前号に続き、仮想モール「楽天市場」における若年層獲得に向けた取り組みや、「ユーチューブ」と連携した成果などについて、楽天グループの松村亮副社長執行役員コマース&マーケティングカンパニープレジデントに聞いた。
◇
——新規ユーザーやこれまで楽天市場の利用頻度が低かったユーザーにも、より使ってもらうための施策に成果は出ているか。
「楽天市場では、ライトユーザーの活性化を目的とした施策に注力しており、成果が現れ始めている。特に、大型買いまわりイベントのさらなる強化を通じてライトユーザーの育成を図っており、昨年の流通規模は2020年からの5年平均成長率で9.3%増と大きく伸長した。具体的な施策としては、『お買いものマラソン』において対象ユーザーをターゲティングし、モーダル画面(画面上に新しく重ねて表示されるウインドウ)で分かりやすく訴求することで、エントリー率を高める効果が得られている。また、ジャンル別戦略も強化することで、ユーザーニーズにあった企画を展開するなど、ユーザーが定着する仕掛けに取り組んでいく」
——若年層獲得に向けた取り組みに関しては。
「若年層の『楽天モバイル』ユーザーによる楽天市場の流通への貢献度は継続的に増加している。楽天モバイル新規契約者においても20代以下の若年層ユーザーの割合が、25年度で約30%と高いことから、今後も楽天モバイルを通じた若年層のさらなる流入が期待できる。その他、若年層を特に意識したソーシャルギフト機能の提供や、20代ユーザー限定の施策展開など、機能面・コンテンツ両軸から若年層含む新たなユーザー層の獲得にも注力していく」
——ユーチューブ動画から楽天市場の商品が購入できるようになった。
「想定を上回る反響がある。特にキッチン家電などの小型家電や日用品雑貨などが人気だ。ユーチューブクリエイターと店舗の出会いを加速するべく、両者を繋げられるようなリアルイベントの開催などを検討していきたい」
——海外事業者の出店強化やインバウンドCBT(クロスボーダートレード)の推進は、楽天市場全体の成長戦略においてどのような位置づけか。
「楽天市場では10年前より海外事業者の出店を可能にし、インバウンドCBTの取り組みを推進している。厳正な審査を経た1000を超える海外事業者が出店しており、店舗数・流通額が着実に成長している。昨年1〜11月の海外事業者による流通総額は前年同期比2桁成長と好調に伸びた。楽天市場としては、豊富な品揃えでより多くのユーザーニーズに対応し、売り場としての魅力をさらに向上することを目指している」
——ふるさと納税ポータルサイトへのポイント付与禁止の影響は。
「これまでふるさと納税の振興に大きく貢献してきたポイントが無くなったことで一定の影響はあったが、具体的な影響内容については控えたい。ポイント付与禁止の撤回を呼びかける当社の主張は継続していく。また、ふるさと納税制度をさらに浸透・活性化させ、地域経済の発展に寄与すべく、引き続き自治体との連携や、寄付者の利便性を向上させた魅力的なポータルサイト運営を推進する」
——26年における楽天市場の機能刷新や新機能は。
「引き続き楽天経済圏の活用を深化させることで、サービス間の相互作用を一層高め、ユーザーが複数のサービスを利用することで得られるメリットを最大化する。特に楽天モバイルの拡大は、楽天市場の流通拡大を促す強力な推進力となると捉え、この効果を最大限に引き出すことに注力していく。顧客基盤の拡大においても、楽天市場ならではの大型イベントに加え、ユーザーの多様なニーズに合わせた新たな企画を展開し、集客と流通の拡大を目指す。並行して『最強翌日配送』や刷新された定期購入の利用促進に加え、ソーシャルギフト機能の提供など、非イベント時の流通も拡大を図っていきたい。さらにAI活用により、ユーザー個々に最適化された購買体験を提供することで、楽天市場へのエンゲージメントを深め、さらなる顧客体験の向上に取り組む。店舗にとっても、AIの活用を通じて、より創造的で付加価値の高い業務に集中できる環境を整え、効率性と生産性の向上に繋がるよう継続的に支援していく。具体的な流通の想定額は公開していないが、これらの施策を通じて、2030年の国内EC流通総額10兆円達成を目指す」(おわり)
