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【だいにち堂VS消費者庁㊤】 消費者認識の「再調査」へ、アンケートの問題指摘受け

2019年 9月26日 15:15

 景品表示法の処分取消訴訟において、「消費者の誤認」の有無を、消費者調査で立証するケースが相次いでいる。だいにち堂の訴訟では、国と事業者が互いに行う「消費者調査」の出来を競う批判合戦に発展。判断が難しい消費者の認識を消費者調査で立証する手法がスタンダードになりそうだ。

 景表法は、消費者庁への移管で競争法から、消費者保護を目的にした「消費者法」に変わった。以降は、これを念頭に軽微な事案への厳正対処、これまで例のない目新しい事案への処分が増加。一方で訴訟も相次いだ。

 法廷で消費者調査が利用されたのは知る限り、お茶の原産地表示で2016年に処分を受けた村田園が初めて(敗訴で確定)。以降、係争中の案件では、だいにち堂がアイケア関連のサプリメントの優良誤認、アマゾンが甘酒の二重価格表示をめぐる有利誤認を対象に、「消費者の誤認」がなかったことを調査で立証しようとしている。

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 だいにち堂の処分をめぐっては、提訴を前に行われた審査請求で消費者庁が消費者調査を実施。結果は、6割が「目の症状が改善する」との印象を持つというものだった。一方のだいにち堂は、その後の処分取消訴訟で消費者調査を行った。違法認定を受けた「ボンヤリ・にごった感じ」といった表現を見た消費者は「何の効果も期待できない」(約29%)など、6割がこれに否定的な回答を行うなど、その主張は調査結果は真っ向から対立する。

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 消費者庁は、消費者心理学や社会心理学の専門家3氏から意見を聴取。これを背景にだいにち堂調査の瑕疵を指摘する。

 一つは、調査に回答の意図的な誘導がみられるというもの。だいにち堂調査は、商品の「効果に対する認識」を問う前に、商品の購入意向やその理由を尋ねており、約7割が「購入したくない・あまり購入したくない」と回答。その上で「効果に対する認識」を尋ねたため、「何の効果も期待できない」など否定的な回答が増えたと指摘する。

 アンケートにおいて、誘導が生じることは「キャリーオーバー効果」と言われる。だいにち堂調査も、「最初に否定的態度を形成されたことで、以降の質問で商品の効果を過小に評価することが誘発された」と、恣意的に設計された質問であったと指摘する。

 また、購入意向を問う質問において「購入したくない」との選択肢を中央に配置することも、「これを平均的な回答であると誤認させ、否定的な回答に誘導するもの」とする。

 「効果に対する認識」を問う質問の選択肢が10と多い上、複雑な内容であることも「回答者の認識を正確に反映しにくい」と指摘している。

 例えば、「何の効果も期待できない」などの選択肢とともに示された「医師の診断を受けたり、薬を飲んだりしなくても目の疾患が治る」という選択肢。1つの質問で2つの内容を尋ねる質問のため「医師の診断は必要だが、薬を飲むことは不要」と考える回答者はこの選択肢を選びにくいとする。アンケートにおいて、こうした設問の設計は「ダブルバレル」と呼ばれており、回答者の認識を正確に反映しにくくしているとしている。

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 だいにち堂は、調査の瑕疵と突く消費者庁の指摘を受け、このほど再調査を実施。現状の調査が十分に消費者の認識を反映したものとしつつ、あえて「キャリーオーバー」や「ダブルバレル」の要素を排し、反証して自らの調査の正当性を主張する。(つづく)


 
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