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Spartyとフィッツコーポ パーソナライズ香水を展開、未使用者の需要掘り起こし図る

2022年 8月 4日 12:30

 フレグランス市場への参入が相次いでいる。通販でパーソナライズサービスを展開するSparty(=スパーティー)は7月20日、化粧品事業を展開するフィッツコーポレーション(以下フィッツ)とフレグランスの新ブランドを立ち上げた。通販大手のオルビスは、パーソナライズフレグランスを展開するScentopia(=セントピア)と業務提携し、今秋に新ブランドを立ち上げる。

 スパーティーは、香水のコアな利用者層で形成される既存のフレグランス市場ではなく、未使用者をターゲットに需要の掘り起こしを進める。展開するパーソナライズシャンプー「メデュラ」でも、複数の香りを選択できる設計が人気。市場には、コア層を対象にした専門店、オーダーメードフレグランスのサービスはあるが、未使用者を対象にしたサービスは少なかった。

 フィッツの調べによると、自分にあった香りを見つけることが「難しい」と感じている層は4割、「見つけたい」と思っている層は5割超に上るという。ウェブやパーソナライズサービスに強みを持つスパーティーと協業することで、未使用者へのスムーズな商品提案が可能とみる。スパーティーは、商品企画やリテール開拓で強みを持つフィッツと協業することで、市場への早期のブランドの浸透を図る。

 新ブランド「lovepassport mila(ラブパスポート ミラ)」(=画像)は、フィッツが03年に立ち上げ、世界40カ国で展開した実績のあるフレグランスブランド「ラブパスポート」の新ラインとして展開する。オンラインで「好みの香り」や「使いたいシーン」などの質問に回答し、ユーザーに適したオードトワレ(7・5ミリリットル)とヘア&ボディオイル(40ミリリットル)のフレグランスセット(初回税込4268円、2回目以降6138円)を販売するサブスクリプション型サービス。オードトワレとヘア&ボディオイルの組み合わせの数、各商品の処方数は非公表としている。

 スパーティーは、プレゼント需要が増加する年末にかけて、SNSやユーチューブを活用してブランド認知を図る。商品には、香水を使用するタイミングや、シーンに適した活用法を提案するガイドブックをセットにすることで未使用者の継続利用を促していく。

 オルビスは、パーソナライズフレグランス「リベルタパフューム」を運営するセントピアと業務提携し、新ブランド「HELENUS(へレナス)」を立ち上げる。オルビスの肌知見とセントピアのフレグランスに関する知見を活かし、新たな価値提案につなげる。

 セントピアは、20の質問に答えることで、独自のアルゴリズム、50万件の診断データに基づきフルオーダーで香水を提案するサービスなどを展開する。

 国内のフレグランス市場(20年)は、前年比約18%減の381億円(富士経済調べ)。好みの商品を選ぶ難易度が高いとされ、日本は香水ブランドが育ちにくい市場とされる。化粧品全体に占める割合も、例年、数%にとどまる。一方、純粋に香水としてではなく、ディフューザーや柔軟剤、シャンプーなど香りを楽しむ市場は好調に推移している。

 
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