ULTRA SOCIAL(=ウルトラソーシャル)では、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」のEC機能「ティックトックショップ(TTS)」において、大手ビューティーブランドの運営代行を数多く手掛けている。TTSはEC企業にとって、必須の販売チャネルとなりうるのか。高橋亮太代表取締役に聞いた。
——TTSの現状をどう見ている。
「まだ未成熟だと思っている。ただ、他国のサービス開始後1年後における状況と比較すると、日本の成長は早いと聞いている。現状の絶対値でいえば流通額(GMV)は未成熟だが、GMV1兆円を達成している国よりも早いペースで成長しているとすれば、時間が解決するのではないか」
——伸びていく兆しは。
「日本は米やカニ、ジャガイモなど、1キロあたりの単価が安い商材が売れる状態になっている。一方他国では、売れ筋トップ10のほとんどが有名ビューティーブランドやナショナルブランドの商品だ。早い段階でブランド型のモールにならないと、ユーザーが継続的に使うプラットフォームにはならないと思っている。ここに早く切り替えられるかが勝負だ」
——物珍しさで衝動買いしたとしても、リピートされないということか。
「面白い購入体験は大事だが、それは『良い』購入体験でなければならない。例えば、当社がブランドの代理で手掛けているライブコマースで接客を受け、『次回はファンデーションではなくハイライトを買ってみよう』というサイクルを作らないと、ユーザーが積み上がらない。面白さや興味喚起が重要な一方、いかに良い顧客体験を並行して作れるかが大事だと思っている。私はティックトック出身で、中国版ティックトックの『抖音(ドウイン)』に携わってきたが、ECにおいては売れているブランドの大半が、イブ・サンローランのようなハイブランドだ。一方、日本はまだ食料品や中国ブランドばかりが売れている」
——まずは「安かろう」からスタートし、急速立ち上げする、と。
「TTSの利用者数をどれだけ伸ばせるかが勝負だろう。ティックトックユーザーのうち、TTS利用者が50%を超えているような国もあるので、戦略上は間違っていないと思う。他国の場合、ある時期から成長速度が二次関数的に伸びていったたが、日本はまだまだ一次関数的な成長速度だ。『いかにクオリティーが高いブランドが参加するか』に尽きる」
——他国の場合、ハイブランドはいつ頃から前面に出てくるようになったのか。
「中国だと3年目くらい。今はSK—Ⅱのようなビューティーブランドだけではなく、アディダスのようなスポーツブランドも年間数百億円売っているようだ」
——大手ビューティーブランドのTTS運営代行を多数手掛けている。
「TTSは『インフルエンサーにお願いする』という、インスタライブ的なアプローチも重要だが、それ以上にセラー自らが顧客と接触して販売するのが売り上げの基盤とる。かつては中国でも、いわゆる『KOL』が売り上げの80%程度を握っていたが、今は自社での販売が売り上げの50〜60%程度になっている。当社は、インフルエンサーではなく、リソースを自分たちで抱えるようにしている。ライブにはMCやディレクターが必要だが、自社で全て育成している。ブランドからすると『商品紹介を安心して任せられる』ことが価値になっているのではないか」
——中国でKOL頼みから切り替わった理由は。
「収益性の問題。100万円売れたら40〜45万円支払わないとインフルエンサーがライブを引き受けてくれない。これでは収支が合わないという問題に直面したわけだ。そこで、運営を自社で行うことで経費を減らす、という流れが顕著になってきた。例えばSK—Ⅱは5アカウントほど運営しているが、午前7時から午前1時まで毎日配信している。16時間×30日×5アカウントで、1カ月では約2500時間ライブを行っていることになる。要はデジタル上のショッピングモールにおける直営店ということ。こういう売り方をしないと売れないわけで、こうした未来を目指すのが正しい姿だと思う」
——とはいえ、まだ日本ではそこまで予算はかけられない。
「そうなってしまう。ビューティーブランドも予算を準備して投資をしているわけだが、日本ではまだリターンが返ってきていない。もちろん、ライブを行うことでアマゾンや楽天市場などにも波及効果はあるので、『全体としてのマーケティング効果が高い』というストーリーで、上を説得するブランドもあるようだ」(つづく)
