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ロコンド 3年後に取扱高400億円へ、リーボック事業が成長後押し

2022年 5月26日 13:00

 靴とファッションのネット販売を手がけるロコンドは5月18日、今期からの新3カ年計画を発表し、2025年2月期の商品取扱高は現在のほぼ倍となる400億円を目指す。同社は5月12日に伊藤忠商事と「リーボック」の日本事業についてサブライセンス契約を締結。10月にはロコンド66%、伊藤忠34%で合弁会社を設立し、「リーボック」日本事業を継承する予定で、3年後には同ブランドで取扱高の20%前後を稼ぐ計画という。
 
 従来からロコンドは30年度(31年2月期)に取扱高1000億円、営業利益100億円を目標とした長期ビジョンを掲げているが、新3カ年計画は長期ビジョン実現に向けた試金石となる。

 同社は、「ロコンド」を軸とした主力のEC事業、BtoBサービスを展開するプラットフォーム事業、自社でブランド運営を行うブランド事業の3事業を展開。ブランド事業の核として新たに「リーボック」日本事業が加わることで、取扱高倍増計画への貢献を期待している。

 伊藤忠との合弁会社は、現在、「リーボック」の日本事業を運営するアディダスジャパンから「リーボック」の在庫および当該事業に関わるその他資産や契約などを9月末に継承する予定だ。

 リーボック事業については、ロコンドのブランド事業の拡充だけでなく、「リーボック」国内自社ECの運営を含め、ロコンドグループで取り扱う「リーボック」商品の在庫量が大幅に増えることで、EC事業の取扱高拡大や、ロコンドが開発したBtoBサービスを全面的に導入することでプラットフォーム事業の強化にもつながる。

 ロコンドでは前期の取扱高約212億円に対し、今期は255億円(前年比20%増)、24年2月期は325億円(同27%増)、25年2月期は400億円を計画。リーボック事業については、今期は10月~2月まで5カ月間の運営で取扱高25億円を見込むが、3年後には80億円まで高めたい考え。

戦略投資枠に20億円を用意

 ロコンドによると、今期と来期については積極投資やM&Aがなくても既存事業と「リーボック」の”通常成長”で到達できる水準とするが、3年後の400億円は通常成長だけでは達成が難しい見込みのため、来年度からの積極投資とさらなるM&Aで実現を目指す。

 同社では戦略投資枠として3年間で20億円を用意するが、その際も「ROE10%を下限に財務健全化を維持しながら投資していく」(田中裕輔社長)という。

 M&A以外では主に、知名度やサービス内容の周知を目的とした広告面への投資を優先。この数年、テレビCMは展開せず、ユーチューバーなどとタッグを組んだD2Cブランドの開発に注力してきたが、今後はテレビCMの再開も検討しているようだ。

 一方、倉庫については5月末に物流拠点「ロコポート」(千葉県八千代市)の大幅な拡張が完了し、約11万2200平方メートルの倉庫面積を整備。取扱高ベースで500億円以上に対応できることから、新3カ年計画での拡張は予定していないが、これまでに実施した入庫レーンの自動化など、倉庫オペレーションでの投資はあり得るとしている。

 なお、ロコンドは未定としていた今期の連結業績予想についてもリーボック事業の影響を盛り込んだ形で公表。23年2月期の商品取扱高は前年比20・2%増の255億円、売上高が同31・6%増の130億円、営業利益が同1・9%増の9億円、当期純利益は同1・0%増の6億1000万円を見込む。

 
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