マクアケが大手ECモールに出店、取引先の販路拡大を支援

2025年10月30日 13:08

2025年10月30日 13:08

 応援購入サービス「Makuake」を運営するマクアケは10月23日、「マクアケ」のプロジェクト実行者の一般販売をサポートする目的で「楽天市場」と「ヤフー!ショッピング」「TikTok Shop」に「Makuake STORE(マクアケストア)」を出店した。EC販売やプロモーション、物流代行を通じて実行者の事業成長につなげる。


1030130909_6902e4e51afc7.jpg 同社は2013年の創業以降、「マクアケ」サービスの運営を通じ、一般販売前の〝0次流通〟市場において4万6000件以上の新商品や新サービスのデビューを支援してきた。

 「マクアケ」で数多くの商品がデビューする一方、プロジェクト実行者がその後の一般販売に苦戦する事例は少なくない。とくに大手ECモールでの販売は、商品ページの運用や受注・発注業務、広告運用や人的コストなど中小企業にとっては負担が大きい。

 そこで、マクアケでは実行者が経営資源を新商品開発などのコア業務に集中できるように「マクアケストア」としてECモールに出店。配送料の実費と販売手数料を徴収することで、販売、プロモーション、物流業務を代行し、実行者の負担や課題を解消する。

 各モールでの日々のフロント業務およびフルフィルメントを含めたバックヤード業務は外部のパートナー企業が担う。「マクアケストア」で扱う商品は当該企業の倉庫に預けてもらい、注文が入れば倉庫から直接、購入者に届ける。楽天市場店、ヤフー店では「マクアケストア」限定のギフトラッピングにも対応する。

 マクアケでは、実証フェーズとして5月から楽天市場店とヤフー店で延べ900以上の商品SKUを展開し両モールでの売れ筋などを把握。今般グランドオープンすることになった。

 スタート時の両モールの取り扱い商品は350程度で、まずは同社がセレクトした「マクアケ」発のユニークなアイテムを販売する。商品ジャンルはテクノロジー、プロダクト、ファッション、スポーツ、美容・健康、便利グッズと多岐にわたるが、楽天市場店では日用雑貨系のアイテム、4000~5000円の商品の反応がいいようだ。

 また、将来的には、「マクアケ」内のプロジェクトデータや会員購入データを新商品開発や販促に活用できるマーケティングソリューション「Makuakeインサイト」とも連携し、モールごとの顧客データを活用していく予定で、各プラットフォームに合わせた生活者のインサイト分析と商品企画から「マクアケ」でのプロジェクト実施、一般販売まで一気通貫した商品計画を立てることができるようにしていく。

 一方のTikTokShopについては、ショッピング動画やライブ配信を通じてユーザーがアイテムに出会う〝発見型コマース〟の仕組みが「マクアケ」との相性が良いと判断して出店した。SNSの総フォロワー数20万人のガジェット系動画クリエイターを社員登用し、TikTokShopの運営を担う。

 なお、マクアケでは一般販売段階でのサポート体制強化に向けて今年1月にグロース本部を新設。「今回のECモール出店はひとつのステップだが、事業単体でも黒字化を目指している」(菊地凌輔執行役員グロース本部本部長)とした上で、「今後は海外販路の開拓やオフライン施策なども含めて支援していきたい」(同)という。

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