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「カードギフトで専門性高める」【ベルヴィの宮崎義則CEO兼COOに聞く ギフトECの成長戦略㊤】 ふるさと納税事業でも活用

2023年 1月26日 11:00

 ギフト通販「ソムリエ@ギフト」を展開するベルヴィの2022年5月期の売上高は、前期比46・8%増の77億1400万円だった。出店する仮想モール「楽天市場」のギフトジャンルのトップ店舗として、売り上げを急拡大している同社。近年はふるさと納税の代行事業にも参入した。同社の宮崎義則CEO兼COOに近況や今後の目標などを聞いた。






 ――近年売上高が急拡大している。

 「2024年5月期に売上高100億円を目指している。目標を達成する上では、自社サイトの成長が欠かせない。オンリーワンのサービスを展開しようとすると、仮想モールではできないことがある。『あのサイトなら何でもあるよね』と言ってもらえる店作りをしたい」

 ――23年5月期の業績見通しは。

 「今期はここ最近では一番苦戦している。特に9月以降厳しくなった印象だ。1つは『ヤフーショッピング』においてポイントのバラまきが終わったこと。『楽天市場』はまだ成長しているが、コロナ禍が一巡してから高い成長率を維持するのは難しくなった。『LINEギフト』については、日本で一番売っていると自負しているが、やや苦戦した。ヤフーショッピングと連携して商品数がLINEギフト全体で急増した結果、もともと売れていた当社などは苦戦を強いられたわけだ。23年5月期の売上高は前期からやや増えて80億円強を見込んでいる」

 ――新規事業にも取り組んでいる。

 「ふるさと納税の運営代行を次の柱にしていきたい。来期は大きな案件が決まる予定なので、売上高を積み増すことができるだろう。また、プライベートブランド(PB)のギフト商品に関して、どれだけお金をかけて周知していけるかが来期の大きなテーマになる」

 ――円安や原材料価格の高騰の影響は。

 「あまりそれはない。これまではシーズナルギフトが好調だったが、以前よりは伸び率が厳しくなっている。皆が外出するようになったことでECが苦戦している部分もあるだろう。『ギフトといえばソムリエ@ギフト』と思ってもらうために、QRコードを使ったカードタイプのカタログギフトの販売を開始した。当社はカタログギフトを中心に成長してきたが、いよいよカードタイプに変わろうとしているタイミングで、紙のカタログギフトはどんどん減っていくだろう。ウェブで選ぶ形になると、もっとセグメント化したカタログギフトが作れるようになる。よりギフトの専門性を高めていきたい」

 ――ギフトの専門性とはどういったものか。

 「例えばコーヒーのギフトであれば、これまでは『ネスレなのかAGFなのかUCCなのかスターバックスなのか』というように、メーカーを基準に送っていた。ただ、本来は好きなコーヒー豆は人によって違うだろうし、豆ではなくドリップ式がいいという人もいる。ギフトをもらった人が自分に一番合うコーヒーを選べるようにしていくのが理想だ。紙媒体の場合、ニッチ過ぎてカタログに載せられない商品もあるので、どうしても『総合カタログギフト』になってしまう。紙のカタログは制作費がかかるので、何かに特化したカタログギフトはコスト的に見合わなかった。それがカードタイプになり、ウェブで商品を選ぶのであれば、いろいろなカタログが考えられる。例えば『3歳男児のクリスマス用カタログギフト』とか、『5歳女児がいる家庭への手土産用カタログギフト』などといったものだ。ギフトを送る先の子供がどんなアニメにはまっているか、外からは分からないわけで、ギフトを貰った人がいろいろなアニメ関連商品の中から選べるようにすればいい」

 「カードタイプなら、当社がやれることの幅が広がる。ふるさと納税にも応用できるだろう。ふるさと納税をする人が一番気にするのは、冷蔵庫や冷凍庫の容量。年末にまとめて寄付をすると、返礼品として肉やカニが大量に届いたら入り切らないため、時期をずらして寄付をするなど調整しなければいけない。カードタイプのカタログギフトが返礼品なら、寄附者の都合の良い時期に注文することができる。さらに、QRコードを読み込んでウェブページにアクセスした際に、動画コンテンツなどを差し込むことで、当該自治体の旅行関連クーポンを配るといった展開も考えている」


 ――具体的には。

 「当社では兵庫県豊岡市のふるさと納税事業の運営代行をしているが、例えばアクセス先のウェブページに豊岡市の旅行体験コンテンツを置けば『豊岡に旅行してみるか』となり、クーポンをもらってくれるのではないか。そうなれば複数回の寄付も期待できる」

 「カードタイプのカタログギフトを絡めたビジネスの拡大に加えて、ギフトに関しても、他社商品という借り物だけでやっている段階から、PBを活用したブランドの認知拡大につなげるべく、投資していきたい」(つづく)

 
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