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まくら  オリジナル商品を強化、情報サイトからの誘導も

2016年 4月 7日 10:59

 8-1.jpg寝具ネット販売のまくらがオリジナル商品の開発を強化している。メーカーからの仕入れ商品は価格競争が激化していることから、オリジナル商品の販売比率を増やすことで他社との差別化を図る。また、ユーザーをオーダーメイド枕の他社実店舗へ誘導し、手数料を得る仕組みの情報サイトを強化するなど、ネット販売以外の収益源も開発する。

 昨年9月には、オリジナル商品として千葉県産の落花生殻を枕の中素材に使った「らっかせいまくら」(税別5000円)を発売。千葉県八街市の落花生農家から、従来はゴミとして処分されていた殻を買い取り、枕の中用の素材として加工。枕の素材として不可欠な吸水性やクッション性を備えているほか、消臭効果もあるという。

 テレビ番組で取り上げられたこともあり注文が殺到、すぐに売り切れた。3月25日には数量限定で再販売を行ったが完売となっている。落花生殻がすぐには集められないため、5月中旬に向けて生産を行っているという。河元社長は「数量限定のため、売り上げ面での貢献はそれほどでもないが、当社の知名度が上がったことが大きい」と話す。

 「らっかせいまくら」のヒットを受けて、千葉県産の素材を使った枕を販売、ブランド化していく方針。九十九里浜の海水で作った塩を中の素材とした「九十九里浜の塩まくら」、千葉県産のスギチップを使った「ピロー・オブ・セドロール」、千葉県の形をかたどった「チーバくんの安眠まくら」の発売を予定しており、さらに今後は「ご当地枕」として、千葉県以外でも、その土地ならではの素材を中に使った枕を販売する。

 現在は全商品のうち、1割程度がオリジナル商品だが、これを半分以上にしたい考え。仮想モールを中心に価格競争が激化しており、さらにはメーカー自身がネット販売するケースもあるなど、仕入れ商品で利益を上げるのが難しいからだ。「ユーザーから支持されるブランドを育てることが重要」(河元社長)として、ユーザーのニーズにあった商品を開発、差別化する狙いだ。

 例えば、枕の定番商品である「そば殻枕」は、1500円程度の安い商品が多いものの、品質の高いものであれば、「5000円でもユーザーからの需要があることが分かった」(同)という。安いそば殻は虫が湧きやすく、なおかつ洗えないため汚れやすい。ただ、そば殻の寝心地を支持するユーザーは多い。そこで、加工の段階できちんと汚れを取り、さらには洗えるようにした高級そば殻まくらを発売する予定だ。

 同社では、通販サイトで販売している50種類の枕の中から、好みの枕を選び、同時に3つまでレンタルできるサービスを展開、人気を集めている。これまでは仕入れ商品が中心だったが、今後はオリジナル商品を増やす。また、レンタル品の出荷体制を見直し、最短で翌日配達が可能な「楽天市場」のサービス「あす楽」にも対応する予定だ。

 コンテンツも強化している。2月には、ユーザーが簡単な質問に答えるだけで最適な枕を提案してくれるウェブサイト「ぴろコレ!」を開設。400種類以上ある枕の中から、ユーザーに最適の枕を自動的に判別するというもの。性別や体型のほか、寝室環境、寝るときの姿勢、高さの好みなど、枕選びに重要な「12の要素」から、独自の「枕適合アルゴリズム」により、適切と思われる枕を絞り込み、提案する。絞り込まれた枕は、商品画像や商品概要とともに表示され、そのまま購入することもできる。

 提案された枕を購入、実際に利用して合わなかった場合でも、30日以内であれば返品・交換を無償で行う「20日間の寝ごこち保証サービス」もある。アルゴリズムについても、ユーザー行動の解析・集積を進めることで、お勧めの精度を高めていくという。

 また、オーダーメイド枕を扱う店舗の情報サイト「まくらる。」を昨年5月にスタート。約300店舗の情報を掲載しており、3月にはGPS機能を利用した店舗検索を追加した。

 サイトでは、大手寝具メーカーのフランチャイズ店舗からオリジナルのオーダー枕を販売する個人店舗まで、全国にあるオーダーメイド枕を扱う店舗を紹介している。情報掲載料は無料で、同サイトから申し込みや予約し、実際に購入した場合は、手数料が同社側に入る仕組みで、すでに黒字化を達成したという。

 ユーザーが投稿できるQ&Aコーナーも設けており、今後はコミュニティー機能を強化していく。河元社長は「今後も枕に関連する商品やサービスを積極的に提供していきたい」と話す。

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