前号に続き、仮想モール「楽天市場」における若年層獲得に向けた取り組みや、「ユーチューブ」と連携した成果などについて、楽天グループの松村亮副社長執行役員コマース&マーケティングカンパニープレジデントに聞いた。
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「楽天市場では、ライトユーザーの活性化を目的とした施策に注力しており、成果が現れ始めている。特に、大型買いまわりイベントのさらなる強化を通じてライトユーザーの育成を図っており、昨年の流通規模は2020年からの5年平均成長率で9.3%増と大きく伸長した。具体的な施策としては、『お買いものマラソン』において対象ユーザーをターゲティングし、モーダル画面(画面上に新しく重ねて表示されるウインドウ)で分かりやすく訴求することで、エントリー率を高める効果が得られている。また、ジャンル別戦略も強化することで、ユーザーニーズにあった企画を展開するなど、ユーザーが定着する仕掛けに取り組んでいく」
——若年層獲得に向けた取り組みに関しては。
「若年層の『楽天モバイル』ユーザーによる楽天市場の流通への貢献度は継続的に増加している。楽天モバイル新規契約者においても20代以下の若年層ユーザーの割合が、25年度で約30%と高いことから、今後も楽天モバイルを通じた若年層のさらなる流入が期待できる。その他、若年層を特に意識したソーシャルギフト機能の提供や、20代ユーザー限定の施策展開など、機能面・コンテンツ両軸から若年層含む新たなユーザー層の獲得にも注力していく」
——ユーチューブ動画から楽天市場の商品が購入できるようになった。
「想定を上回る反響がある。特にキッチン家電などの小型家電や日用品雑貨などが人気だ。ユーチューブクリエイターと店舗の出会いを加速するべく、両者を繋げられるようなリアルイベントの開催などを検討していきたい」
——海外事業者の出店強化やインバウンドCBT(クロスボーダートレード)の推進は、楽天市場全体の成長戦略においてどのような位置づけか。
「楽天市場では10年前より海外事業者の出店を可能にし、インバウンドCBTの取り組みを推進している。厳正な審査を経た1000を超える海外事業者が出店しており、店舗数・流通額が着実に成長している。昨年1〜11月の海外事業者による流通総額は前年同期比2桁成長と好調に伸びた。楽天市場としては、豊富な品揃えでより多くのユーザーニーズに対応し、売り場としての魅力をさらに向上することを目指している」
——ふるさと納税ポータルサイトへのポイント付与禁止の影響は。
「これまでふるさと納税の振興に大きく貢献してきたポイントが無くなったことで一定の影響はあったが、具体的な影響内容については控えたい。ポイント付与禁止の撤回を呼びかける当社の主張は継続していく。また、ふるさと納税制度をさらに浸透・活性化させ、地域経済の発展に寄与すべく、引き続き自治体との連携や、寄付者の利便性を向上させた魅力的なポータルサイト運営を推進する」
——26年における楽天市場の機能刷新や新機能は。
「引き続き楽天経済圏の活用を深化させることで、サービス間の相互作用を一層高め、ユーザーが複数のサービスを利用することで得られるメリットを最大化する。特に楽天モバイルの拡大は、楽天市場の流通拡大を促す強力な推進力となると捉え、この効果を最大限に引き出すことに注力していく。顧客基盤の拡大においても、楽天市場ならではの大型イベントに加え、ユーザーの多様なニーズに合わせた新たな企画を展開し、集客と流通の拡大を目指す。並行して『最強翌日配送』や刷新された定期購入の利用促進に加え、ソーシャルギフト機能の提供など、非イベント時の流通も拡大を図っていきたい。さらにAI活用により、ユーザー個々に最適化された購買体験を提供することで、楽天市場へのエンゲージメントを深め、さらなる顧客体験の向上に取り組む。店舗にとっても、AIの活用を通じて、より創造的で付加価値の高い業務に集中できる環境を整え、効率性と生産性の向上に繋がるよう継続的に支援していく。具体的な流通の想定額は公開していないが、これらの施策を通じて、2030年の国内EC流通総額10兆円達成を目指す」(おわり)