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ユナイテッドアローズ  ECと店舗の連携を加速

2012年11月22日 16:30

 ユナイテッドアローズ(UA)のネット販売が好調を維持している。今中間期(4~9月)の自社通販サイトと他社モールへの卸を合わせた売上高は前年同期比15・0%増の51億円に拡大し、単体ベースのEC化率も10・9%に拡大した。

 自社通販サイトの販売も堅調だ。とくに店舗連動の取り組みが奏功している。今年6月には店頭とのサービス水準を合わせ、株主優待券をネットでも利用できるようにしたところ、優待券の利用金額が増えている。

 また、店頭のハウスカード会員のEC登録時や通販客のハウスカード登録時に500円分のポイントを付与する取り組みも浸透。2年ほど前に相互送客の取り組みを実施して以来、対前週比で付与ポイントが増え続けている。同件への問い合わせが多いこともあり、10月末には案内ページを通販のトップページに設けたことも相互利用につながっているようだ。

 一方、他社サイトで急伸しているのはアマゾン。投入ブランドを増やしたこともあり、今第2四半期累計の売り上げは前年同期比で3倍以上になった。

 9月下旬、主力ブランドのアマゾン店開設に合わせ、グループの商材を2点以上購入すると購入代金が10%引きになるキャンペーンを展開。アマゾンのトップページとファッションカテゴリーのページに広告を掲出し、同キャンペーンを告知した。UAでは、買い回りによる売り上げ増とともに、数多くのグループ商材を閲覧してもらうことで、アマゾンのレコメンド機能に反映されることを狙ったという。

 ネット上の売り場拡充はほぼ一巡しており、未出店の「楽天市場」については検討段階を脱していないようだ。

 今後は各ブランド事業の協力を得ながら展開品番や商品の奥行きなどで既存出店モールのテコ入れを実施したい意向だ。

 現状、自社通販サイトやゾゾ向けには、ほぼフルアイテムを投入しているのに対し、売り上げの伸びが著しいアマゾン店での展開アイテム数は限定的なため、品ぞろえの拡充を図るのと同時に、人気商品の欠品対策として取り寄せ注文についてもアマゾンの協力を得て対応したい考え。

 自社通販サイトの差別化策についても力を入れる。今年2月にトライアルを実施したサイト内の動画活用を今秋冬から本格化している。

 メンズでは「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ」と、「ユナイテッドアローズ」で展開するオリジナルレーベルの先行受注会商品に限定して13の動画を制作。スタイリングを見せながら商品のディテールをしっかり伝える内容で、見せ方や尺の長さなどさまざまなタイプの動画を撮影して購入に結びつきやすい手法を模索している(画像)。

 「ユナイテッドアローズ」のウィメンズも11月末をメドに10品番で動画配信を始める。今回はアウターだけでなくシューズの動画も制作中で、ブーツを中心にウォーキング映像で単品訴求のパターンを試す。

 また、自社サイトの強みを生かすため早ければ来年3月までに店頭連動の取り組みを強化する。詳細は明らかではないが、来店客が商品購入で迷って結局購入しなかった場合などに、店頭スタッフが通販利用を薦めやすい枠組みを構築するという。一方、ネットで取り寄せ注文し、実店舗で試着できるサービスも並行して実現することでネットとリアルのシームレス化を推し進める考えだ。


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