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ネスレ日本と佐川急便 宅配で新サービス、個人や商店を拠点に受渡・配達

2018年10月 4日 09:51

 ネスレ日本は10月1日、佐川急便と共同で一般世帯や商店など地域コミュニティを活用した新たな宅配サービス「MACHI ECO(マチエコ)便」を開始した。ネスレなどの通販商品の受け渡しや配達を担う拠点となるストックポイントを設けて展開。ネット販売市場の急拡大に伴う人手不足や環境問題の解決を目指すもので、当初は東京と大阪の一部エリアでネスレの商品を対象に行い、ファンケルやP&G、ルシピアなど順次参加企業を拡大する。来年末からは全国展開を行い、2025年までにサービス利用者100万人を目指す。

 マチエコ便は各地域の一般世帯や商店主に「ECO HUB(エコハブ)」と呼称するストックポイントの役割を担ってもらうほか、一部には宅配ロッカーを設置してエコハブとする。

 それぞれのエコハブは受け取り、配達などの提供できる手段、対応時間などを事前に取り決める。通販顧客はエコハブでの受け取り、あるいはエコハブからの配達を選択する。エコハブで受け取る場合には商品代金から5%の割引を受けることができる。エコハブを担う一般世帯や商店主へは手数料を還元する。

 エコハブを利用するには、専用サイトで商品注文を行った上で、近隣のエコハブなどを検索して選択する。受け取りや配達、あるいは宅配ロッカーと自身の都合に合った配達方法と場所のエコハブを選ぶことが可能になっている。なお、ネスレ以外の参加企業も専用サイトで商品の注文を受けることになる。

 エコハブまでの倉庫業務から配送業務の管理と実務は佐川急便が担当する。佐川急便がエコハブへ荷物をまとめて配送することで、トラックから排出する二酸化炭素を削減できるという。またエコハブから配達する場合、原則として徒歩あるいは自転車で実施し、さらに届け先までの配送や受け取りに来るサービス利用者へエコバッグを提供するなどは段ボール財の使用も削減する。

 当初は東京6区(港・品川・千代田・中央・新宿・渋谷)、大阪4区(北・中央・福島・此花)でサービス展開。東京6区は100カ所、大阪4区は30カ所のストックポイントを設置しており、東京では専用の宅配ロッカーの設置も行っている。

 ネスレは通販顧客90万人を有しているが、これら通販顧客へもエコマチ便の利用を促すほか、他社商品の新サービスでの取り扱いにより25年までに100万人の利用者の獲得を目指す。

 今後、ネスレと佐川急便が相互のノウハウなどを共有しながら「宅配マッチングプラットフォーム」を構築し全国展開を可能にしていくという。さらに来年にはマチエコ便の事業を担当する専門子会社の設立を予定している。

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