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Cネット東海の差止請求訴訟 ファビウスが勝訴、定期契約めぐる表示「有利誤認ない」

2020年 1月30日 13:30

 適格消費者団体の消費者被害防止ネットワーク東海(=Cネット東海)が健康食品等の通販を行うファビウスを相手取り行っていた差止請求訴訟は昨年12月、名古屋地裁がCネット東海の請求を棄却した。いわゆる”定期縛り”をめぐる表示が景品表示法の「有利誤認」にあたるとして是正を求めていたもの。定期縛りをめぐっては、適格消費者団体の多くがその表示の是正を求める要請を行っている。今後の活動に影響しそうだ。
 
 Cネット東海は、判決を不服として控訴した。ファビウス(旧メディアハーツ)は「主張が全面的に認められた。今後も適切な表示に努める」としている。

 判決は、12月26日。ファビウスの表示について、「契約条件は十分明示されており、社会一般に許容される誇張の限度を超えて、販売価格の有利性があると誤信させるものとは言えない」と判断した。また、初回支払額の設定にも「低額にする表示が有利誤認にあたるとは言えない」とした。

 Cネット東海とファビウスの表示是正をめぐるやり取りは2015年から続いている。18年1月にCネット東海が提訴した。

 ファビウスは、「すっきりフルーツ青汁」を通販で展開していた。「ラクトクコース」という定期購入契約に関する広告で、「初回1カ月84%オフ(630円税抜)送料無料!」「30日間返金保証」などと広告表示。契約は、4回の継続購入を条件とするものだった。

 Cネット東海は、継続購入が条件であることから、4回分の購入を「1個の契約」と指摘。初回支払額のみ「630円」「84%オフ」などと低額に設定する合理性がないにもかかわらず、初回の販売価格や割引率のみ強調するのは「有利誤認」にあたるとして訴えていた。「30日間返金保証」も返金の手続きが煩雑であり、実際の申請期間が6から8日間しかないことなどから実質的な意味をなさず、「有利誤認」にあたると主張していた。

 「初回〇円」などと強調し、複数回の定期購入を迫る定期縛りをめぐっては、消費者トラブルが急増している。Cネット東海による提訴の直前の17年末、消費者庁は、特定商取引法を改正した。これに基づき「顧客の意に反する契約」に関するガイドラインを策定。昨年末から、定期縛りに関する表示をめぐる処分も相次いでいる。

 ただ、ファビウスの広告は、申し込みの「最終確認画面」以前においても、初回を含め最低4回(4カ月)以上の継続が条件であることに触れていた。また、「最終確認画面」でも「購入総額が4回で1万1954円(税込)」になることを記載した上、「申し込み内容を確定する」というボタンで契約を締結する形になっていた。利用規約でも4回以上の継続が条件と記載していた。
 
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