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在京テレビキー局の前期TV通販売上高 ディノス・セシールがトップ、各社も概ね増収で順調に

2019年 5月23日 13:30

 在京テレビキー局5社が手がけるテレビ通販事業の前期(2019年3月)の業績が出そろった。前期は概ね各社とも順調に事業を拡大しており、前年に引き続き、積極的な通販枠の確保や、美容関連商材やグルフクラブなど協力メーカーなどと組んで開発した独自性の高い商品などが売り上げをけん引するヒット商品となるなどで2桁の増収を達成したところもあった。各社の2019年3月期におけるテレビ通販事業の状況について見ていく。

 
5期連続でトップ150億円目前に

 前期に在京キー局が手がけるテレビ通販で売上高ベースでトップとなったのはディノス・セシール。総売上高である1078億8100万円(前年比5・2%減)に占める通販売上高は991億3000万円(同6・9%減)でこのうち、テレビ通販売上高は同13・0%増の146億200万円と6期連続で増収を維持し、5期続けてトップをキープした。

 平日午前の主力枠「いいものプレミアム」の売り上げが好調に推移。期初から同枠の1回あたりの放送分数が従来の7分半から10分半となったことなどで番組での商品の訴求力が向上。振動運動器具やフィットネスシューズなど美容健康系商品を軸に売れ行きを伸ばしたほか、期間限定の割引販売や送料無料などの施策も奏功し、前年実績を16億円以上上回るなど好調な売り上げを見せた。

主力枠好調も特番苦戦で微減

 TBSグロウディアのショッピング事業(旧グランマルシェ=今年4月1日付でTBSグロウディアが吸収合併)の前期の総売上高は前年比2・7%増の144億4500万円。このうち、ラジオ通販(10億7600万円)やカタログやDMなどの紙媒体通販(10億7900万円)、ネット販売(11億3300万円)、店舗事業(6億700万円)などを除いたテレビ通販(「テレビ通販」の79億7700万円と「系列局との共同通販事業」の16億9800万円との合計)売上高は同3・7%減の96億7500万円だったようだ。

 主力の月~木の午前枠「買い運!おびマルシェ」の売り上げが順調に推移。番組刷新から1年が経ち視聴習慣がついてきたことに加えて、前期の夏場から投入した「振動フィットネスマシン ポルト ウルトラウェーブ」の後継機を始め、前の期からの売れ筋商品の「骨盤スリム3Dエアー」といった協力メーカーと一緒に商品の開発段階から同社が関わった独自性の高い商品群などを軸に売り上げを伸ばし、同枠単体で前年比で1割増となった。土曜昼枠「ブランチショッピング」も新商品のヒットなどで堅調を維持。深夜枠も放送枠増加などで前年実績を維持した。また、テレビ通販と連動する形で、自社通販サイトおよび「楽天市場」など仮想モールへの出店店舗を含めたネット受注の伸びも堅調だった。一方で金曜午前の30分枠「キニナル金曜日」は編成上の都合で複数回の番組休止が発生した影響で売上高が前年実績を1割程度下回ったほか、前期中に5回放送した特番のうち、新たな演出に挑戦した5月分や3月分が振るわず特番が伸び悩んだことなどでテレビ通販全体では微減となった。

主力枠堅調、DVDのヒットで増収

 ロッピングライフの前期の総売上高は前年比11・5%増の102億5300万円。このうち、番組グッズなどのネット販売を含めた通販売上高は同14・1%増の94億1800万円だった。

 テレビ朝日で放送中の紀行番組「じゅん散歩」に紐づく主力通販枠「じゅん散歩 ものコンシェルジュ」が順調に推移。編成上の都合で合計6回の番組休止があり、また、前年は2回の放送実績があった番組本編「じゅん散歩」を通販パートも含めてスペシャル版として土曜日にも放送する”土曜版”が、前期は1回のみの放送となるなど、前年よりも放送分数は減ったものの、今期から発売し、年間で5億円超を売り上げた「コードレス回転モップクリーナー」や前年から売れ筋の掃除用布巾「パルスイクロス」、脚の動きをサポートするインナー「らくらくテーピングスパッツ」なども引き続き、2億円を超える売れ行きとなり、同枠単体で前年実績を上回る売り上げをあげた。深夜枠、BS枠は前年実績を若干、下回ったもののほぼ横ばいで推移した。また、カタログ通販や系列局への通販支援事業もそれぞれ前年実績を上回り堅調に推移した。

