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契約利用者数が急伸、10万人に<ジャパネットのウォーターサーバー事業> 製造力3倍の新工場が稼働

2021年 7月22日 10:00

 ジャパネットグループが展開する宅配水事業が急成長をみせている。テレビショッピングでの訴求強化に加えて猛暑やコロナ禍などの影響もあってか、昨年1年間で約5万人の新規客を獲得、総契約数は約10万人まで拡大。増え続ける注文数に対して宅配水の製造が間に合わなくなるほどの急伸をみせた。需要増への対応のため、生産体制を強化。7月15日には、自動倉庫など最新設備を導入し、生産性を高め、これまでの3倍の生産量を誇る新工場が稼働を開始。今年も5万人以上の新規客獲得を目指し、さらなる事業の拡大に乗り出している。

 



 ジャパネットグループで、契約利用者に専用のウォーターサーバーを貸し、定期的にミネラルウォーターを配送するウォーターサーバー事業を展開するジャパネットウォーターは7月15日、宅配水の新たな製造工場「ジャパネットウォーター富士山ファクトリー」を竣工させ、本稼働を開始した。新工場の竣工式に出席したジャパネットホールディングスの髙田旭人社長は「現状、『ジャパネットウォーター』の利用者は10万人。この素晴らしい水をさらに多くの人にお届けしたい。日本中にウォーターサーバーを広げていきたい」と、現状のウォーターサーバー事業の契約利用者数が10万人に達したことを明らかにした。また、新工場の稼働により、さらに利用者拡大を目指す考えを示した。

 ジャパネットグループがミネラルウォーターの宅配事業に本格参入したのは3年前の2018年6月。以前から他社が展開するサービスの販売代理店として展開してきたが、「よいものを世の中に伝えていくことが当社の使命。(ミネラルウォーターについても自社運営することで)よい水を、サーバーやサービスにもこだわって販売していきたい」(髙田旭人社長=当時)とし、17年1月にウォーターサーバー事業を展開するコウノウォーターを買収、自社でウォーターサーバー事業を運営できる体制を整えた。

 事業開始当初は「ジャパネットと言えば『家電』というイメージが強く、当社としても水は(家電のように)スペックの違いが明確にあるわけでなく、若干、苦労した」(ジャパネットウォーターの茨木智設社長)とするが、「ジャパネット」というブランドの信頼感に加えて、製販一体の体制で天然水のよさやサーバーの便利さ、自社検査のほか第三者機関による水質検査を毎月105項目実施するなどの安全性などサービスの本質の部分を伝えることを主眼においた丁寧な訴求をベースにテレビ通販を軸に展開してきたことで徐々に契約利用者が増加。契約後には家電などの販売でこれまで培ってきた丁寧な配送サービスや電話対応、宅配水の配達日の通知や変更、追加注文などが簡単に可能になる契約者専用アプリ「ジャパネットウォーター公式アプリ」の提供などジャパネットグループのノウハウを活用したアフターサービスなど同社ならではの強みを生かし、高い顧客満足度を維持。解約率は低く、長期契約者も多いよう。実際、今年5月にはオリコングループが実施したウォーターサーバーに関する満足度調査「2021年オリコン顧客満足度調査ウォーターサーバー」で「ジャパネットウォーター富士山の天然水」が総合1位に選ばれている。

 着実な事業展開に加えて、昨年は猛暑とコロナ禍なども後押ししてか、一気に契約利用者が増加。年間で新規契約者数は5万人増え、契約者総数は大台の10万人に達した。それゆえに宅配水の製造が既存の製造工場では1日24時間フル稼働しても夏の繁忙期などはギリギリの状況が続いたことから、生産体制を強化すべく、新工場の建設を計画。そして7月15日に山梨・山中湖村のジャパネットウォーターの本社内に新工場「ジャパネットウォーター富士山ファクトリー」(延べ床面積約2690平方メートル)が稼働した。

 熱による殺菌と0・2マイクロの極小の網の目のフィルターでろ過した天然水を、水の生産と同じ製造ラインで原材料から作った衛生度が極めて高いボトルに充填。ボトルやキャップなどの製造や補充、天然水を充填済みのボトルの箱詰め、保管も導入したアーム型ロボットや自動倉庫(最大9万本在庫可能)ですべて自動化、集荷の際のトラックへの詰め込み以外はほぼ人手を介さないことで衛生面のほか、製造能力が各段に高まり、1時間に2400本、1日5・7万本、年間では1700万本を製造できる体制が整った。旧工場と比べると3倍の生産力となるという。

