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<本紙アンケート調査 各社に聞く重要課題> 1位は不動の「新規顧客の開拓」、「商品の開発・育成」が重要度増す

2020年 1月20日 13:30

 通販新聞社は昨年12月、通販・通教実施企業を対象に事業を展開する上での課題に関するアンケート調査を行った。重視する課題としてトップになったのは過去の調査と同様に「新規顧客の開拓」だった。2位となった「既存顧客の継続化」とともに事業成長のキーとなる項目だけに、最も重視しているとする企業が多い。3位には「商品の開発・育成」、4位には「物流コストの削減」が入っており、上位4位までの項目は前回調査(昨年7月実施)と同結果になった。
 




両輪となる顧客の開拓と継続化

 アンケート調査は、通販・通教を事業展開する上で、現状の課題、あるいは今後の課題になると捉えている項目を通販新聞が提示した17の選択肢の中から回答してもらった。重要度の高い順に3項目を選択してもらい、その結果を本紙が独自に集計しポイント化している(グラフ参照)。

 課題のトップとなった「新規顧客の開拓」は、97ポイントを集めた。2位とは35ポイントの開きがあり、この課題を他の項目より重視している企業が多いことを窺わせる結果となっている。

 「新規顧客の開拓」を選んだ企業の回答理由を見ると、「継続的成長のために顧客数の増加は必須」(ヒラキ)や「新規顧客の獲得がビジネス拡大の鍵となるため」(田中貴金属ジュエリー)といったように事業成長していく上での根幹とみなすところが多い。

 重要な課題とする企業が多いのは従来と変わらいものの、より競争環境が厳しくなるなどの中で、その課題解決のためのハードルの高さは増しているようだ。「国内市場の飽和が続く中で新規顧客の開拓の難易度は増す見込み」(リフレ)とし、厳しい状況の中でも新規開拓は取り組み続けなければならい課題として捉えてなくてはならなくなっている。

 その一方で、新規開拓を顧客との接点と捉え、前向きにその機会を増やす方策を打ち出しているところも見られる。このような捉え方は、オムニチャネル化の推進を強化しているファッションの企業などが積極的に取り組む企業などに多い。

 2位は1位の「新規顧客の開拓」とともに重視するところが多く、いわば通販事業の両輪となる「既存顧客の継続化」で、62ポイント。新規顧客を獲得し、その顧客へいかに継続利用を促せるかが事業基盤の維持、さらに成長とつなげられるだけに今回も多くの企業が挙げた。ただ、事業の両輪ともなる課題としていながらも、「新規顧客からのアプローチはあるが、売り上げの伸びに反映されていない(1回限りの購入に終始)。定着感がない(ため)」(GSTV)というような声もあり、よりLTVを向上する上で新規開拓以上に重視する必要を訴えるところも見られる。また「継続化することで新規獲得の効率(目標設定)のハードルをさげることが可能になる」(サンクラルテ製薬)とし、新規開拓に要する費用と継続化の費用とのバランスを勘案した上での継続化の方をより重視する姿勢のところもある。

 一方で今回の調査では下位の14位となった「休眠顧客の活性化」は顧客という側面がありながらも、「新規顧客の開拓」「既存顧客の継続化」と異なり、事業の成長につながらないようで挙げる企業が僅かだった。新規開拓や既存顧客へアプローチするほどの費用対効果がないようだ。

重要度が高まる商品開発・育成

 3位となった「商品の開発・育成」は60ポイントだった。2位の「顧客の継続化」に2ポイント差まで迫っており、前回調査(昨年7月実施=13ポイント差)よりも、その差を大幅に縮めた。

 同項目を選んだ理由では、「新商品投入は、既存顧客のリピート率向上につながる」(アプロス)や「(売上拡大にためには)品ぞろえの幅を拡大することが課題」(ダイドーフォワード)、「新たなターゲット層も踏まえた商品開発、並びに次の柱となる商品開発が重要」(八幡物産)といったように、商品が新たな顧客、そして既存顧客を魅了して事業成長につなげる上で重視する企業がより多くなっていると言える。

 また「独自商品の流出(のため)」(大網)といったように、他社の攻勢から一層の商品開発の強化の必要性を訴えるところや、「差別化する商品をどう作るか(が課題に)」(メディプラス)など競争上でも商品開発の重要性が高まっていることが窺える。

依然頭を悩ます物流コスト上昇

 4位は32ポイントで「物流コストの削減」。大手の宅配便の値上げ騒動から一定の期間が経ても、多くの通販企業にとって物流コストが依然として悩ましい問題となっている。宅配便の運賃に加えて、物流センターなどの物流加工費なども人手不足の影響で値上がりしている状況で、多くの企業が重要課題として捉えていると思われる。

