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ほぼ日 ジャスダックに上場、糸井社長「ライバルはディズニー」

2017年 3月24日 17:33

031.jpg 文房具や日用雑貨の通販を手掛けるほぼ日は3月16日、ジャスダックに新規上場した。初日は買い注文が殺到したことで値が付かず、17日には公開価格2350円の2倍以上となる5360円で初値を付けた。著名コピーライターでもある糸井社長(=写真)は16日の記者会見で「ライバルはディズニー。コンテンツが集まりたくなる場、『行けば何かがある』と思える街、というイメージを当社に持ってもらいたい」などと話した。

 同社ではウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」の運営を行っており、総売上高の約7割を占めるオリジナル手帳「ほぼ日手帳」が主力商品。「書籍やアパレル、食品、家庭用品など生活関連用品を自社で開発している。「ほぼ日刊イトイ新聞」において、商品の企画や開発プロセスなどを紹介、消費者にネットで販売している。

 2016年8月期業績は、売上高が前期比16・2%増の37億6700万円、営業利益は同23・8%増の4億9900万円、経常利益は同23・6%増の5億200万円、当期純利益は同0・3%増の3億500万円。

 このうち、直販事業が同18・5%増の23億6200万円、「ロフト」などへの卸売事業が同15・7%増の10億7000万円、ライセンス収入などのその他が同3・3%増の3億3400万円となっている。ほぼ日手帳の2016年版販売部数は約61万部で、ネット販売のほか卸売りも行っている。それ以外の商品は、主に同社通販サイトで扱う。

 「ほぼ日刊イトイ新聞」は自社商品紹介以外にも、エッセイや対談といったオリジナルコンテンツを掲載。サイトに広告を載せておらず、物販による収入に特化している点が特徴だ。

 糸井社長は16日の記者会見で、「手帳への信頼が当社への信用や期待になり、物を作るごとに消費者が喜んでくれるというサイクルで会社が育ってきた。今後はコンテンツを作ることはもちろん、"人が集まりたくなる場"をさらに展開したい。『ほぼ日刊イトイ新聞』だけではなく、犬猫の写真SNSアプリ『ドコノコ』や、3月に六本木で開催する見本市『生活のたのしみ展』などがそれだ」と今後の展望を語った。

 調達資金は新規事業や人材採用などに充てる。糸井社長は「当社はITや最先端の技術が不得意。また、『人が欲しがるものを作る』というポリシーで自然に成長してきた会社なので、だいぶもったいないこともしている。今後はビジネスを誠実に考えられる人にも来て欲しい」と述べた。

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