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KOANDRO 好みの濃さに調節できるコーヒードリッパー、売れ行き好調

2019年 1月17日 10:10

 「むずかしいコーヒーを、みんなのものに。」。KOANDROが独自に開発した”コーヒーの濃さ”を簡単に調節できる機能を備えた家庭用コーヒードリッパー「ドリルドリッパー」が順調に売れ行きを伸ばしている(=写真)。昨秋からクラウドファンディングサイトで先行してネット販売を開始後、目標売上高は早々に突破。現時点で当初の目標の7倍となっており、順調な売れ行きをみせている。今年中にはドリッパーに装着することで毎回、淹れたコーヒーの状態を測定し、”好みの味になる淹れ方”を助言できるIoTデバイスの発売も予定。「コーヒー好き」を魅了する様々な工夫を備えた製品でコーヒードリッパーに新たな潮流を起こす狙いだ。

 コーヒーをドリップする時、湯とコーヒー豆が触れている時間を調整することでできあがるコーヒーの味が変わる。それゆえ、好みのコーヒーの味を出すために湯の注ぎ方や注ぐ速度を調整するわけだが「バリスタなどの専門家やマニアならコーヒーを上手く淹れる技術を持っているが、家庭で味の違いをだすのはむずかしい。専門知識がなくても誰もが好みのコーヒーを淹れられるドリッパーを作りたかった」(大澤社長=写真)とし、「ドリルドリッパー」では底の”穴の大きさ”を2つのアタッチメントの着脱で変えられるように工夫。アタッチメントを装着していない状態では一杯分(コーヒー粉17グラム、湯280CC)が2分、「アタッチメントM」の装着時は2分半、最も穴の小さい「アタッチメントS」の装着時では3分で湯が落ちる仕組み。穴が大きい、つまり、アタッチメントなしが最も湯の流れる速度が速く、”薄いコーヒー”が、逆に穴の小さい「アタッチメントS」は”濃いコーヒー”ができるという。濃さや味を決める湯の流れる速度は通常、コーヒーを入れるように自分で調整しなくとも”穴の大きさ”で調整するため、一気に1杯分の湯を注いでも好みの濃さのコーヒーができあがるというわけだ。

 穴の大きさを変えることで1台で簡単に3つの濃さのコーヒーを楽しむことができる従来のコーヒードリッパーにはありそうでなかった画期的な工夫は、大澤社長が6年間、務めたソニーから新天地での挑戦を求めて転職した老舗コーヒー機器メーカー「メリタ」の在籍時から商品化の提案を行うなど温めてきたもので結局、メリタでは商品化はかなわず、「では自分で形にしよう」と起業し、その後、穴の大きさの調整や本体の試作を繰り返し、3年の歳月をかけて2016年秋にようやく世に送り出したドリッパー本体には九谷焼、アタッチメントには錫(すず)、ドリッパーを支える台座は栃(とち)を使い、各パーツは北陸の職人がそれぞれ仕上げた同社初のコーヒードリッパー「FUJIコーヒードリッパー」で具現化した。

 「FUJIコーヒードリッパーは当社の初めての製品でもあり、ドリップの工夫はもちろん、素材・材質や製造過程も『メイドインジャパン』にこだわって納得のいくものになったが、その分、製造コストが想定よりも高くなり、販売価格も税込1万5800円と高くなってしまった」(大澤社長)として、昨年11月からクラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」で先行発売を開始した「ドリルドリッパー」はこの「FUJIコーヒードリッパー」の機能はそのままに、本体やアタッチメントに陶器や金属ではなく、プラスチックを使用し、製造コストを抑え、売価を2500円と安価に設定し、より買いやすい価格とした。

 「ドリルドリッパー」は昨年11月20日から「マクアケ」で先行販売を開始したところ、まず目標としていた20万円の売り上げは早々に達成。1月中旬現在の売上高は約140万円まで達しており、上々の売れ行きをみせているようだ。2月からは正式販売を開始し、自社通販サイトやアマゾンジャパンのマーケットプレイスでの出品など通販のほか、ネット販売実施企業や小売店への卸販売なども展開していく考えで拡販を強化していく考え。

 また、拡販強化に合わせて新たな試みも始める。今年中をメドに、ドリルドリッパーのアタッチメントの下に装着するIoTデバイス「ドリップアナライザー(写真)」を発売したい考え。「ドリップアナライザー」とは”ドリップしたコーヒー”について、その濃さや温度などいくつかの要素を計測するデバイスだ。同社では昨年11月の「ドリルドリッパー」の先行販売に合わせて、国内最大級のスタートアップコミュニティを運営するCreww(=クルー)が運営するコワーキングスペース「docks(ドックス)」(東京・虎ノ門)を利用するスタートアップ企業向けに、構想するサービスの試作品・初期製品の開発を無料で援助する取り組みを活用(※同社も開発拠点として「ドックス」を利用中)し、同制度の第1号案件として開発した「ドリップアドバイザー」と呼ばれる自分でドリップしたコーヒーの温度や豆の量を入力することで、濃さや苦み、酸味などを分析してグラフ化。飲んだ上で自分の好みとのズレを入力することで次回以降のドリップについてアドバイスする無料ウェブサービスを展開しているが、「ドリップアナライザー」は同ウェブサービスに連動し、より簡単に手間が少なく、ユーザーが自身の好みのコーヒーを再現できるような助言ができるようになるという。

 「コーヒー好きの皆様が簡単に”好みの味”のコーヒーをドリップできるようお手伝いができればうれしい。ドリッパーはもちろん、今後も様々なコーヒー機器やサービスを展開していきたい」(大澤社長)とし、旧態依然としたコーヒー機器メーカーとは一線を画した新しい革新的な製品やサービスを展開していきたい考えだ。

 
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