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内定後フォローを重視【通販実施各社の人財施策②】 両親を会社見学会に招待も

2024年 3月22日 12:00

 前号に続き、通販実施企業各社が取り組む人材育成や職場づくりの在り方などについて、2月下旬に行った新卒採用アンケートの結果をもとにその内容をまとめた。今回は、新卒採用に関して、自社ならではの特徴的な採用告知や、選考、内定後のフォローなどを行っている事例を見ていく。

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 QVCジャパンでは、放送スタジオを構えた社屋が特徴であることから、オフィスツアーを始めており、社外向けに施設を一部開放するなど就活目的だけではなく学生や若い世代の人たちに来社してもらい、オフィス環境を知ってもらうことを意識したイベントを開催している。

 アスクルでは選考過程で、現場社員との面談の機会を導入。ゴルフダイジェスト・オンラインでは、二次面接対策講座があり、一次面接通過者に対して、二次面接のポイントと自己・会社分析の再催促を実施。そのほか、社長・役員座談会や先輩社員座談会を内定者に対して実施している。ジュピターショップチャンネルでは、すべて個人面接にて実施しており、先輩社員との座談会がある。ベルーナは、人事担当者面談、現場社員面談、レポート提出などを実施。

 ランクアップでは、「内定者の親御様会社見学会」を第1期生から10年以上実施している。「この見学会が入社を選ぶ判断材料になるとは思わないが、会社説明会、社内案内、経営者との食事会を通して、親御さんたちに安心してもらいたいことはもちろん、ご両親がどのような気持ちで育てられてこられたのかという想いにも触れることができ、私たちも身が引き締まる思いになる」と説明。同社によると、ベンチャー企業への入社を少なからず不安に思っている親がいることにも加え、自身の子供が社会人としてやっていけるのかという不安を持つケースも少なくないことから、経営者、人事、一緒に働くメンバーを見せることで安心してもらうという。今後も継続する考え。

 マガシークでは、グループワークを実施。新日本製薬では、多くの社員が面接官として採用に参加。応募に来た学生の良さを多くの目(面接官)で引き出すことが狙いだという。

 そのほか、アンケート回答以外の企業の取り組みとしては、クラシコムが、新卒採用の募集を行う中で、エントリー開始に合わせてポッドキャストなどの関連コンテンツを公開している。これは、顧客が安心して買い物を楽しむことができるように、スタッフの働く姿をコラム・動画・ポッドキャストといったさまざまなコンテンツを通して日常的に発信しているもの。求職者も応募前から会社の雰囲気や業務内容の理解を深めることができ、採用のミスマッチを防ぐことや、入社後にスムーズに馴染んでいくことにもつながっているという。中でもポッドキャスト番組の「チャポンと行こう!」については、リスナーが入社するケースが増加。同番組は、同社の副社長であり通販サイト「北欧、暮らしの道具店」の店長を務める佐藤友子氏がスタッフと何気ない日常のトークを繰り広げるもので、8年目を迎えている。

 2022年に開催した公開収録イベントには応募数1600人、生配信は延べ1万人が閲覧。頻繁に社内の様子も語られることから、テキストや写真だけでは表すことができない企業の空気感が伝わるツールとして採用に貢献していると考えている。(つづく)


 
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