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消費者ネットおかやま GRACEに勝訴、代金未納の繰返し請求めぐり

2023年 4月27日 12:00

 適格消費者団体の消費者ネットおかやまが健康食品通販のGRACE(=グレース)を相手取り起こしていた差止請求訴訟は3月7日、岡山地裁が勝訴した。定期コースの解約を申し出た消費者に、その後も代金請求を繰り返し行っていた。消費者ネットおかやまは、消費者契約法違反にあたるとして、代金請求の停止を求めていた。
 
 岡山地裁は、グレースが販売する「麹の贅沢生酵素」、「FLOR FURORA」について、代金未納がない消費者に商品代金を請求する行為の停止を命じた。債権回収を委託する代理人にこれを周知するとともに、消費者に請求が誤りであることを通知することも命じた。

 消費者ネットおかやまは21年7月、訴訟を提起した。グレースが解約方法を電話に限り、電話がつながる状態でないにもかかわらず、「解約はいつでも可能」などと表示していることが消契法や景品表示法(有利誤認)に違反すると指摘している。

 22年3月には、商品代金の請求をめぐるトラブルが多数発生していることを受け、同社を追加提訴した。消費生活センターには、定期コースの解約後も債権回収の代理人を通じて商品代金を請求する通知が届いていたことから「支払わなければならないか」「もめるなら払っても構わないが、どうしたらよいか」「本当に未払いなのか」などの相談が寄せられていた。支払いがない場合、「訴訟」や「支払督促」など法的措置をとることを記載したものもあったという。同社について、国民生活センターに情報提供を求めたところ、19年末から22年の約3年間で同様のトラブルが約1500件確認できた。

 判決は、追加の提訴に関するもの。解約するなどして代金の未納がない消費者に対し、未納があるとして請求しており、「重要事項について事実と異なる説明を行った上で、消費者契約の締結を勧誘していた」(岡山地裁)と判断した。

 グレースは、20年1月、消費者庁から特定商取引法に基づく指示を受けている。月1回届く定期コースの最終確認画面で申し込みを完了するためのボタンに「初回完全無料の贅沢コースに参加する」と表示。また、3カ月に1回の頻度で継続する定期コースの最終確認画面では、「購入完了ページへ」などと表示。これにより、このボタンのクリック・タップをもって定期購入契約になることを、容易に認識できるように表示していなかった。
 
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