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オンライン試着サービスの現状は?② 「サイズをチェック」 国内の利用回数100万回超に

2016年 4月21日 10:34

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バーチャサイズが手がけるオンライン試着サービスは、導入先通販サイトの商品詳細ページにある「サイズをチェック」ボタンをクリックするとポップアップ画面が表示され、サイトで購入履歴のある服や手持ちの服と、気になる商品のシルエットを重ね合せてサイズの差を比べられるサービスだ。

 国内の導入先はマガシークやディノス・セシール、ユナイテッドアローズ、アーバンリサーチなど大手中心に約10社で、今年3月末時点の「サイズでチェック」利用件数は100万回を超えた。

 導入企業2社と実施した直近の調査では、同サービスの導入により返品率が平均30%減、購入単価は同20%増の成果が出ているという。同社では引き続き新規導入先を開拓し、国内アパレルECの導入シェアを現状の約5%に対して、年内に10%を目指す。

 一方で、これまでの「サイズをチェック」は商品購入の直前に利用されているが、利用者のサイズデータを活用することで「もっと売り上げに貢献できる」(オラウソンCEO)としており、サイズ情報をもとにしたレコメンドサービスにも乗り出す。

 具体的には、「サイズでチェック」導入サイトにサイズレコメンドの専用ページを設置。サイト訪問者が同ページでカテゴリーなどを選ぶと、当該ユーザーの購入履歴や登録したサイズ情報をもとに、選択したカテゴリーの商品からフィットする順番に一覧表示する。その際、パーセンテージ表記でフィット感が分かるようにするほか、商品にカーソルを合わせると、トップスであれば着丈や袖丈など、パンツであればウエストや股下、わたり幅などの部位ごとに0・5センチ短いとか長いというのをグラフで表示する(画像)。

 従来型のキーワード検索などとは一線を画し、「サイズ情報に即したおすすめリストを見せることで新しいショッピング体験ができる」(オラウソンCEO)とする。

 同機能は海外の通販サイトで導入されており、日本でも今夏をメドに導入を図りたい考え。

 将来的にはユーザーが通販サイトを訪問していないときでも、メルマガなどを通じて「ぴったりサイズの新作シャツが入荷しました」というようなレコメンドが可能としており、サイズ情報を切り口にした1to1コミュニケーションをサポートしたい意向だ。

 また、バーチャサイズではソリューション導入サイト以外での展開も模索。ファッション商材の中でもとくにフィット感が大事で、試着するのが大変なジーンズのEC購入を手助けする消費者向けのウェブアプリを開発中だ。自分がよく買うブランド、フィットするブランドを選択すると、さまざまなブランドのジーンズとのフィット感をヒートマップで表示するアプリで、気に入ったらブランドの通販サイトに送客して手数料を得るモデルとし、「サイズをチェック」導入企業以外のブランドとも連携していくという。(③につづく、前回の①はこちら

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