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日本郵便 配達ルート自動作成、初心者でも宅配便配達を

2020年 6月18日 07:34

 日本郵便は6月15日、AIを活用した宅配便などの配達ルートを自動作成する配達業務支援システムの試行を開始した。CBcloud、オプティマインドの2社と連携して取り組むもので、経験が必要な配達の順番設定や配達ルート設定を自動化し、未経験者でも配達が行える環境を整える狙い。従来に比べ生産性を2~3割向上できると見ており、年度内に段階的に全国約200局で導入し実証を行っていく。

 配達業務支援システムは、少子高齢化に伴う生産人口の減少が一層進展する中、これまで経験や勘に依存していた配達順番や配達ルートの設定を誰でも簡単に行えるようにすることで、人材確保を行えるようにする目的で取り組み始める。CBcloudが提供する宅配ソリューションシステム「スマリューポスト」とオプティマインドのAI配達ルート自動作成システム「ルージア」とを連携にしたシステムとなっている。

 宅配便などの配達順番の設定は現状、配達員が荷物ひとつひとつの配達先を地図と付け合わせしながら行っている。ベテランでも比較的時間を要する作業としており、経験のない初心者にとってはさらに大変な作業という。この作業をスマリューポストの活用により、荷物のバーコードをスマホでスキャンするだけで配達順番を自動設定できるようになる。

 また配送ルートはスマリューポストとルージアとの連携で設定。ルージアはUターン禁止、一方通行など走行上の規制、さらに配達先が道路のいずれに面しているかなど蓄積したデータからAIが判断して効率的な配送ルートを導き出す。

 スマリューポストは2019年から行ってきた郵便局での実証事件で、配達計画に要する時間を70分から30分へ短縮し、また荷物1個を配達する時間(宅配初心者)も10分から6分に短縮。ルージアでの実証実験においても配車計画が誰でも15分で行えるようになっているという。

 自動作成のほか、紙の配達証に代えてスマホへの電子サインを採用。配達の一連の作業をデジタル化した取り組みとなる。

 試行では「ゆうパック」「ゆうパケット」を対象とするが、将来的には郵便配達での利用も想定している。導入を予定する約200局は大型局を中心とし、各局の一部エリアで実施していく。

 今回の試行に合わせて、配達車両も通常の2輪とは異なる車両を一部導入する。本田技研の原付自転車「ジャイロキャノピー」に従来の2輪(80~100個程度)に比べ4割ほど多い140個程度を積載できる荷台を設置したものを用意。2輪免許取得者が減る中、原付免許で運転できることで、多様な人材を配達員として採用できると見ている。

 
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