ハルメク・アルファが商品力と接客力に強み、ハルメクとの機能統合も

2026年07月08日 15:34

2026年07月08日 15:34

 ハルメクホールディングスグループでシニア向けのカタログ通販「ことせ」を展開するハルメク・アルファは、シニア女性の悩みや期待に応える商品開発力や、コールセンターの接客力などを強みに、利益を伴う成長を目指している。


 「ことせ」は、ハルメクの通販よりもやや年齢の高い60代以上をターゲットにした商品を低・中価格帯で提供している。座談会やアンケート、電話でのヒアリングなどを通じて顧客の生の声を聞き、商品開発につなげる取り組みはハルメクグループの特徴でもある。

 また、コールセンターを顧客接点として重視。上位顧客に対しては、毎回同じスタッフが「御用聞きコンシェルジュ」として買い物をサポートする。

 同社は「ことせ ファッション」と生活雑貨の「ことせ 健康と暮らし」のカタログ2冊を毎月発刊しており、その都度、コールセンターのスタッフは担当する顧客に似合いそうなファッション商材や好みに合いそうな食品、生活雑貨などを案内するだけでなく、返品の仕方や返金までサポートしている。

 また、定期購入商品を買っている顧客に対しては、常に自宅に残っている量を確認し、1〜2カ月のスキップを提案したり、適切なタイミングで次の購買を促したりと、顧客視点に立った対応を心がけている。

 コールセンターのスタッフに関しては、「共感のコミュニケーションが大事になる」(石多哲人社長)とし、在籍するスタッフはすべて女性、平均年齢も60歳程度で、顧客と同じような悩みを抱えたスタッフが接客している。

前期は広告削減し減収も黒字に

 同社の2026年3月期は、収益性の改善に向けて下期に新規顧客獲得を目的とした広告投資を抑制したことでカタログ配布先が目減りし、売上高は前年比12.8%減の66億200万円となったが、利益面は前々期に課題だった完売率の改善もあって黒字化した。

 商材別では主力であるファッションのマイナス幅が大きかった。同社は新聞広告にファッション商材を掲載して新規顧客を獲得しており、広告投資を抑制したことでファッション分野の売り上げが一番影響を受けた。

 生活雑貨については、売り上げはほぼ横ばいだったものの、利益は大幅に改善した。雑貨はファッションの顧客に対するクロスセルで購入してもらうケースも多いため、ファッションの顧客数が増えないと雑貨の購入者も増えにくい構造ではあるが、ファッションの既存顧客に対する商品提案で前年並みの売り上げを確保した。

 生活雑貨は商品力が高まってレスポンス率が改善したことで、売り上げに占める媒体構成比が下がって利益改善につなげた。とくに寝具とインナー、キッチン雑貨などがけん引。カテゴリーごとにキーアイテムを設定し、同社のプライベートブランドでユニークさを出すことで顧客の反応が良くなり、同時に周辺商材も買ってもらう戦略が奏功した。

 寝具ではパジャマ、インナーではリカバリー系のアイテムが売れた。リカバリーアイテムは大手小売りの参入もあって低価格商品が続々と市場に投入されている中、同社では、例えば靴下であればゴムのあとがつきにくく、つまずきにくい設計にするなど、シニア層に特化した差別化商品を展開することで支持されているという。

 今期は利益を維持しながら広告投資を再開し、売上高は前年比1.5%増の67億円を計画。現状、新聞広告は一昨年の水準まで戻しており、顧客数も9月頃には前年比でプラスに転じる見込みだ。

 また、ハルメクの通販との機能統合を推進することでグループシナジーを高める考えで、ハルメクの通販との価格差があまりない食品と生活雑貨から連携をスタートしている。

 加えて、ハルメク・アルファでは基幹システムの入れ替えを10月に計画しており、これに合わせてECの強化にも着手。サイトのUIは踏襲しながらも、AIを活用してシニアの買い物をサポートできるようにしていく。

カテゴリ一覧