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オルビス 越境で"肌トクホ"、初年度10億、ブランド認知へ

2018年11月 8日 09:49

 オルビスが、日本で初となる"肌トクホ"の販売に乗り出す。国内で来年1月の発売に続き、同2月から中国で越境ECも開始。初年度(2019年12月期)に中国で10億円、国内を含め商品単体で22億円の売り上げを目指す。機能性表示食品ではすでに"肌の保湿"関連の商品が多く存在するが、国の審査を経た許可商品である強みを打ち出す。

 「これからのオルビスの"顔"となる商品。(今年10月に刷新した)主力スキンケア『オルビスユー』とともに新たなスキンケアの価値を提供できるもの」。今年11月の商品発表会で小林社長はこう話した。

 展開する「オルビス ディフェンセラ」(=画像、30日分、税込3456円)は、関与成分として米胚芽由来グルコシルセラミドを含み、「肌の水分を逃しにくくする」といった機能を表示する。昨年末、消費者庁からトクホとして許可を得た。商品は、アリババグループが運営する「天猫国際(Tモール国際)」で販売する。

 中国で、オルビスブランドのプレゼンスはまだそれほど高くはない。すでに複数の越境ECプラットフォーム、現地法人を通じた通販も行うが、主力は化粧品。食品は中国本土の展開で認可に時間がかかることもあり、力は入れていなかった。だが今回、トクホを「(ブランド)認知を得る戦略商品」(小林社長)と位置付けており、主力スキンケアの刷新を前にトクホで認知を図る。

 展開にあたり、アリババグループと戦略提携も締結した。詳細は不明だが、「アリババが保有するビッグデータを活用しつつ、連携して販売促進策を展開。広告、イベントの優先枠を利用できる」(同)という。中国で、"トクホ"という言葉を用いるかは検討中だが、ポーラグループの高い研究開発力や、機能、安全性で国の厳しい審査を受けた商品であることは訴求していく。

 中国とは別に日本でも初年度に12億円の売り上げを見込んでいる。内容は未定だが、プロモーションも計画する。ただ、サプリメントの展開ではファンケル、ディーエイチシーの後塵を拝している印象が強い。

 "肌トクホ"は16年4月、資生堂が一足早く「素肌ウォーター」で許可を得たものの発売には至っておらず、一定の注目度はある。ただ、機能性表示食品で"肌の保湿"関連の商品が数ある中、国内で認知を高められるかは未知数だ。

 オルビスは、今回の商品を「従来の化粧品と食品の境目をなくす商品。スキンケアそのもの」(同)と捉えている。スキンケアを含め、内外美容の提案から認知を得られるかが注目される。

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