 生産体制が整ったことで、今後、さらにテレビ通販を中心に「ジャパネットウォーター富士山の天然水」の拡販を強化する。一環として7月末には同社のテレビ通販のMC陣が新工場から生中継し、テレビ通販での販促を強化していく計画。今年は好調だった昨年以上に新規利用者の獲得を目指しており、「(総契約利用者数は)15万人超えを目指したい」(茨木社長)とする。また、中長期的にはさらに増える契約者や注文数に対応して、新たな工場の必要性も示唆。他の地域でも新工場の建設や水事業を行う企業の買収も「可能性はある」(同)としており、ウォーターサーバー事業の事業拡大を進めていく考えだ。


今年の契約者15万人超へ

<茨木社長に聞く ウォーターサーバー事業の現状と今後>

 ジャパネットウォーターの茨木智設社長(=写真)にウォーターサーバー事業の現状と今後について聞いた。

                       ◇

 ーーウォーターサーバー事業を本格的に開始して丸3年になる。

 「水自体、おいしく品質が高いもので、これを当社がテレビショッピングで販売すればすぐ売り上げを伸ばせると考えていたがスペックや味の違いを伝えることなどが難しく、最初は若干、苦労した(笑)。ただ、年を重ねるごとに、水のおいしさや安全性、サーバーの性能、配送サービスなどウォーターサーバーというサービスを効果的に訴求するための全体のバランスをきちんと考えながらテレビショッピングで伝える力がついてきて、比例するように会員数は今、かなりのペースで伸びてきている。現状は10万人だ。このうち、半分の5万件は昨年1年で獲得した」

 ーー去年の急激な会員数の伸びはコロナ禍の影響もあるのか。

 「テレビショッピングでの訴求がうまくできるようになりだしたタイミングと(コロナ禍が)重なっており、どちらの影響が大きいかは分からない部分もあるが、当社で販売している食品の売り上げも好調であり、(コロナ禍で)『自宅で安全なものが欲しい』という要望が多くなったのは事実だと思う」

 ーー新たな工場が稼働した。

 「水の充填は最も衛生レベルが高い牛乳の充填も可能な設備を導入しているし、ボトルもこれまでプリフォーム(ボトルとして膨らませる前の段階の中間製品)からボトルを製造していたが、原料のレジンからプリフォーム、ボトルを作ってそのまま水の充填を行うようにしたことでさらに衛生度を高めた。また、ボトルのキャップや梱包資材の補給、製品の保管もすべて機械化している。段ボールの組み立ても自動倉庫からAGVで段ボールを運び、組み立て機まで入れ、だれも触れることなく、段ボールが組みあがるようになっている。なるべく製造過程に人を介させないことで衛生度を高めている。また、こうした自動化で従業員が働きやすい環境も作り、スタッフは検査のように人が最終的にかかわらなければいけない業務に集中できるようになっている」

 ーー今後の展開は。

 「新工場では40万人弱の会員まで対応できる。今のペースでいくとこの先、再度、(生産体制がひっ迫する)タイミングが来るはずだ。それまでにさらなる工場の建設は当然、検討している」

 ーー課題は。

 「1つは物流だ。水自体重く、単価と送料のバランスを考えると、家電ほど効率がよいわけでない。先ほどの工場の計画とも絡むが、次の工場の場所は物流の効率を考えると、例えばだが、九州がよいのか東北がよいのかなど含めて検討している」

 ーー別会社を買収するということか。

 「非常によい水であり、縁があればM&Aという形も可能性としてはある。また、用地を取得してゼロから工場を建てると可能性もある。富士山をベースとした場所にするか、他の場所にするかなども含めて今から検討していく」

 ーーウォーターサーバー事業はどこまでスケールしていくか。

 「去年は新たに5万人の利用者を獲得できた。今年もそれ以上は獲得したい。契約者数15万人強が目標だ。今後についてだが、欲しいと思われる方がいらっしゃるにも関わらず、提供できないのは残念だ。需要を見定めながら、(必要な投資もして)伸ばしていきたい」


 
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