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スマイルテレビ TV通販を速く安く 120万円で番組製作、最短3週間で放映へ

2021年 6月10日 12:30

 協賛型テレビ通販事業を展開するスマイルテレビは比較的、安価かつ収録から1カ月弱でテレビ放映できる通販番組の製作サービスに本腰を入れ始めた。本社内に新設したミニスタジオを活用することで効率的な映像作成が可能となったことから短尺用映像製作を強化することにした。収録が効率的にできる分、安価にした価格と放送までのリードタイムを短くすることで、これまでテレビ通販を行ったことのない事業者のハードルを引き下げ、新規クライアントの獲得を進める。加えて、今期から本格展開に乗り出すテレビ通販用映像を活用し、実店舗店頭での商品販売を支援する店頭販促用端末を活用した物販事業にも寄与させたい考えだ。

 同社によると、これまでも媒体費が抑えられる短尺番組製作の引き合いは多く、収録した長尺用番組を再編集する形で短尺番組の製作を請け負ってきたが、5月に都内の本社内に自社スタジオ(=写真(上))を開設、稼働したことによって、2分、3分、5分などの短尺番組が効率的に収録できるようになったため、「自社スタジオ短尺制作」という新たなサービスプランをスタートした。

 同社の番組製作プランで主軸となる外部の収録スタジオを借り、浅茅陽子さんや大場久美子さん、クリス松村さんらタレントが出演してクライアントである通販実施企業の商品を紹介する内容で製作費は税別250万円を徴収する「タレント出演29分制作」プランは豪華なセットでタレントが商品を紹介するため、非常に訴求力が高い番組を作ることができる一方で、製作費は200万円を越えるなどテレビ通販を実施したことのない事業者や予算が限られた中小事業者らにとってはハードルが高い。また、収録から番組完成、実際の放送まで3カ月程度かかる。

 新プランでは自社スタジオで司会進行役のコメンテーターにクライアント企業の担当者らが出演して収録。製作費は税別120万円と安価に抑えた。また、収録から最短3週間で番組を製作して、放送することができる。媒体費は別途、発生するが短尺のため、同プランの制作費を含めて200万円程度からインフォマーシャル放映が可能になるという。「製作費を抑えて、利用のハードルを下げたい。また、コロナ禍もあり、目まぐるしくニーズが変化する昨今、収録から放送までのリードタイムを短縮して速射性を高めたかった」(佐々木社長)という。 

 なお、新プランを含めて、各プランとも納品した映像はテレビ通販での放送のほか、ウェブサイトやモバイルサイトでの掲載などの2次使用が可能だ。

 製作費を安価に抑え、収録から放送時間を早めた新プランで新規クライアントの獲得を進めたい意向だ。

 また、同社が8月にもテストを始める新サービス「電子店員」にも寄与させたい考え。「電子店員」とは通販番組の映像や通販番組映像ではカットし使用しなかった映像素材なども盛り込み、ドラックストアなどの店舗店頭に当該商品とともに設置するモニター付き端末(写真(下)=自社スタジオ併設のショールームの様子)に配信する実店舗店頭での商品販売支援サービスだ。なお、映像はインターネット回線を通じて遠隔で入れ替えが可能。来店客は画面をタッチして操作、例えば「商品の特徴」「利用者の声」「安全性」などの映像を場面ごとに視聴できるほか、オペレーターと同端末を介して会話でき、商品に関する疑問点なども質問できる。「電子店員」の設置店舗には当該商品の売り上げの一部をマージンとして支払う。また、同端末の効果で来店促進や関連商品の売り上げ拡大につながるなどのメリットがあるようだ。

 同社では昨年2月から約2カ月間、名古屋の東急ハンズ2店舗でテストして好感触を得られたことから、店舗展開する事業者に営業し、今年8月からは首都圏の健康ランドやドラックストアなど約20店舗に同端末を設置できる予定でテスト運用を本格化させる。設置店舗を広げる一方で、同端末で商品を店頭ルートで拡販したい事業者の募集も進める。まずは同社がこれまでに番組制作を請け負った10社の健康食品や育毛剤、除菌剤、調理器具などの商材を「電子店員」で紹介、当該商品も当該企業から卸販売を受け、スマイルテレビが直販する形で販売する。今後、スーパーなど様々な店舗へ端末設置店を増やしていきつつ、新設した「自社スタジオ短尺制作プラン」をフックに「電子定員」の利用事業者の獲得も進める。「今後、当社で通販番組を制作すればテレビ通販だけでなく、『電子店員』を介して、様々な店舗店頭で商品を(卸)販売できるような仕組みを作っていきたい」(佐々木社長)としている。
 
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