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課徴金命令初の取り消し、揺らぐ消費者庁  あいまいな法運用に企業の不満蓄積

2019年 1月10日 13:15

 強力な執行権限を持つ、消費者庁の”信頼”が揺らいでいる。課徴金納付命令の取り消しを求めた日産自動車の審査請求は昨年12月、行政不服審査会が「命令の取り消しが妥当」との判断を下したからだ。課徴金制度は2016年に導入。以降、消費者庁は不当表示に対する「厳正対処」の方針のもと、計25社に総額11億円超もの課徴金を課してきた。だが今回、自らの判断の誤りには、消費者庁は開き直りとも取れる姿勢をみせている。企業の事業活動の継続に重大な影響を及ぼしかねない景品表示法のあいまいな運用に、企業側の不満は蓄積している。



 
「評価分かれる」と開き直り

 「法的評価は分かれ得る」。12月26日、日産に対する課徴金取り消し直後に行われた定例会見で、都合5回、岡村和美長官はこの言葉を口にした。日産に対する課徴金は、社会問題化した燃費不正に絡み命じられたもの。初の課徴金命令とのインパクトも相まって多くのメディアがこれを報じた。だが、日産に対する謝罪のコメントはなし。要は、今後も”判断を誤る可能性がある”ということだろう。

 初めての課徴金命令取り消しという事態の影響にも「もともと評価が分かれ得るもので今後も変わらない」(岡村長官)とコメント。今後も判断を誤る可能性には「今まで通り慎重に判断したい」と話すのみ。課徴金取り消しの事態に至っても”今まで通り”を貫く消費者庁からは、企業の事業活動に重大な影響を与える処分に対する深刻さは感じられない。
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