ULTRA SOCIAL(=ウルトラソーシャル)では、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」のEC機能「ティックトックショップ(TTS)」において、大手ビューティーブランドの運営代行を数多く手掛けている。TTSはEC企業にとって、必須の販売チャネルとなりうるのか。高橋亮太代表取締役に聞いた。
「まだ未成熟だと思っている。ただ、他国のサービス開始後1年後における状況と比較すると、日本の成長は早いと聞いている。現状の絶対値でいえば流通額(GMV)は未成熟だが、GMV1兆円を達成している国よりも早いペースで成長しているとすれば、時間が解決するのではないか」
——伸びていく兆しは。
「日本は米やカニ、ジャガイモなど、1キロあたりの単価が安い商材が売れる状態になっている。一方他国では、売れ筋トップ10のほとんどが有名ビューティーブランドやナショナルブランドの商品だ。早い段階でブランド型のモールにならないと、ユーザーが継続的に使うプラットフォームにはならないと思っている。ここに早く切り替えられるかが勝負だ」
——物珍しさで衝動買いしたとしても、リピートされないということか。
「面白い購入体験は大事だが、それは『良い』購入体験でなければならない。例えば、当社がブランドの代理で手掛けているライブコマースで接客を受け、『次回はファンデーションではなくハイライトを買ってみよう』というサイクルを作らないと、ユーザーが積み上がらない。面白さや興味喚起が重要な一方、いかに良い顧客体験を並行して作れるかが大事だと思っている。私はティックトック出身で、中国版ティックトックの『抖音(ドウイン)』に携わってきたが、ECにおいては売れているブランドの大半が、イブ・サンローランのようなハイブランドだ。一方、日本はまだ食料品や中国ブランドばかりが売れている」
——まずは「安かろう」からスタートし、急速立ち上げする、と。
「TTSの利用者数をどれだけ伸ばせるかが勝負だろう。ティックトックユーザーのうち、TTS利用者が50%を超えているような国もあるので、戦略上は間違っていないと思う。他国の場合、ある時期から成長速度が二次関数的に伸びていったたが、日本はまだまだ一次関数的な成長速度だ。『いかにクオリティーが高いブランドが参加するか』に尽きる」
——他国の場合、ハイブランドはいつ頃から前面に出てくるようになったのか。
「中国だと3年目くらい。今はSK—Ⅱのようなビューティーブランドだけではなく、アディダスのようなスポーツブランドも年間数百億円売っているようだ」
——大手ビューティーブランドのTTS運営代行を多数手掛けている。
「TTSは『インフルエンサーにお願いする』という、インスタライブ的なアプローチも重要だが、それ以上にセラー自らが顧客と接触して販売するのが売り上げの基盤とる。かつては中国でも、いわゆる『KOL』が売り上げの80%程度を握っていたが、今は自社での販売が売り上げの50〜60%程度になっている。当社は、インフルエンサーではなく、リソースを自分たちで抱えるようにしている。ライブにはMCやディレクターが必要だが、自社で全て育成している。ブランドからすると『商品紹介を安心して任せられる』ことが価値になっているのではないか」
——中国でKOL頼みから切り替わった理由は。
「収益性の問題。100万円売れたら40〜45万円支払わないとインフルエンサーがライブを引き受けてくれない。これでは収支が合わないという問題に直面したわけだ。そこで、運営を自社で行うことで経費を減らす、という流れが顕著になってきた。例えばSK—Ⅱは5アカウントほど運営しているが、午前7時から午前1時まで毎日配信している。16時間×30日×5アカウントで、1カ月では約2500時間ライブを行っていることになる。要はデジタル上のショッピングモールにおける直営店ということ。こういう売り方をしないと売れないわけで、こうした未来を目指すのが正しい姿だと思う」
——とはいえ、まだ日本ではそこまで予算はかけられない。
「そうなってしまう。ビューティーブランドも予算を準備して投資をしているわけだが、日本ではまだリターンが返ってきていない。もちろん、ライブを行うことでアマゾンや楽天市場などにも波及効果はあるので、『全体としてのマーケティング効果が高い』というストーリーで、上を説得するブランドもあるようだ」(つづく)