J-HRTIのフィジカルAIのデータ拠点、千葉にメイン拠点センター DMSや山善など参画

2026年09月02日 14:30

2026年09月02日 14:30

 ヒューマノイドロボットの社会実装を加速させるための民間コンソーシアム「J-HRTI(ジェイハーティ)」は8月26日、フィジカルAIの学習データ収集拠点として「J-HRTI 関東データファクトリー」を、千葉県習志野市内に開設し、本格稼働した。


0903105322_6a98d31232461.jpg ジェイハーティは山善やツムラ、DMS、芙蓉総合リースといった物流・医薬品・リース・商社など幅広い業界から5社が参画してスタートした民間コンソーシアム。「学習データの生成・共有」、「実証環境の共同利用」、「社会実装モデルの設計」を柱にしている。

 ヒューマノイドロボットの実現に向けては、人間の作業動作を高精度に学習するためのデータを大量に蓄積する必要があり、今回は共創という形で、参画する製造・物流などの各企業の現場で活用できる「国産フィジカルAIデータ」を収集・整備していく。導入後の運用で得られる作業データや担当者の知見も取り込みながら、学習データに反映していくことで、データの品質と適用範囲を拡張し、ヒューマノイドロボットの実務精度を高め続けるとした。

 今回開設したのは約1400平方メートルの旗艦施設で、最大40台(開始時点では35台)のロボットが稼働し、実際の作業環境に近い条件下で膨大な学習データを生成。ロボットと人間のオペレーターが常駐しており、模倣する学習の元データを生成していく「ロボットエリア」や、動作映像・関節データを専門スタッフが整備してAIが理解できる学習データへと変換する「アノテーションエリア」、参画企業の産業現場での実環境を再現し、導入に向けた検証・調整を短いサイクルで反復する「テストエリア」を備えている。

0903105330_6a98d31acc3c7.jpg 同日に開催した発表会では、ジェイハーティの事務局であるINSOL-HIGHの磯部宗克社長が登壇し、日本の労働力不足は今後20年間で1300万人規模で減少することを引き合いに出し、AIとロボットによる代替が不可欠となることを強調。「データを効率よく収集しながら、現場に投入できるチャンスを広げていく。それによってロボットの進化を早めたい」とした。今回の施設を旗艦拠点として、今後は全国10カ所まで拠点を開設。参画企業の拡大も図りながら、導入実績を積み上げて、産業を問わず日本のフィジカルAIの基盤を構築していく考え。

 通販関連ではメーリングや物流を手掛けるDMSが参画。ダイレクトメールは様々な厚みや素材の紙を使用しており、封入封函などの機械ラインを安定稼働させるためには、人の手によるミリ単位での調整が必要になるという。通販物流においても、形状や重さの異なる不揃いの荷物を識別して梱包する作業には人の指先による技術が求められているとした。そうした中で、高い精度で繊細な作業を行える「ヒューマンハンド」の技術の確立が重要になると見ており、登壇した山本克彦社長は「2030年ごろにはロボットの経済性が人件費を上回る時代が来ると言われている。我々としてはそれを待つのではなく、自ら積極的に動いて未来を手繰り寄せたい」と意気込みを語った。今回の取り組みを通じて、自社で人とロボットが協働できる現場を構築し、そこで磨き上げた知見やデータについて、同じ悩みを抱える物流事業者やメーリング事業者に提供していくことを目指すとした。

 また、山善においては、自動化・省人化に取り組んでいるが、現場でのアドリブ作業や多種多様なワークに対して人が介在する場面がまだまだ多く、機械化への導入ハードルがあると見ている。その打開策として、丸山洋彦専任役員TFS(トータル・ファクトリー・ソリューション)支社長は「自立した操作ができるヒューマノイドを自動化の中心に据えることでモノづくりに貢献していきたい」とし、ロボット機体とフィジカルデータのモノとコトを組み合わせることで、現場で使えるヒューマノイドロボットの社会実装を加速させていくとした。

 なお、当日は同施設において、ヒューマノイドロボットを人のオペレーターが操作して試験するデモの様子を公開。物体を掴んだり運ぶ動作をはじめ様々な作業をこなす様子を披露した。

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