 物流コストに関しては「今後も配送運賃・資材・人件費の上昇の影響を最小限にするため取り組みが必要」(アプロス)や「物流コスト増を収支上吸収するのが喫緊の課題」(阪急キッチンエール関西)というように、現状においてコスト上昇に直面していて、その対応策に取り組む必要性に迫られている企業が多く見受けられる。

 最もコスト上昇につながっていると思われる宅配便については「(宅配便大手の)値上げ打診に終わりが見えない」(エー.ビー.シーメディアコム)としており、今後のさらなる上昇を案じるようなところも少なくないようだ。それだけに「複数の配送会社を工夫して利用」(ディーライズ)というような配送エリアや荷物のサイズによって、より割安な運賃が適用される宅配便を選定するといった取り組みをはじめとした対策を行っていくところは多くなっていくだろう。

1つ順位上げた「ウェブの集客」

 5位は前回調査(昨年7月実施)で6位だった「ウェブの集客」が入った。29ポイントで、「客単価の向上」と入れ替わる恰好となった。

 同項目は大手専業、BtoB通販、健食通販など幅広い企業が課題として挙げた。「カタログ重視の売上構成をECに移行させる」(ダイワ)といったように、先々を見据えてウェブへのシフトを強めた企業がひとつ。同時に「新規顧客開拓の上で、まだ伸びしろがあるのはウェブ集客。ターゲットになるシニア層もどんどんウェブ利用が進んでいる」(リフレ)や「既存リストの年齢層は高いが、高齢者のウェブ利用が急速に高まっている」(ロッピングライフ)といようにネット販売の裾野が広がっている現状を捉える企業がある。いずれにしてもウェブでの集客は、課題トップの「新規顧客の獲得」とも関連する項目であり、今後もポイントを伸ばしてくことになりそうだ。


「購入頻度の向上」が7位、前回より5つ順位を上げる

<6位以下の10項目>

 6位以下については10項目が挙がった。

 24ポイントで6位となった「客単価の向上」は、前述の通り前回調査(昨年7月実施)より1つ順位を落とした。理由としては「既存顧客向けのセット売り・クロスセル・アップセルによる客単価引上げがさらなる売上増の契機ととらえている」(アプロス)や「フルフィルメント費率が上昇する中、(その比率を)抑え込むためには1配送当たりの売上利益を上げる必要がある」(エー.ビー.シーメディアコム)といった内容が挙がった。また「売上を伸ばすため、新規顧客獲得より取り組みやすい施策である」(全日空商事)とし、新規獲得が難しい状況も反映し、既存顧客の購入費度アップに注力するところもある。

 7位は「購入頻度の向上」で15ポイント。前回調査(昨年7月実施)の12位から5つ順位を上げている。6位の「客単価の向上」とともに選択した企業が多く見られ、その理由については同項目を選んだ内容と重なる部分が多い課題となっている。

 8位は「広告費の配分・削減」で12ポイントだった。「大手や医薬品メーカーなどのインフォマーシャル市場参入(によるテレビメディアの変化のため)」(オークロンマーケティング)といように競争環境の変化で広告費の配分・削減に取り組む必要性が高いようだ。

 9位は9ポイントの「原価率の改善」。「売り上げに対し利益が過少」(GSTV)という商品の特性自体に存在すると思われる理由とともに、「物流コスト同様、商品の原価や調達に伴うコストも上昇しており、仕入れ先の見直し、条件交渉なども図る必要がある」(阪急キッチンエール関西)という環境の変化から課題となるとする企業もある。

 10位には「人材確保」「顧客サービス・顧客対応」「個人情報保護」「その他」がいずれも5ポイントで並んだ。その中で「人材確保」は人手不足が深刻化しているものの、多くの企業で課題となっているはずだが、重要度してはそれほど高い位置づけではないようだ。

 14位は「休眠顧客の活性化」で4ポイント。1、2位の「新規顧客の開拓」「既存顧客の継続化」で触れたように、顧客関連ながらも上位2項目ほどの重要度はないようだ。

 15位は2ポイントの「業務の外部委託」だった。10位の「人材確保」と同様、人手不足の状況下で重要性が高いと見られる項目ながら、既に可能な範囲で各種業務をアウトソーシングしているところが多いと見られ、重要度はさほど高くなかった。

 なお、回答する企業がなかった項目は2つで、「人件費削減」と「環境問題」。ともに前回調査(昨年7月実施)でも回答企業がなかった。「人件費削減」は人手不足の問題と絡み、コスト削減策の一環としては取り組むことが難しい状況にあると思われ、今回も回答するところがなかった。「環境問題」はSDGsなど持続可能な社会に向けての課題として今後重視するところが増える可能性があると考えられる。

 
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