ファンケルの「ウェルエイジ プレミアム」 老化研究の投資強化、国内売上100億円目指す

2026年05月27日 14:42

2026年05月27日 14:42

 ファンケルは、「老化」をテーマにヘルスケア事業の育成を図る。昨年4月に発売した抗老化の機能性表示食品は、好調に推移する。老化研究を研究の重点領域に位置づけ、継続的に投資を強化。2035年に製品単体で国内売上高100億円の事業に育てる。


0528103851_6a179cab7886f.jpg 抗老化をうたう「ウェルエイジ プレミアム」は昨年4月の発売から1カ月で計画比約4倍の売り上げに達し、一時、販売を休止した。前期(25年12月期)の売り上げは、同2.2倍で着地。同社の主力商品群を超える高い継続率があり、老化研究への投資を強化していく。

 5月19日、都内で行われた事業戦略の発表会で、三橋社長は、「最大の『不』は年齢を重ねることに伴う変化に対する不安。目指すのは老化のパラダイムシフト。社会全体の老化への向き合い方を根底から変え、ウェルエイジングのフロントランナーとして、年を重ねることが楽しみになる社会を実現していく」と語った。老化研究を長期的な注力領域に位置づける。

0528103922_6a179cca046d9.jpg 「ウェルエイジ—」は、キンミズヒキ由来アグリモール類を機能性関与成分に、「疲労感の軽減」、「前向きな気分の維持」といった機能を表示する。ただ、届出当初は〝老化〟の表示はなく、独自価値の訴求に課題があった。

 昨年11月、届出内容の変更で、新たに「老化細胞に働きかけることにより」といった作用メカニズムを含む表示が加わった。「老化細胞」と製品と合わせて訴求できるようになり、消費者の正確な理解につながる期待がある。

 ファンケルは5月19日から、全国で「ウェルエイジ—」の新CMを展開する。イメージキャラクターに井川遥さんを起用。井川さんと研究員の対談を通じて、「老化細胞」に対する認知を図るとともに、「年齢を重ねることで悩む人をなくしたい」というメッセージを伝える。

 CMは、AI角層分析の新サービス「FANCL SKIN PATCH(ファンケル スキンパッチ)」のプロモーションに使用したMrs.GREEN APPLEの楽曲「ケセラセラ」を使い、ファンケルブランドの世界観の統一も図る。

 ファンケルでは、「老化細胞」を、細胞分裂を停止し本来の働きが失われた細胞と定義する。消失することなく体内に蓄積することで老化促進物質の分泌、組織や臓器の機能低下につながる。キンミズヒキに老化細胞を減らす作用があることを独自に確認した。

 自社調べでは、キンミズヒキの認知層の多くが、老化に関連する成分として認知の高い「NMN」を上回る関心があった。NMNは2031年に300億円規模の市場性があると試算されており、ファンケルは抗老化の市場性が高いとみる。


ファンケルの事業戦略

老化研究のフロントランナーに
研究領域絞り「強み尖らせる」

0528103906_6a179cba564f6.jpg ファンケルは老化研究を事業の中核に据える。5月19日の事業戦略発表会で、三橋英記社長(=写真)、斎藤智子マーケティング戦略統括オフィス健康食品事業本部本部長に事業戦略を聞いた。(報道陣との一問一答、以下、敬称略)

 ——老化へのアプローチを通じてどのような存在になりたい。

 三橋「フロントランナーとして日本はもちろん、世界中の人の豊かな年齢の重ね方に貢献したい。グローバル市場の潮流からも健康寿命は社会の要請とマッチする。研究への注力を含め、次代を担う基幹商品に育てたい」

 ——グローバル展開のプロセスは。

 三橋「各国の規制対応を精査しこれから検討する。まずは国内で支持を得てブランド規模を育てる」

 ——昨年11月の届出表示の変更で「老化細胞」の文言を書き込んだ。表示へのこだわり、期待は。

 三橋「強みである細胞レベルの働きかけを表現したかった」

 斎藤「老化に向き合う姿勢をいかに公的にお客様に伝えるかにこだわり申請を繰り返した。まずは老化細胞の存在を知ってもらうことが第一歩。しっかり普及させ、取り組みへの理解を深めてもらいたい」

 ——プロモーションの工夫は。

 斎藤「機能訴求だけでは限界がある。ありたい未来に導くエンドベネフィットにどれだけ共感いただけるかだ。『年齢を重ねることで悩む人をなくしたい』(ウェルエイジ プレミアム)、『クレンジングで肌はダメージを受けることがある』(マイルドクレンジング)など、研究に投資し、顧客に寄り添うからこそ生まれたメッセージを伝えることにこだわっている。CM、研究情報等を同じ世界観、多様なアプローチで社会に発信・拡散していく」

 ——「内外美容」など化粧品事業との連動は。

 斎藤「老化細胞の普及も高いハードルがある。これまでは製品の機能を伝えることがコミュニケーションの肝だったが、前提となる老化細胞の理解を得るため啓発への投資が必要になる」

 ——ファンケルらしい内外美容をどう実現する。

 斎藤「内外美容は、一般的には例えば美白美容液と関連のサプリメントの併用がイメージされる。当社は『スキンパッチ』に代表されるように、角層の状態から体内、肌状態を導きだし、食事や運動、睡眠などトータルで最適なケアを見据えている」

 ——化粧品事業への好影響を含め、事業全体でどの程度の成長を期待している。

 三橋「長期経営構想では、2035年に2000億円の売り上げを掲げている。成長率は海外が大きいが、国内も市場成長率以上を目指す。内外美容、老化細胞への取り組みは次の10年を支えるキラーコンテンツ。研究領域もこの2つを中心に絞り、強みを尖らせる」

 ——研究投資は拡大するのか。

 三橋「グループを含めた研究のアロケーションを含め最適化を検討するが、投資強化の方針だ」

 ——老化関連の派生商品の展開は。

 三橋「現時点ではサプリメント中心に考えており、ほかの剤型は検討していない」

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