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消費者ネットおかやま インシップに差止請求、申入れ「受取拒絶」受け提訴検討

2019年12月 9日 13:20

 適格消費者団体の消費者ネットおかやまが、健康食品通販を行うインシップに対し、差止請求訴訟を視野に入れた広告の改善要請を行った。今年7月、2度に渡り広告の改善を求める申し入れを行ったが「受取拒絶」で返送されたため。ただ、インシップは、申し入れを「把握していない」とコメント。「法律違反ならば対応するが、(提訴など)具体的なアクションがない今の段階では何もコメントできない」としている。
 
 消費者ネットおかやまは11月19日、最終通告にあたる事前請求書を送った。販売するノコギリヤシ配合の健食について、景品表示法の「優良誤認」にあたると指摘する申し入れを行ったが受取拒絶されたため、「差止請求権を行使せざるをえない」としている。書面到達から1週間が経過した後、訴訟を提起できる。1月中旬に予定する理事会で、提訴を判断する。

 一方のインシップは、「うちは法律を遵守し、法律に則った対応は行う」としている。

 申し入れでは、インシップが販売する「ノコギリヤシエキス」の新聞広告について改善を求めている。広告では、「夜中に何度も…」との記載とともに、大きな文字で「中高年男性のスッキリしない悩みに!」と記載。寝間着を着た男性が困ったような表情を浮かべ、下半身を震わせながら扉のノブに手をかけているイラストとともに「何度も…ソワソワ」などとの表示している。電車に乗った男性が困った表情を浮かべ、下半身を震わせて我慢している様子のイラストとともに「早く降りたくて…ソワソワ」とも表示している。

 消費者ネットおかやまは、これら表現から、これを見た消費者が商品の摂取で「頻尿」が改善するとの効果が得られると認識する可能性が高いと指摘。国立健康・栄養研究所が運営する「『健康食品』の素材情報データベース」では、ノコギリヤシの効果について「前立腺肥大症に対する作用など(略)現時点で効果がないことが示唆されている」とされており、ヒト試験の根拠も脆弱であることから、景表法の「優良誤認」にあたるとしている。
 
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