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KCCN “定期縛り”スピード提訴、ロータシア製薬に要請から1カ月弱で

2019年 9月26日 15:10

 適格消費者団体の京都消費者契約ネットワーク(=KCCN)が9月13日、複数回の定期を条件とする”定期縛り”の是正を求め、健康食品通販のロータシア製薬を、京都地裁に提訴した。差止請求から、わずか1カ月弱のスピード提訴。「具体的な修正内容はともかく、要請に応じるか否かの回答は時間のかかるものではない」(事務局)と提訴に踏み切った。

 ロータシア製薬は、販売するサプリメント「マヌカジンセン」について、定期購入契約を前提に「1袋分無料」(送料300円のみ)と、初回無料を強調して販売していた。実際は、10日後に4カ月分(20袋、税込3万9600円)の購入が必要な契約。「1袋分のみ、無料で購入できるかのように誤認する」(同)として、景品表示法の「有利誤認」にあたると指摘している。

 KCCNは8月22日付で表示の改善を求める要請書を送付。同月30日、ロータシア製薬から「検討します」等の回答を受けたという。以降の回答を待たず、9月2日付で再度、同月11日を期限に修正を求める要請書を送付。これに回答がなかったことから提訴した。提訴までの期間は、わずか23日だった。

 広告では、「初回無料」の表示と合わせ、2回目以降、1回あたり3万9600円の負担が必要な旨の「打消し表示」が行われている。ただ、「無料を強調するなら、総額もきちんと説明すべき」(同)として、訴状では表示の是正を求めている。

 KCCNはこれまで同様の”定期縛り”をめぐり、BRONX(17年1月)、ART OF LIFE(17年12月)、ラッシャーマン(同)の3社を提訴。いずれも表示改善を前提とする和解に至っている。「消費者庁も打消し表示があるために踏み切れず処分実績はないが、小さく書いてあれば問題ないというわけではない」(同)としている。

 
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