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オルビスCSR活動再編 理念体現する森に、「甲州市オルビスの森」遊歩道整備

2018年 7月 5日 17:23

 602.jpg オルビスがCSR活動を強化している。本業と関わりの深い里山再生など環境配慮に向けた活動は、2002年の開始から16年目。これらCSR活動に共感する層が、顧客基盤のコア層を占めてもいる。こうした状況を受け、活動の外部への情報発信を強化。企業価値の向上につなげていく。長年、取り組む"森づくり"では遊歩道を整備。理念を体感できる森にしていく。

 環境配慮に向けた取り組みは02年から開始した。通販がカタログなど紙の原料である材木を多く消費する業態であることに着目したものだ。

603.jpg これまで公益財団法人オイスカと協働で取り組み、「武田の杜」(山梨県甲府市)や「富士山の森づくり」(鳴沢村富士山麓)を整備してきた。

 12年からは、甲州市から里山支援の要請を受け、東京ドーム約21個分の広さに相当する市有林約100ヘクタールを「甲州市オルビスの森」と名づけ、年2回、植林や間伐を実施。年に5ヘクタール超を整備していき、累計300トンほどのCO2削減に寄与する森を作りあげた。

 11年の東日本大震災を受けて始めた復興支援活動も8年目を迎える。物資の支援だけでなく、仮設住宅の住民とアーティストと住宅の壁に絵を描き、無機質な風景に彩りを添える取り組みなどを行ってきた。支援活動の件数は約50件、寄付金の総額も約1億4000万円、ボランティアの参加社員も240人を超えた(今年2月末時点)。

 一方、これらCSR活動は活動内容に応じてチームを編成して行っていた。地道な取り組みが多く、外部への情報発信にも課題があった。

601.jpg これを受け、今年1月にCSR活動を行うチームを「ソーシャルアクションチーム(SAT)」として再編した。活動がブランド選択に影響を与える要素の一つと捉え、企業価値の向上につなげる。

 「甲州市オルビスの森」は、今後、周囲を2時間ほどで歩くことができる遊歩道を整備する。これまでは一般の人が踏み入れることのない市有林。だが、針葉樹林や桑畑、棚田の跡、小川があるなど多様性に富んだ森でもある。ポーラ・オルビスグループは昨年「感受性のスイッチを全開にする」というグループ理念を定めたが、「森を訪れるだけで感受性が刺激され、ブランドを体感できるような森にしたい」(SATリーダーの小川洋之SCM推進部長)とする。

 活動の柱は「環境配慮」と「被災地支援」。今後はより本業である化粧品事業と関連性の深い、スキンケアやメーク技術を活かした活動も計画する。SATリーダーのほかのCSR活動との連携も進めていく。
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