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楽天で「主食の多様化」進展 夏のトレンド予測、暑さ対策・温活も注目

2025年 6月 5日 12:00

 「米騒動」の影響で主食の多様化が進むか――。楽天グループは5月28日、今年の夏商戦に関するトレンド予測を発表した。今年は「多様化する暑さ対策」「夏場の温活」「主食のバラエティー化」の3つがキーワードになるとした。

 「『楽天市場』2025年夏のトレンド予測」は、仮想モール「楽天市場」における購買データや消費者へのアンケート調査のほか、世の中のトレンドや気象予測などの外部データもあわせて導き出したもの。

 同社ではこの夏、米の代替となる主食への切り替え、「主食のバラエティー化」が進むと予測。同社が5月に実施したインターネット調査によれな、「この夏米以外の主食として食べる機会が増えそうか」という質問に対し、「増えると思う」としたのが35%、「やや増えると思う」と答えたのが50%だった。

 さらに楽天市場では、夏バテ防止に栄養価が高い穀類の需要が伸びる傾向も出ており、白米を除く「穀類」カテゴリー24年通年の流通総額が前年比で約1.2倍だったのに対し、6~8月は前年同期比約1.5倍に。中でも、白米より栄養価の高い「もち米」は約2.4倍、「玄米」は約1.8倍だった。

 また「パスタ」の25年3~4月の流通総額は前年同期比で約1.2倍と伸長。特に5kg10kgサイズの大容量タイプの商品が売れ筋となっており、「まとめ買いのニーズがみられる」(楽天市場マーケティング部ジャンルイベントプロモーションチームの竹田成美アシスタントマネージャー)という。さらには「ライスヌードル」は約2.7倍、「ジャスミンライス」は約1.4倍と、日本以外で親しまれる主食も拡大傾向にある。

 「多様化する暑さ対策」は、暑さ対策商品に注目が集まるとともに、性能と価格の手ごろさに加えて、軽量・コンパクトで持ち運びやすい商品への需要が高まると予測したもの。

 楽天市場では、生活用品などの暑さ対策商品を40万点以上取り扱っており、2024年の流通総額は前年比約1・5倍に拡大。同社では25年における暑さ対策商品の購入意向についてアンケート調査を行ったところ、70%以上が「購入予定」もしくは「購入を検討している」と回答。その上で、商品を選ぶ際に重視する点として「機能性」「価格帯」「携帯性」が上位に挙がったという。

 例えば定番の「ハンディーファン」においては、65gのコンパクトファンのほか、モバイルバッテリー機能を備えたものや、ミスト付きタイプ、弁当冷却専用などが登場。また「水筒」も、スプレー機能が付いた商品や、ポケットサイズの水筒型氷のうなど、機能性と携帯性のある商品を出てきている。

 「UVカット服」においては、フルフェイスタイプやサンバイザー付き、タウンユースなど、ユーザーの好みに合わせて種類が充実。さらには子供向け暑さ対策商品も需要が拡大傾向にあり、ランドセル冷却パッドの24年の流通総額は前年比6.4倍、暑さ対策用帽子は同2.7倍、日傘は約1.4倍と伸長。機能性が高いだけでなく、子供の負担にならないよう軽量化された商品が注目されると予測している。

 暑さ対策に注目が集まる一方、夏場の「冷え」への対処も需要が高まっている。同モールにおける「温活」関連商品の流通総額は、24年通年では前年比約1.2倍だったのに対し、24年6~8月では前年同期比約1.3倍だった。「楽天市場」では、腹巻や靴下などの生活用品や、ショウガ成分を含んだ茶などの食品に加えて、火を使わない「灸」や「よもぎ蒸し」など、幅広い種類の関連商品を販売している。

 なお、楽天市場では「2025年暑さ対策フェア」ページを6月2日に開設した。
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