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美容系、家電系のサービス好調<通販各社のサブスクリプション> 商品の拡販や顧客接点作りに

2021年10月28日 13:00

 商品やサービスについて利用期間に応じて代金を支払うサブスクリプションモデルを活用して、「商品」または「商品とサービス」をセットで提供し、商品の拡販や顧客接点の獲得につなげようと”サブスク”に着手する通販実施企業が増えている。ネット販売と同様に、コロナ禍の追い風にも乗り、すでに展開を始めている各社でも好調な売れ行きを見せているところは多いよう。注目各社のサブスクリプションサービスと現状を見ていく。

 





手軽な価格帯と診断機能が好評

 通販実施企業の中でサブスクサービスを展開している企業は多いが、特に目立つのは美容・健康分野。肌診断などと組み合わせてサービスを展開する事業者が目立つ。

 その1つが協和が7月から開始した、サブスクリプションサービス「Fracoraプライム」だ。手軽に利用できる価格帯や、自宅で健康や肌状態をチェックする機能への顧客の関心の高さが奏功し、利用促進につながっており、サービス開始以来、好調に推移しているようだ。利用に応じて、商品と交換できる独自ポイントをためることができる仕組みが、人気の理由の一つになっているという。

 サブスクリプションサービス「Fracoraプライム」は、自宅での美容や健康を楽しみたいユーザーの要望を受けてスタートした。活動量計「Fitbit」を使った健康管理や会員限定コンテンツの視聴、独自開発のスマートミラー「fracora HiMirror」を使った肌診断やオンラインカウンセリングなどのサービスを提供する。

 基本となる月額480円のプランと、「フラコラ ハイミラー」を利用できる月額1980円の「ハイミラープラス」のプランを用意した。主な利用者層は既存顧客の40~50代の女性が中心。70代の女性の利用もあるなど幅広い年齢層での利用があるという。

 顧客の利用サポートの一環で、オンラインの活用セミナーを毎週開催している。直接相談できる安心感が利用者層の拡大に寄与した。また、活動量計で歩数や睡眠の質、美肌チェックを行うなど、一定の活動量の達成で独自ポイント「フラコイン」を付与する仕組みも好評で長期的な利用を促しているようだ。

 利用傾向については、基本プランは手軽に利用できる価格帯で、ヘルスケア管理をデジタルで簡単にできることが奏功。オンラインで開催しているヘルスケアセミナーに参加しながら健康管理データを利用できることへの認知が広がり、利用者の獲得につながった。

 また、「ハイミラープラス」のプランは肌の状態を数値でチェックできることや、他社製品を含めた愛用商品との相性チェックができる機能が好評となっているもよう。美容に関心が高い既存顧客の利用が多く、オンラインカウンセリングが人気コンテンツの一つになっているという。

 今後は、顧客の健康と美容の情報をビッグデータとして解析し、セルフケア方法の提案や対策商品の提供につなげるといったサービスの開発を目指す。また、「フラコラプライム」の認知度向上を図り、全会員への利用を促したい考え。

肌状態把握して適切な化粧品を

 ポーラグループのオルビスでも今年4月から、パーソナライズスキンケアの定期通販を始めた。毎月定額で、顧客の肌状態に合わせたスキンケア商品を届けるもの。

 新ブランド「cocktail graphy(カクテルグラフィー)」は、肌測定を行うIoTデバイスを独自に開発。内蔵するセンターやカメラが肌の水分量や皮脂量、キメや毛穴の状態を測る。結果を専用アプリと連携。居住エリアや天候データ、顧客の肌悩み、生活習慣を総合的に解析し、「うるおい」「なめらかさ」「バリア機能」「ハリ・弾力」「透明度」の5つの指標でスコア化して示す。

 顧客の肌状態に応じ、数百通りの組み合わせの中から毎月3本のスキンケアを届ける。商品は、「肌悩み」と「将来の肌トラブルケア」に対するアプローチを目的とする美容液2本と保湿液1本。日々の状態に合わせて3本を自由に混ぜ合わせて使用してもらう。

 IoTデバイス「スキンミラー」は初月のみレンタル料3300円(税込)で提供。商品は1回あたり7920円(同)で届ける。3カ月単位の契約を前提にする。専用のブランドサイトを通じて販売し、オルビスの販売サイトや全国の直営店では販売しない。

