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【開発背景を読み解く DCアーキテクト②】独自技術で特許出願、”前後の文脈”含め広告表現を評価

2023年 3月10日 17:00

「薬事法広告研究所」を運営するDCアーキテクトが提供するAI薬機法チェック&リライトツール「機械良文」の最大の特徴は、複数の「リライト案」を提示することにある。ただ、広告チェックの領域では、すでに先行するサービスもある。「機械良文」は何が違うのか。

 既存の広告チェックサービスは、薬機法や景品表示法の観点からNGワードの「リスクを検知する」機能がベースだ。「ではどうすれば?」という問いに回答することはない。「ChatGTP」のようなツールで代用もできるが、課題は「事実と異なる場合」があること。コンプライアンスを念頭に置いた利用の場合、リスクが高い。

 「機械良文」のサービスを支えるのは、二つの特許出願技術だ。一つは「薬機法上問題のあるワードをチェックし、複数のリライト案を表示させるもの」。「薬事法広告研究所」が、長年に渡る広告チェックサービスで積み上げてきた「リライト実績=教師データ」をAIに取り込み、これに基づく言い換えを提示する(=画像)。

 例えば、化粧品広告で「シミの改善」という表現を使用した場合、リスク検知とともに「くすみをケア」というリライト案を、「シミが消える」という表現であれば「シミを目立ちにくくする」、「肌の奥に浸透」という表現は、「肌のすみずみに浸透※角層まで」といったぐあいに代案を提示する。化粧品で細胞や真皮層への浸透表現がNGであるためだ。

 変わったところでは、「(肌の)救世主」といった表現も「味方」、「レスキュー」、「頼れる」といった表現を提案する。「救世主」は、薬機法上、「効果の確実な保証」にあたる可能性があるため。「理想の状態に導かれる」といった表現も、「憧れ」「理想の状態を目指す」など主観的表現に変更するリライト案が表示される。
 加えて、「機械良文」の精度を高め、類似するほかのサービスとの差別性を決定づけるもう一つの特許出願技術が、「チェックしたワードの前後にあるワードから判断する」というものだ。

 例えば、「毛穴」。単語でみれば、リスク検知の対象になる。ただ、「毛穴周りをなめらかにする」であれば肌を整える化粧品の効能範囲として許容され、「毛穴を変える」や「毛穴レス」はNGになるなど扱いようで評価は変わる。

 「機械良文」は、後者に対しては、「毛穴目立ちをケアする」「毛穴レス※潤った肌の印象のことです」といったリライト案を示す。つまり、”前後の文脈”で言葉の持つ意味が変化する日本的なニュアンスに対応しているのだ。「薬機法の難しさは前後の文脈で意味が変わるところ。人間らしいニュアンスの理解を目指した」(同社)とする。 (つづく)
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