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共感の時代のダイレクトマーケティング・クリエイティブ【第1回】

2019年 1月25日 15:07

インサイト型クリエイティブの時代背景
 
はじめまして。通販事業の総合支援を行っている「株式会社プランクトンR」代表の、大久保悠祐と申します。これから全4回にわたり、ダイレクトマーケティング成功の鍵を握る、クリエイティブに関するコラムをお届けします。その皮切りとなる第1回にご紹介するのは、各時代にわたるダイレクトマーケティングの変遷。そして、今この時代に必要なインサイト型クリエイティブです。まずは商材や媒体、そしてクリエイティブが、現在に至るまでにどのような進化を辿ってきたのかを、ここで改めて整理してみましょう。

第Ⅰ世代~ニッチ商材の機能・効能訴求~
 
 2000年以前のダイレクトマーケティングは、健康器具など、比較的嗜好性が高いニッチ商材が中心でした。当時はまだインターネットの普及が進んでおらず、広告を掲載するのはテレビや新聞、雑誌、チラシなどのオフライン媒体が主流。すでに悩みが顕在化しているターゲットに対し、「信じられないほど痩せる」「これで20歳若返る」など、機能や効能をストレートに訴求するクリエイティブが多く見受けられました。短期的かつ効率的にレスポンスを取る考えが、この時代は一般的だったと言えるでしょう。

第Ⅱ世代~オンライン媒体による効率化~
 
 2000 年代からは、インターネット使用者が徐々に増加。第Ⅰ世代では狙うことができなかった若年層にアプローチするために、バナー広告、LP、ECサイトなどのオンライン媒体を駆使した広告が増えていきました。クリエイティブはまだまだ直接的なアプローチが主でしたが、アドテクノロジーの活用によって、顕在層を獲得するまでの効率性は飛躍的に上昇。これまで以上の広告効果を実現するとともに、より幅広い層に認知を高めていきました。

第Ⅲ世代~市場の飽和と表現規制の強化~
 
 2010 年代に差し掛かると、通販ビジネスに新規で多くの企業が参入してきます。当然ながら、市場が急に広がる理由もなく、供給過多により市場は飽和状態へ。媒体効率が悪化していく中、さらに薬機法(旧薬事法)の改正により、広告の表現規制が強化されることも、レスポンスの獲得に大きな向かい風となりました。当然ながら、第Ⅰ世代のような「ダイエット」「若返り」などの文言も薬機法に抵触するため、掲載には至りません。つまり、直接的な訴求で勝ちパターンを作り上げていた既存の広告は、改めてスタートラインへと立ち戻らなければいけなくなったのです。

潜在顧客へのアプローチが成功の近道
 
 従来であれば、商品のニーズが明確化されている顕在層へ訴求することが、最もレスポンスにつながりやすい手法でした。しかし、直接的なニーズを満たす表現が難しく、さらに類似商品があふれ返る現状において、このアプローチの訴求力は十分とは言えません。この一見、打ち手がないように思える第Ⅲ世代ですが、ターゲットとする層を一度見直すことで、また異なる訴求が浮かび上がります。それは、限られたパイ(=顕在層)を狙うのではなく、いま商品を必要と“思っていない”潜在層へ需要を喚起すること。顕在層と比べ母集団が非常に大きく、適切なコミュニケーションを行えば、倍以上の効果を生み出すことも不可能ではありません。

“モノ”から“コト”へ、今こそ発想の転換を
 
 適切なコミュニケーション、それこそが私たちが提唱する「インサイト型クリエイティブ」に他なりません。ベネフィット(その商品でどんな良い事があるか)として新たな価値を持たせ、潜在層が無意識的に感じている課題に対し“気づき”を付与するのです。例えばですが、年齢が気になる女性には「肌がキレイになる」化粧品より、「同窓会で若く見られる」化粧品のほうが、より身近に感じられますよね。単に商品スペックを訴求するだけでは、受け手は自分ゴトとして商品を捉えられません。隠れたニーズを引き出すために、訴求とする軸を「ビフォーアフター」から、その先にある「ビフォーアフターアフター」まで落とし込むことで、商品が必要だと思っていなかった消費者は耳を傾け、ようやく課題を認識するのです。

 また、表現の幅が狭くなりがちな効能訴求とは違い、インサイト型クリエイティブであれば、表現手法にも発展の余地が生まれます。まず、軸となる方向性を見つけさえすれば、ターゲットのライフスタイルの中で、様々なシチュエーションや感情の揺れ動きからインサイトを発見し、さらに一歩踏み込んだ、効率的なテストパターンを設定できます。もちろん、インサイトを活かすビジュアル等の工夫は必要ですが、それ以上にこのクリエイティブは多くの可能性に満ちているのです。

「共感の時代のダイレクトマーケティング・クリエイティブ」の全連載(全4回)
第2回目はこちら
第3回目はこちら
第4回目はこちら



著者プロフィール
大久保悠祐(おおくぼ・ゆうすけ)
株式会社プランクトンR 代表取締役社長。大広とファインドスターにて、多数の大手クライアントにおいて通販事業(健康食品、化粧品)を担当。新規獲得からCRM支援まで多くの成功事例を打ち立てる。その経験をベースに独立。2011年8月にプランクトンRを設立。主にメーカー系通販会社に対し、広告支援、CRM支援を中心として業容を拡大。広告のインサイト型クリエイティブや、CRMではLOVeメールフレームといった、実績に基づいた最新理論を次々と打ち立てる
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