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【開発背景を読み解く DCアーキテクト①】 広告チェックにAI活用、自動で「リライト案」を提示

2023年 3月 2日 11:00

 「薬事法広告研究所」を運営するDCアーキテクトが、広告チェックの新サービスを始めた。AIを活用し、容易に広告表現のチェックが行える。長年培った知見を反映させ、複数の「リライト案」も提示する。

 各産業でAI活用が進む昨今、OpenAIが昨年11月、対話型AI「ChatGPT」を公開したことが話題になった。人の入力したテキストを理解し、さまざまな質問に回答してくれる。事実と異なる回答が示される課題はあるものの、各領域で活用が進んでいる。

 通販業界でもAIを活用したさまざまなサービスが生まれている。チャットボットによる購買体験のサポート、購買履歴等に基づくレコメンドなど接客分野、広告運用の最適化などマーケティング分野、商品開発、需要予測、価格設定、不正検知など活用領域は広がっている。こうした中、DCアーキテクトは、化粧品や健康食品の広告チェックサービスにAIの活用を始めた。

 一般的に広告チェックを行う場合、(1)自ら知識を習得する、(2)とりあえず広告審査にかけてみる、(3)弁護士や第三者機関などに相談するという3つの選択肢がある。

 ただ、(1)は、知識習得に時間がかかる上、答え合わせができないため「確証を持てないこと」に課題がある。(2)は、広告主、代理店、媒体社間の調整に時間を要することによるストレス、ジレンマが生じる。(3)は費用がかかるといった問題がある。

 加えて、市場のウェブへのシフトに伴い、広告クリエイティブの数も飛躍的に増えている。DCアーキテクトの取引先は262社(今年2月時点)、年間依頼件数は約1万件に上る。規制強化やコンプライアンス遵守を目的とした広告審査の厳格化、関係者間の工数の増加を受けて、案件数は年間10%程度増えているという。

 広告制作の構造は、「広告主↓代理店↓制作会社↓ライター、アフィリエイター等」と、何層にも渡る確認・調整が行われる。修正のやり取りに時間を要し、たらい回しになりがちだ。修正依頼にも「ではどうすれば?」という代替案がないというジレンマを抱える。「時間や工数の調整の無駄を省き、そのための時間をクリエイティブやサービスの充実に回してほしい」(同社)と考え、今年3月に提供を始めたのが、AI薬機法チェック&リライトツール「機械良文」だ。(つづく)

 
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