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井上通商 MDとスピード感が強み【楽天市場25周年記念 店舗が語る成長の秘けつ②】 インフルエンサーコラボも成果

2022年 6月23日 12:59

 貿易商社の井上通商が、楽天グループの「楽天市場」で運営する「HAPTIC(ハプティック)」は2009年に出店。もともとは同社の取引先が運営していたが、4年前に事業譲受され、そこから売り上げを大きく伸ばしている。現在はレディースファッションジャンルの上位店にまで成長し、楽天ショップ・オブ・ザ・イヤーも受賞。当初、同社はメーカー経由で小売り店に衣料品などを卸しており、自社では小売りはほとんど手掛けていなかった。

 井上通商の青木高志氏(=顔写真)「取引先の状態が悪化したことで事業を引き取ることになったが、もともと時代の流れとともに卸とメーカー、小売りの垣根が無くなってきているという大きな流れを感じていた。特に最近はコロナ禍もあり、川上と川下の距離が大きく縮まっている。たまたま縁があり、ECを手掛けることになったわけだが、コロナ禍で卸販売は大きな影響を受けており、どんどん実店舗からECへと需要が移行している。4年前からECに注力しているのは、今思えば本当に大きかった」

 ただ、事業譲受当時の「ハプティック」は月商200万円程度だった。現在は月商1億円を上回る月もあるなど、売り上げは爆発的に伸びた。

 青木「ECは全然分からなかったので、ECコンサルタント(ECC)に勧められたこともあり、『NATIONS(ネーションズ)』(編注‥有名店舗が講師となり、他の出店店舗にネット販売に関するノウハウを伝授する企画)に参加したが、これが社員教育の面で大きかった。売り上げの作り方など、『ECとはどういうものか』が学べたし、楽天さんという会社の仕組みやノウハウがすごく勉強になった。楽天さんのビジネスモデル、出店者と一緒に大きくなっていこうというところが伝わったし、当社も結果を出して成長していかなければ、と思った」

 当時のハプティックは「楽天スーパーSALE」などの大型セール時しか売り上げがあまり無かったという。福袋の販売を始めたことも売り上げ増に大きく貢献した。

 青木「日々の売り上げを作るには日常的に売れる商品を作らないといけない。ベーシックだが、若干流行も取り入れたような商品を作って在庫を積む。そこで売り上げの基礎を作ることができた。また、福袋に関しては、あまり値引きをしたくないというところからスタートした。商品を選べる福袋にしたが、直接的な値引きにはならないので、ブランド価値をき損することはない。毎年9000~1万個が売れる」

 5ポケットのパンツや、生地が厚めのTシャツなど、素材にこだわった商品が売れ筋だ。

 青木「コスト削減を追求するのではなく、素材感を良くすることにこだわっている。ただ、ECだと伝わらない部分もあるので、実店舗展開も始めた。現在、10店舗ほどを展開している。手に取ってもらえば商品の良さは納得してもらえるし、競合他社と比べると値ごろ感のある商品構成となっている」

 事業譲受から1年で急成長を遂げたハプティック。どこが他店とは違っていたのか。

 担当ECCの楽天グループ中原龍也氏「ECCの提案を真剣に受け止めて、取り組んでもらえたのが大きいのではないか。トライ&エラーを繰り返すことで、MDや販促を改善していき、売り上げも順調に伸びていった。例えば販促でいえば、広告出稿は成功するときも失敗するときもある。ただ、失敗した理由として、仕込みが悪かったのか、そもそも商品が悪かったのか、きちんと追求する姿勢があった。MDについては青木さんの力が非常に大きいが、こちらからは『楽天市場のトレンドに合っているか』などの助言をした。モノづくりとスピード感がハプティックさんの強み」

 青木「常に消費者をわくわくさせる取り組みをしてきたいと思っている。ショッピングSNS『ROOM』のインフルエンサーとコラボレーションした『お掃除スリッパ』が非常に好調だが、取り替え用のインソールとしてムートン生地のものを発売した。酒類やしょう油を販売するなど、福岡県の企業と組んで新しい商材の販売にも取り組んでいる」

 これまでアパレルを中心に扱ってきた同店にとって、食品はジャンル違いの商材。なぜ食品を販売するのか。

 青木「EC以外に目を向けると、食品の売上構成比は非常に高い。当店で買い物をした顧客がどのジャンルの商品を楽天市場で購入しているか、RMS(店舗運営システム)では分析できるので、データも参考にしながら、商品を増やしていきたい。さまざまな選択肢があれば、『送料無料ライン』を考慮して買い物しやすくなるはず。現在はアパレルが主軸だが、主婦が使うような日用品やテキスタイルなどをリーズナブルな価格で提供していけばもっと売り上げは上がっていくと思う」

 インフルエンサーと組んだ企画など、新たな取り組みにも積極的だ。

 青木「楽天さんから提案を受け、ライブコマースにも取り組んでいる。中国はライブコマースが販促の主流だし、日本でもTikTokを使った販促が広がっている。5Gの普及で通信速度が増大すれば動画の重要性はますます高まっていくはず。店舗ときちんと向き合ってくれるのが楽天さんの良いところ。『Walk Together』という言葉もあるように、店舗を育てて一緒に大きくなろうという取り組みや考え方がある。とりあえずついていけば何とかなると思っている(笑)」

 中原「ライブコマースなど、新たな取り組みに関しては、もっと楽天市場内で仕組み化し、規模を拡大していきたい。当社からどんどん有意義な企画を提案すれば、ハプティックさんをはじめ店舗が成長していくと思う」
 
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