通販サイトとの相乗効果も

 家電のサブスクを展開する事業者も多い。家電ネット販売のストリームでは、昨年4月に「レントコ」をグランドオープンし、家電のレンタル事業に参入した。コロナ禍を受けてレンタル事業は「徐々に伸びてきている」(同社広報)という。特に、空気清浄機やスチームクリーナーが好調に推移。「充実した自宅時間を過ごしたい」という需要の高まりもあり、調理家電、美容家電なども好調だった。一度にかなり大量の台数が必要な法人向けの対応も開始。同社の通販サイト「ECカレント」との相乗効果については、「レントコ」で扱いのない商品ででも、ECカレントで販売していればレンタルできる場合があることから、徐々にではあるが出てきているという。

 今後の家電レンタルに関しては「SDGsの循環型社会の流れもあり今後もさらに伸びていくのではないか」(同)とする同社。今後はコロナ禍の状況、市場動向をみながら、例えば冬であれば暖房機器や加湿器、梅雨時には除湿機、夏にはタワーファンといった季節商材の充実、旅行やジャーの際に利用するカメラなど、「顧客のライフスタイルにフィットする商品の幅をさらに広げていきたい」(同)という。

メーカーとの連携を強化

 レンティオでは、2015年から家電のレンタルサイト「レンティオ」を展開中。2019年11月の段階では、カメラのレンタルが流通額の70%以上を占めていたが、今年9月時点ではカメラのシェアは20%を切っており、それ以外のシェアが大きくなっている。

 同社の三輪謙二朗社長によると「コロナ禍でカメラのレンタルが激減したが、それ以外が伸びたため、全体的には伸びた」という19年11月比で流通額は約4倍となった。ただ、「新型コロナの影響で伸びた商品は少ししかないので、(コロナ禍という点に絞れば)トータルの影響はマイナスだった」(三輪社長)。エアロバイク、フィットネス系、ホームベーカリーといった、自宅時間を充実させるための商品は伸びたものの、カメラは運動会などのイベントや、旅行等で使われることが多いことから、コロナ禍が大きく影響したわけだ。

 現在、同社の事業は「一時的な利用のためのレンタル」と「購入前のお試しレンタル」が両軸という。一時的な利用の場合、家電メーカーにとっては販売機会の喪失につながりかねないものの、購入前のお試しは逆に自社商品をアピールする場であることから、近年は家電メーカーとの連携を強めている。

 19年11月時点では、メーカーからの仕入れ比率は30%程度だったものの、今年9月は約80%まで拡大。仕入れ値が低下し、レンタル価格の値下げや粗利率改善につながっている。また、同社に在庫を貸与するメーカーも増加。この場合の売り上げはメーカーに計上され、同社は手数料を徴収する形という。

 家電メーカーのウェブサイトから「レンティオ」への誘導も増えている。メーカー直販サイトの商品ページから誘導したり、サイトに専用ページを設けてレンタルサービスをアピールするケースもある。また、新製品発売のタイミングでキャンペーンするケースも増えてきたという。

 三輪社長は「今期のレンタル事業は前期比倍増近くのペースで伸びている。今後は家電メーカーとのさらなる連携を進めていきたい」と語る。

最新のゴルフクラブも提供

 ゴルフ用品のネット販売などを行うゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)でも最新のゴルフクラブを軸としたサブスクリプション型サービスの「TRY SHOT」を展開している。

 同サービスでは1カ月、3カ月、6カ月の3種類の利用プランがあり、その期間内でゴルフクラブなどを提供し、顧客から月々の支払いを受けるというもの。

 顧客はプラン終了前に、そのまま購入するか返却するかを選択でき、そのまま購入する際は、商品代金からそれまで月額で払っていた利用料金を引いた残価のみを支払うようになっている。

 一般的に、店舗では購入前にケージ内のネットに向かって数回試し打ちができるが、同サービスでは練習場やゴルフ場など実際のシチュエーションに持ち込んで試すことができるため、より深く自分にあったクラブ探しができるという。

 対象商品に最新モデルのゴルフクラブがあるということに加え、近年のコロナ禍において三密を避けられるゴルフの人気自体が高まっていることも追い風になっている。数万円のクラブをネットで購入するということに抵抗があったような顧客を、うまく開拓できる有効な施策となっているようだ。

 
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