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JAMUの「ファンプレイヤー」 高い解析力で顧客行動を把握、購入見込みの高い人に接客

2021年 6月17日 12:40

 米国のコンバージョン最適化プラットフォーム「Fanplayr(ファンプレイヤー)」を展開するJAMU(ジャム)は、シリコンバレー発の金融システムをベースとした解析力を強みに、日本のEC市場でもアパレル分野などを中心に注目を集め始めているようだ。

 世界で1500社以上の導入実績を持つ「ファンプレイヤー」は、流入・広告解析や顧客属性解析、リピーター解析、RFM解析、購入タイミング解析、離脱解析などさまざまな解析シナリオを駆使し、サイト流入から購買までの顧客行動を理解してウェブ接客などを行うことで、導入先の売り上げや利益、新客開拓に継続的に貢献するという。

 日本でもウェブ接客ツールは広く活用されているものの、企業のEC担当者に知見が足りないことなどもあって継続的な改善業務まで行えず、導入効果が限定的になっているケースが多い。

 同社でセールス&マーケティングを担当する橋川隼人氏は、「本来、ウェブ接客を行うことがゴールではないはず」と指摘。売上高や利益を高めるという目的に向けてPDCAをしっかり回すことが大事という。

 元々、リアル店舗の接客をオンラインで表現するのがウェブ接客の始まりで、店舗では来店客の様子に合わせて店員が声をかけるが、プロの接客を行うにはユーザーを理解する必要がある。「誰に、どのタイミングで、どういう声がけをするかが肝心。ウェブ上ではそこを判断するための”解析”がファンプレイヤーの一番の強み」(橋川氏)とする。

 「ファンプレイヤー」は金融のディーリングシステムなどを作ったチームが開発。大量のデータから、株式や債券などをいつ売るか、いつ買うべきかを分析して投資家に利益をもたらす”負けない仕組み”がベースになっており、EC市場でも根拠を重視して各種アクションを行う。

 具体的なアクションを行う際は、セグメント分けが重要で、同社セールス&マーケティング担当の中川正章氏は、「ファンプレイヤーは購入者と近い行動をとっているユーザーを把握するのが得意で、購入見込みが高い人にしかアプローチしない」という。

 例えば、20代の女性があるワンピースを買った場合、20代女性全員に当該商品をレコメンドするメールを送る企業もあるが、店頭ではそのワンピースの前に立ち止まってじっくり見ている人にしかお勧めしないことから、「顧客が20代女性かどうかではなく、購入見込みが高いかどうかがアクションを打つ上では大事。そうした解析をできるのが強み」(中川氏)とする。

 ECの利益面を考慮してもセグメント分けは重要で、割引クーポンを配布する場合、購入意欲の高い人と興味を示していない人にはクーポンを配布しないという。前者は何もしなければ定価で買ってくれる人に値引き販売をすることになり、後者はブランド価値を棄損してしまう恐れがあるからで、クーポンは購入を迷っている人や商品をカートに入れたままにしている人などに限定してアプローチすべきという。

 コロナ禍でアパレル各社は自社EC強化に本腰を入れており、行動分析によってきめ細かいウェブ接客を行いたいニーズが増えているほか、従来のウェブ接客ツールに不便を感じて乗り換えるケースも多いようで、同社では充実した解析シナリオと豊富な接客手段、運用支援の三位一体で継続的な成果につなげていく。

 
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