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不急のプラン 公邸懇親会の波紋③

2021年 2月18日 12:50

公益財団と政治の微妙な関係

 日本健康・栄養食品協会(=日健栄協)が参議院議長公邸で1月に予定していた国会議員と一部の大手企業限定の勉強会兼懇親会。キーとなったのは、1992年の設立以来、会長職である山東昭子参議院議長。いずれも厚生労働省で健康局長を務めた下田智久顧問と矢島鉄也理事長。3人は非常勤ではあるが協会の最高幹部クラスだ。関係者はこの人的構図に危うさを指摘する。

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 「参議院議長であり業界団体の会長を兼職。普通の感覚であればまずいと思う」。先の関係者はこう話す。参議院議長は三権の長。総理大臣、最高裁長官と並列だ。さまざまな意見、立場、党派の代議士をまとめるため、議長就任に伴い会派を離れるのが慣例だ。何より中立性を求められるポジションだ。

 「協会としては参議院議長という認識がない」。下田顧問は山東会長の兼職についてこう答えた。それでいいのか。

 公益財団である日健栄協と、政治家たる山東会長の関係にはこれまでもグレーな部分が存在していた。

 「公益法人の活動と政治団体の活動の峻別について」。下田顧問と矢島理事長の出身元である厚生労働省は2004年4月に関係の公益法人に事務連絡を発出している。これは日本歯科医師会が表裏一体の政治団体などを通じて、組織ぐるみの選挙活動や闇献金などを行っていた問題に関係したものだ。この中で公益法人について「政治資金規正法において、国等から補助金等の交付を受けた日から一年を経過する日までの間、政治活動に関する寄付をしてはならないとされている」と注意喚起している。

 そもそも公益法人は前述の規制などで政治活動が難しく、別途、近しい関係である政治連盟などを通じて、政治活動を行うのが普通である。

 日健栄協には、関連の政治団体は存在しない。となれば、政治活動には制約がかかる。これはたとえ、会長である山東昭子議員でも同様だ。

 果たしてこの線引きが守られているのか。

 山東会長の政治資金パーティーは、例年5月に東京プリンスホテルなどで開催されているが、このパーティー会場で本紙記者は下田顧問など日健栄協の事務局一行を見かけたことがある。参加費はすべて自費でなければ、問題となろう。ただ、パーティー券は一枚二万円。おいそれと個人で出せる金額ではない。

 さらに「協会から山東会長のパーティー券の購入を依頼された」。ある会員の関係者はこう語る。

 古くを知る関係者はこうも話す。「山東会長が衆院選挙で落選後、再起を図る2001年の参院選挙では協会内に対策本部が設置された。責任者は元新聞社の出身で『これは問題だよ』とぼやきながら、会員企業へのあいさつ回りの日程などを調整していた」。

 協会設立時から会長を務める山東議員。では、なぜ健康食品業界と関係を持ち、会長を務めるようになったのか。先の関係者は日健栄協の前身の団体がきっかけとする。

 この団体の理事を務めていた組織販売J社K社長が、自社の広告塔として当時はまだタレントであった山東議員を起用。その縁もあり1977年に行われたこの団体の総会に来賓の参議院議員として招かれたのがはじまりという。この席には田中角栄率いる田中派の竹下登衆議院議員、橋本竜太郎衆議院議員も招かれていた。実に44年前の話となる。実は、業界の変遷を最も良く知る一人が山東議員である。

 山東議員は厚生労働省時代の下田顧問とも近しい関係であったとされる。仕事では、健康増進法の制定などでも関係があったと見られる。プライベートでも「麻雀に呼ばれていたようだ」(関係者)。

 しかし、トップが近しい関係に過ぎると、そこで決められたことには誰も意見できなくなろう。

 「そもそも日健栄協のいまのガバナンスはおかしい。会長と理事長は非常勤。常務理事が常勤。トップが不在。誰が物事を決めるのか」(関係者)。

 それが今回の勉強会兼懇親会プランで露呈した。象徴は、開催場所を参議院議長公邸としたこと。「もし、懇親会が開催されていたら、後日野党に追及されていただろう」。関係者は述べる。(つづく)
 
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