 主力枠を軸としたテレビ通販の堅調さに加えて、昨年、テレビ朝日で放送した人気ドラマ「おっさんずラブ」のDVD・ブルーレイがヒット。前期下期の発売から約半年間で、関連グッズを含めて、約5・5億円を売り上げ、通販サイトの売り上げを押し上げ、増収に大きく貢献した。

枠拡大やゴルフクラブ販売増が貢献

 テレビ東京ダイレクト(TXD)の前期の売上高は前年比46・4%増の138億4100万円。このうち、通販枠の販売や管理などを行う通販提携事業売上高(前年比19・3%増の47億100万円)を除くテレビ通販売上高(同18・7%増の63億7100万円)と前期からグループ会社から事業の移管を受けた食品通販事業(21億5900万円)および宿泊予約事業(4億300万円)などをあわせた通販事業売上高は91億4000万円だった。当期から2つの事業が加わったことなどで単純比較はできないものの、2018年3月期における自社通販売上高(54億9200万円)との比較では66・4%増の大幅増収となった。

 テレビ通販は主力の午前枠「なないろ日和!」を軸に順調に売り上げを伸ばした。前年まで金曜に月2回確保していたBSテレビ東京での再放送枠を期初から月3回に拡大したことで放送総量が拡大。前年から売れ行きのよい「ファイテン 磁気チタンネックレス」や「かんたん!電気圧力鍋」、前期から投入した除湿剤「調湿木炭出雲屋炭八」などがいずれも年間で2億円を超える売り上げを上げるなど順調に推移した。これに加えて、BSテレビ東京およびCS各局での通販枠確保を積極化させたことも奏功。マルマンと組んで開発した売り上げをけん引するオリジナルゴルフクラブシリーズ「DANGAN7」などを訴求するゴルフ情報番組風通販番組の放送をBSで増やしたほか、CSではグルフ専門チャンネルなど複数局で「DANGAN7」を中心に30分枠や5分枠のインフォマーシャルの出稿を強化し、売り上げを伸ばし、「DANGAN7」の各シリーズ合計で6億円弱を売り上げるなど増収に大きく貢献した。また、期中にリリースした通販アプリなどの効果でネット販売売上高も大きく伸びた。さらに期初からグループのテレビ東京コミュニケーションズから食品通販事業「虎ノ門市場」と宿泊予約事業を継承したことも全体の売り上げを押し上げた。

売れ筋、新規商品とも販売好調 

 日本テレビ放送網の前期の通販売上高は前年比4・9%増の85億2300万円だった。

 毛穴ケア美顔器「パーフェクトアクアリーボーテ」や脱毛器「シャインエステボーテ」といった協力メーカーと組んで開発した複数のオリジナル商品や売れ筋のEMS機器「アセチノリフトEMS」など美容関連商品が売り上げ拡大をけん引したほか、家電や化粧品など前期から発売を開始した複数の新商品もそれぞれ売り上げを下支えした。また、通販ブランドの強化を図るため、前年の下期から着手した全通販番組のタイトルを「日テレポシュレ」に統一し、また、商品訴求の演出などを一新した番組作りの見直しの効果も貢献し始めたこともあり、主力の月~木の午前枠が前年実績を上回った。また、ヒット商品と放送分数の増加などで深夜枠も順調に推移した。年間4回放送した特番も各番組とも堅調だったほか、前々期末に放送した2つの特番の売り上げの計上が前期にずれ込んだこともなどもあり、大幅増となり、全体の増収に貢献した。


 
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