保存袋で肉や魚を冷凍保存する際に、日付、グラム、部位を記載して袋に貼るマスキングテープで、牛、豚、鶏、魚それぞれのイラストが書かれているデザインとし、文字よりも視覚的に分かりやすくしたもの。使い勝手とデザイン性の高さから売り上げを伸ばすことができた。「意外とバーベキューの時の食材の仕込みにも使えるなど、購入者自身が様々な利用アイデアをSNSで投稿してくれたり、モールのレビューを書いてくれる。そうした顧客の声をフィードバックしながら次の開発に生かす取り組みも始まっている」(同)とした。
今後の課題は若年層の開拓について。商品軸では〝推し活〟をテーマにした収納品など、新しい目線での開発も検討しており、顧客のすそ野を広げていく考え。
また、26年5月には創業45周年を迎えることから、ブランドの全面刷新も計画。EC部門が中心となって、デジタルマーケットで認知を拡大するためのロゴの刷新をはじめ、動画広告の訴求やLPの立ち上げなど様々な企画を検討している。
なお、現在、卸も含めた全社的な売上高は40億円前後で、将来的には直販ECとEC向けの卸の構成比を全体の4割近くまで高めていくことを目指している。
家庭用品や生活雑貨の企画・販売を手掛けているアーネストではEC事業の拡大を進めている。SNSマーケティングを活用しながらブランディングの認知拡大に着手。独自のアイデア商品がメディアやウェブで話題となるなど、ヒット商品の誕生につながっている。
メインの販路は実店舗向けの卸で、通販市場向けにはこれまで総合カタログやテレビ通販などで販売してきたが、近年はブランディングの側面からECへのシフトに着手。複数の大手仮想モールに出店して、直販型ECの強化を進めている。通販での顧客単価は3000円~5000円で、30~60代の主婦層やシニア層、ギフト需要などを獲得して売り上げを伸ばしている。
ECでの集客においては、以前はモール内広告を軸としてきたが、直近ではSNS販促から送客する導線を作っている。通常、キッチン用品の場合、レシピ動画を投稿して閲覧数を増やして集客する手法が定番となるが、「結局、道具に注目する人が少ない。フライパンなどは誰でも持っているものなので、レシピだけ見られて終わるケースが多い。正直、購買にはつながりにくい」(同社)と説明。そのため、時間限定クーポンやセール開始の告知といったシンプルに閲覧者がインセンティブを得られる内容を全面に押し出す動画を投稿するようにしていった。
また、商品紹介動画についても、より実用性のある内容にしていき、加えてモール内での売り上げもリアルタイムに反映。前週に売れた商品を翌週には投稿するなどできるだけトレンドを即時に反映させる投稿へと切り替えっていった。
その結果、SNS経由でいくつかのヒット商品がECで誕生している。内側の仕切りで同時に2つの調理ができる「ダブルクック片手鍋」については、パスタとパスタソースを同時に温められることを紹介した動画を投稿。使用シーンが容易に想定できるため、SNS上で話題となり、モールへの集客が拡大。2025年8月に発売してから早々にモール内の週間ランキングでカテゴリーのトップを獲得することができた。
現状、インスタグラムなどSNSの運用は入社数年の若手社員が担当している。数万回規模の再生動画も徐々に増えており、若い感性を重視したコンテンツ制作が軌道に乗り始めているとした。
アイデア商品の源泉は社員から
また、同社では家事が楽になる便利なアイデアグッズが中心となっており、そのMDには強みを持っている。担当者が一から作り上げるものだけでなく、社内の持ち回りで社員全員がアイデアを出し合うような企画会議も実施。「製造を持たないファブレスメーカーであるため、開発の方にリソースを振っている。男女問わず料理得意な社員も多いので、自分たちの気づきから生まれる商品も多い」(同)とする。
昨年は新卒社員が開発したヒット商品として「daicoly 冷凍保存のマスキングテープ」がある。保存袋で肉や魚を冷凍保存する際に、日付、グラム、部位を記載して袋に貼るマスキングテープで、牛、豚、鶏、魚それぞれのイラストが書かれているデザインとし、文字よりも視覚的に分かりやすくしたもの。使い勝手とデザイン性の高さから売り上げを伸ばすことができた。「意外とバーベキューの時の食材の仕込みにも使えるなど、購入者自身が様々な利用アイデアをSNSで投稿してくれたり、モールのレビューを書いてくれる。そうした顧客の声をフィードバックしながら次の開発に生かす取り組みも始まっている」(同)とした。
今後の課題は若年層の開拓について。商品軸では〝推し活〟をテーマにした収納品など、新しい目線での開発も検討しており、顧客のすそ野を広げていく考え。
また、26年5月には創業45周年を迎えることから、ブランドの全面刷新も計画。EC部門が中心となって、デジタルマーケットで認知を拡大するためのロゴの刷新をはじめ、動画広告の訴求やLPの立ち上げなど様々な企画を検討している。
なお、現在、卸も含めた全社的な売上高は40億円前後で、将来的には直販ECとEC向けの卸の構成比を全体の4割近くまで高めていくことを目指している。