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在京テレビキー局の上期TV通販売上 ディノス・セシールがトップ、各社とも前年上期を上回り順調

2018年11月15日 11:05

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 在京テレビキー局5社が手がけるテレビ通販事業の今上期(4~9月)の業績が出そろった。前年上期は各社とも順調で前年同期比で増収を達成するなど堅調な推移をみせている。各社の今上期のテレビ通販事業の状況について見ていく。

6期連続増収で5年連続で首位

 今上期のキー局が手がけるテレビ通販事業で売上高ベースで首位に立ったのはディノス・セシール。前年上期に引き続き、上期ベースで6期連続で増収をキープ、5年連続で首位を維持した。

 今上期の総売上高である514億7000万円(前年同期比5・9%減)に占める通販売上高は472億4100万円(同7・8%減)でこのうち、テレビ通販売上高は前年同期比14・2%増の75億7700万円だった。

 「ヌーディウォークパンプススニーカー」といった美容健康商品などの売れ行きが伸びたほか、期間限定の割引販売や送料無料施策などの販促策も奏功し、主力の平日午前枠を軸に売り上げを伸ばしたほか、深夜枠も前年同期の実績を上回るなどで前年上期実績を10億円超上回るなど好調な売り上げを見せた。

通販堅調+宿泊と食品継承で大幅増

 テレビ東京ダイレクトの今上期の総売上高は同43・9%増の69億1700万円。このうち、通販売上高(同55・4%増の43億7700万円)と通販枠の販売や管理などを行う通販提携事業売上高(同22・6%増の24億3000万円)をあわせた通販関連事業売上高は同41・9%増の68億700万円だった。

 主力の午前枠および早朝枠が今夏から投入し、大ヒットとなった除湿剤「調湿木炭出雲屋炭八」や前期からの売れ筋である調理器具や掃除用品などを軸に売れ行きを伸ばし、前年実績を上回って順調に推移した。これに加えてグループのBSテレビ東京およびCS各局での通販枠確保を積極化させたことも奏功した。BSでは4月からは昨年12月から金曜に月2回、確保していた地上波で放送する主力枠のリピート放送枠を月3回に拡大したほか、売り上げをけん引するオリジナルゴルフドライバー「DANGAN7」などを訴求するゴルフ情報番組風通販番組の放送を増やした。また、CSではグルフ専門チャンネルなど複数局で「DANGAN7」を中心に30分枠や5分枠のインフォマーシャルの出稿を強化し、売り上げを伸ばした。さらに今期からグループのテレビ東京コミュニケーションズから食品通販事業「虎ノ門市場」と宿泊予約事業「厳選いい宿」を継承したことで全体の売り上げ増に大きく貢献した。なお、「虎ノ門市場」については今夏から従来からの地上波の枠に加えて、BSで週2曜日のレギュラー枠を確保するなどで売り上げをさらに拡大。「厳選いい宿」も前年上期実績を上回っており、事業継承後も両事業とも堅調に推移しているようだ。

主力午前枠が順調で全体をけん引 

 グランマルシェの今上期の総売上高は同4・8%増の74億5600万円でこのうち、ラジオ通販(5億5700万円)やカタログやチラシ、DMなどの紙媒体通販(5億200万円)、テレビ通販に紐付かない番組関連グッズやアニメ関連商品などのネット販売(6億100万円)、店舗事業(3億8500億円)などを除いたテレビ通販(地上波テレビ通販の40億4400万円とBS・CS枠でのテレビ通販の2億5900万円および「系列局との共同通販事業」の8億2100万円との合計)売上高は同0・9%増の51億2400万円だった。

 金曜午前の30分枠は編成上の都合による番組休止の影響で売上高が前年上期実績を若干下回ったほか、上期に2回放送した特番のうち、新たな演出に挑戦した5月分が振るわなかった影響などで特番はトータルで伸び悩んだものの、主力の月~木の午前枠の売り上げが順調に推移。番組刷新から1年が経ち視聴習慣がついてきたことに加えて、今期から投入した「振動フィットネスマシン ポルト ウルトラウェーブneo」を始め、「S帯」などの戦略商品や前期からの売れ筋である「骨盤スリム3Dエアー」などを軸に売り上げを伸ばし、同枠単体で前年同期比18%増となり、テレビ通販全体をけん引した。なお、土曜昼枠も新商品のヒットなどで堅調を維持。深夜枠も放送枠増加などで前年上期実績を上回って推移した。

複数の独自商品の売り上げが順調

 日本テレビ放送網の今上期の通販売上高は前年同期比12・7%増の43億5800万円だった。前年上期は売り上げを下支えする中ヒット商品に恵まれず、苦戦したが、今上期は今期から投入した脱毛器「シャインエステボーテ」が売れ行きを伸ばしたほか、毛穴ケア美顔器「パーフェクトアクアリーボーテ」や「アセチノリフトEMS」といったメーカーと組んで開発した昨年から販売を始め育成してきた複数のオリジナル美容関連商品がヒット商品に成長し、売り上げ拡大をけん引。また、通販ブランドの強化を図るため、前年下期から着手した全通販番組のタイトルを「日テレポシュレ」に統一し、また、商品訴求の演出などを一新した番組作りの見直しの効果も徐々に貢献し始めたこともあり、主力の月~木の午前枠が前年実績を上回って推移した。

 加えて、各モールのセールに合わせ拡販に注力した出店する仮想モールでのネット販売などの売り上げが2ケタ増と順調に拡大したことや前期末の今年3月に放送し好調だった2つの特番の売り上げの計上が今上期にずれ込んだことも売り上げ増に貢献したようだ。

 なお、深夜枠およびBS枠は前年下期からの番組一新の影響などもあり、上期ベースでは前年実績を下回った。また、8月に放送した特番は涼感寝具など売れ行きがよかったことや演出面の工夫で前年を上回った。

主力枠が好調に売り上げ伸ばす

 ロッピングライフの今上期の総売上高は同2・7%増の46億3600万円。このうち、番組グッズなどのネット販売を含めた通販売上高は同5・1%増の41億6000万円だった。

 主力の平日午前枠が順調に推移。今上期は編成上の都合で合計6回の番組休止があり、前年上期との比較では放送分数は減ったものの、今上期から発売し、半期で2億円超を売り上げた「コードレス回転モップクリーナー」や掃除用布巾「パルスイクロス」など前期から売れ筋の商品を軸に季節性を意識したタイミングや演出で1回放送あたりの売り上げを伸ばし、同枠単体で前年上期実績を上回る売り上げをあげた。深夜枠は前年並み、BS枠は前年実績を上回るなど好調に推移した。

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